表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
操り人形の王  作者: 真知コまち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/20

09話 親の心子知らず


 近くで女性と密会していた、オスラ叔父さんに報告をしたことで、アルバートは、本棚から救出された。


 アルバート家は、あの手この手で息子の無実を訴えたが、父親の横領が発覚し、全員に処刑が下された。


 蛙の子()蛙だったのか~この世界に、蛙はいないけどね…


 アルバートから命を狙われた僕には、護衛を就ける事になった。

「ねえねえ。お菓子が食べたいな~」


 「すみません。ヘル様を離れる行動は、許されていません」


 僕は、与えられた使命しごとを、忠実に守る騎士に見張られている。

 このままでは、いつまで経っても、魔法や自分のスキルを知ることが出来ない。(目的が変わっているような…)

 何か方法は・・・あ!


 ある人物のことを思い出したヘルは、護衛騎士を連れて、その人物の仕事場へと向かった。


 「はぁー。次から次へと問題が起こる。なぜ、こんな時代に生まれてしまったのか」


「王宮騎士が王子を殺そうとしたり、既婚者なのに女性と密会してたり、苦労が尽きないよね~」


 「そう。そう。妻子持ちは周知の事実、『それでも、貴方が好きなんです』と、言われてもな…って、お前!」


「へぇー。あれは、そういう事だったんだ~」

 ニタリ顔で、来客用の椅子に腰掛ける。 


 「()()、こっそりと、部屋に入って来おったか…」


「はい!でも僕、聞いてないよ。不実な叔父さんの秘密なんて」

 笑顔で、目配せを贈る。


 「”不実”とはなんだ!不実とは。私は、何もしていないぞ!」

 

 ランベイル・オスラは、僕の叔父にあたる。

 母親の義兄妹なので、王族と血の繋がりは無いが、最もちちに信頼されている人物だ。

 僕が転生者であることは、誰にも明かしていないが、叔父は、僕がこの世界に存在する神の一人だと、信じ込んでいる。

 

 「子供の皮を被った化け物だな。今度の要求は、なんだ?」


「僕に張り付いている騎士を、叔父さんの権限で、剝がしてくれない?」


 「そう言えば、王がそんな命令を下していたな…待て!」

  ランベイルは、急に立ち上がると、部屋の扉を開き、外を確認する。


「・・・聞いていたか」

 扉の横で待機する護衛騎士を、問い詰める。


  「い、いえ。私は、何も…」


「・・・そうか」

 護衛騎士を睨みながら扉を閉め、席に戻る。


 「残念ながら、命令を取り消すことは出来ない。王女暗殺未遂の件は、王が相当お怒りだったからな」


 無駄足だったか~もう、王の決定を覆す方法は…

「わかった。全部、話すよ」


 「待て。何を誰に話すつもりだ!」

 「まだ、護衛の騎士を引き剝がす方法が、無いことはない」


「?」

 

 「護衛の騎士は、ヘルの自室以外、部屋の中までは付いて来ない。その状況を利用すれば…」


 そうか!その手があったか…

「叔父さん。良い方法を思いついたよ」

 嬉しそうに、オスラを見つめる。


  ヘルの視線から嫌な予感を察知し、慌てて立ち上がる。

 「断る!用が済んだのなら、出て行ってくれ」

  椅子に座るヘルを、無理矢理、扉まで押し出す。


「今日は、帰るよ。今日は…ね?」


後日~

 ランベイルは、ヘルの教育を全て担当するよう、王から命じられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ