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巻之一 謂えば謂わるる物の由来 第二話
二、ざくろ風呂の由来とは
どれも同じことではあるのだけれど、お風呂のお湯は常に炊いて保温されています。
そのお風呂の中種類の一つに、縦開けの大きな扉がついていない入り口の狭いお風呂があります。
そのような入り口が狭いお風呂のことを「ざくろ風呂」といいます。
どうして入り口が狭いお風呂を「ざくろ風呂」と呼ぶかと言えば、「屈んではいらなければならない」ということがです。
どうして「屈んではいる」ことが「ざくろ」となるかですが、それは「ざくろ」を当時の「鏡とぎ職人」が鏡のくもりを落とすのに「ざくろの酸」を使っていたこととかかわりがあります。
入り口の小さいお風呂を「ざくろ風呂」と呼ぶのは屈んで入らなければならない、古語で言う「屈み入る」と「鏡(の手入れにはざくろが)いる」がかけられたことによるものです。
余談
「ざくろ風呂」とは入り口が狭くしてある当時の「蒸し風呂」スタイルのお風呂のことです。今でいうところのサウナです。
現在のサウナも入浴用の風呂とは違い、蒸気が逃げないように密室になっていますね。