680話 一週間で解決してしまえばいい
「サクラの両親が……?」
買い物に出たティナ達が帰ってきて……
その後、時間が欲しいと言われて、四人で話をすることに。
そこで聞かされた話は、アルトリウスからサクラの両親の匂いがしたという、衝撃的な話だった。
「そんなことが……」
「なぁ、レインの旦那。出発まで時間がないのはわかるけど、なんとかならへん? うち、こんなサクラを放っておけんわ」
「レイン……おね、がい」
「クゥーン……」
三人から懇願されて、俺は……
「うん。もちろん、調べてみる」
即答した。
「えっと……ええの? うちらが言うのもなんやけど、わりと厄介なことになりそうやで?」
「時間は……だい、じょうぶ?」
正直なところを言うと……
出発を伸ばすことはできない。
南大陸で……ラウドネアで起きている異変は、かなり大きなもの。
放置したらなにが起きるかわからない。
少しでも早い解決が望まれる。
ユウキとサーリャさまの考えでは、一ヶ月は問題ないだろう、とのこと。
しかし、それ以上は保証できない。
一ヶ月という期間を考えると、準備にかけられる時間は一週間がギリギリだ。
それ以上は伸ばせない。
なら……
「一週間以内に解決すればいい」
「「「……」」」
南大陸の問題を長引かせるつもりはない。
そして、サクラの問題を放置するつもりはない。
やりたいこと、全部やらせてもらう。
俺は、こう見えてわがままなんだ。
「……はは。なんていうか、レインの旦那らしいなあ」
「うん」
「オンッ!」
「褒められているのか、悩ましいところだな……」
俺が苦い顔をすると、三人は楽しそうに笑うのだった。
――――――――――
その日の夜。
みんなを集めて、サクラについての情報を共有する。
「にゃー……サクラの両親の匂いが」
「そんなことがあったのね……大丈夫。あたしらも力になるわ」
「キューン」
みんなの温かい言葉に、サクラはうれしそうに鳴いた。
「でも、時間ないよ?」
「そうですわね……一週間以内に解決しなければいけませんが、わたくし達全員が動くとなると、旅の準備ができません」
「準備は、け、けけけ、けっこう大変だと思いまひゅ……!」
「そうですね。ソラ達はかなりの大所帯になったので、その分、たくさんの補給を必要とします」
「管理は……まか、せて?」
「ニーナの能力があれば、なんでも保管し放題やしなー」
「サクラに関する調査は、レインと、他二人が良いのではないか?」
ルナがそんな案を出した。
「一人でもいいんじゃない? サクラをないがしろにするわけじゃないんだけど、あまり人数を割いたら、補給班が大変になるわよ?」
「そうなのだが、これには深い事情があるのだ」
「なによ、それ」
「一人だけだと……場合によっては、抜け駆けしてしまう恐れがあるのだ!」
「「「っ!!!?」」」
その可能性は考えていなかった、という感じで、カナデ、タニア、ソラ、イリスが驚いていた。
えっと……
ものすごく反応に困る。
「ぬけ……がけ?」
「ニーナは、まだ気にしなくてええんやでー」
本当、気にしないでいてほしい。
ニーナはそのままで。
「それは由々しき問題だね」
「そうね。補給が大変になるとしても、二人、つけた方がいいわね」
「はい、そうですね。ソラもそう思います」
「決して抜け駆けなんてさせませんわ」
目的がズレてきてないか……?
「じゃあ、俺と他二人がサクラの件について調査をする、っていうことでいいな?」
「「「異議なし」」」
「なら、誰に頼むかだけど……」
「あ、あにょっ!」
フィーニアが大きく声をあげて……
そして、赤面する。
噛んでしまったことを恥ずかしく思っているのだろう。
「あの……」
「フィーニアが来るか?」
「は、はひ! ワタシなんかではご迷惑をかけてしまうかもしれませんが……で、でもでもっ、サクラちゃんのためになにかしたいんです! がんばりたいんです!」
フィーニアのまっすぐな想いが伝わってきた。
みんなも感じたらしく、優しい表情になる。
「うん。じゃあ、一人目はフィーニアにお願いするよ」
「い、いいんですかっ!?」
「もちろん」
「あ、ありがとうございまひゅっ」
……また噛んでいた。
「そうなると、もう一人は……」
「うちに任せてくれん?」
ティナが名乗りをあげた。




