↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

674/1223

669話 勝手に決めるな

「アルトリウスっ!!!」

「くっ!?」


 ヤツの懐に潜り込み、クサナギで斬りかかる。


 アルトリウスのメインは召喚術師。

 接近戦は苦手だろうと踏んでいたが……


 それは早とちりだったようだ。


 右から左へ。

 跳ね返り、再び右へ。

 斜め下に斬り落として、そして、直上に跳ね上げる。


 ありとあらゆる角度から切り込んでみるものの、アルトリウスはその全てを防いでみせた。


 さすが、というべきか。

 教会のトップであり、その権威を保つためにありとあらゆる手段に手を染めて、自身をキメラという化け物にした。

 そこまでの執着、執念。

 恐ろしいものだ。


 でも……


「お前のようなヤツに負けてたまるかぁあああああっ!!!」

「ぐっ!?」


 激情に心を支配されるものの……

 しかし、頭はクールに。


 決して無茶をすることはなく、敵の隙を探り、ミスを誘い……

 段階を踏むように、一つ一つ追いつめていく。


 自身の劣勢を悟ったのか、アルトリウスは苦い表情に。


「これほどの力を持っているというのに、大義を理解できないか!」

「ふざけるな! あんたのどこに大義がある!?」


 自分の野望を叶えるために、街を一つ、巻き込んで。

 それだけじゃなくて、ミナを道具のように使い捨てて。


「あんたは、人をなんだと思っているんだ!?」

「全ては、より多くの人々を救うためなのだ。我が教会が導き手となり、祝福を与える。そのためには多少の犠牲はやむをえないのだよ! 百人を救うか、一万を救うか。どちらかしか選べないのならば、誰しも後者を選ぶだろう?」

「あんたっていう人は……!!!」


 アルトリウスは語る。

 自身の正しさについて語る。


 その表情からは、絶対的な自信が伺えた。

 自分が出した答えに疑問を持つことはなくて、間違いはないと信じて。

 ミスなんて犯していないと断言してみせる。


 それは、かつてのミナを見ているかのようだった。


 そうか。

 コイツのせいで、ミナは歪んでしまったのか。

 洗脳に近い教育を施して、それで……!


「愚かな民を私が導かなければいけないのだ!!!」

「そんなもの……勝手に決めつけるなっ!」


 クサナギをセカンドフォームへ。

 無数の刃をコントロールして援護をしつつ……

 左手に抜いたカムイで猛攻をしかけていく。


「大義を持たず、大局を見ることもできない愚物が!」

「上から見下ろすばかりで、下に来たこともないヤツが!」


 さすが、というべきか。


 あれだけの召喚術を使うだけあって、アルトリウスの力は本物だった。

 杖と魔法を匠みに駆使して、こちらの攻撃をしのいでみせる。


 召喚された天使よりも、アルトリウスの方が力は上。

 今は俺が有利に戦闘を運んでいるものの、いつ逆転されてもおかしくはない。


 ただ……


「アルトリウス・グレイゴム!!!」

「ぐっ!?」


 エリスが戦場を駆け抜けて、アルトリウスに斬りかかる。

 もう少し、というところで、刃は杖に弾かれてしまう。


 蘇生したばかり。

 本来なら立っているのも辛いはずなのに……

 しかしアルトリウスを許してはおけないと、怒りが彼女を突き動かしていた。


 でも、これで二対一だ。


「エリス! 貴様まで私に歯向かうつもりか!?」

「私はあなたの駒ではありませんっ!」

「どいつもこいつも……おのれおのれおのれぇっ、愚物のくせにぃいいいいい!!!」


 余裕をなくした様子で、アルトリウスは苛立たしそうに叫ぶ。


 そして、杖を一振り。

 それを合図として、召喚された四体の天使が全てアルトリウスの元に集結した。


 余力を残すことはない。

 全力で迎え撃つつもりなのだろう。


 でも、


「にゃー……私、あいつ、すっごい嫌い」

「同感ね。さっさとぶっ飛ばしましょう」


 カナデとタニアが。


「行きがけの駄賃だ。教会を叩き潰しておくぞ」

「かしこまりました、マスター」


 ラインハルトとオフィーリアが。


「レインさん、行きましょう」

「ああ!」


 そして、俺とエリス。

 みんなが揃い、こちらも万全の状態だ。


 ここで決着をつける!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◇◆◇ 新作はじめました ◇◆◇

中身は最強黒騎士、外見は天使な幼女王女。
母が愛した国を守りたいだけなのに、侍女も騎士団もなぜか女神扱い!?
『最強黒騎士、幼女王女に転生する』を読む



悪役令嬢に転生したけど、妹が可愛すぎる!
妹をいじめる? とんでもない。むしろ溺愛します!
『 悪役令嬢に転生したので、メインヒロインの妹を全力で甘やかします 』を読む






Kラノベブックス様から書籍1~12巻、コミカライズはマンガUP!にて連載中で、コミック1~11巻、発売中です!

紹介ページへ 紹介ページへ
― 新着の感想 ―
[気になる点] 確かに、レイン達が優勢は確実かもしれないですが、アルトリウスをこの場で”消滅”させるべきだと思いました。 もし、アルトリウスが重傷を負って逃げたりしたら、”あの女”が出てきてある事をす…
[一言] 随分とまぁ…その腐った論理を自分の家族の前で胸張って言えるのか? 地獄に落ちる前に冥府の審判の場に家族を呼んで貰って、軽蔑の目や失望の目を向けられると良いと思う。
[一言] >「どいつもこいつも……おのれおのれおのれぇっ、愚物のくせにぃいいいいい!!!」 ……愚物はお前だろうが、アルトリウス・グレイゴム。 大義を掲げて屍増やすお前の血とハラワタ、一体どんな色し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。