表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
操り人形の王  作者: 真知コまち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/20

04話 チートですか?

パチッ。

 

 差し込む朝日に、目を覚ます。


「・・・おかしい。二度寝、出来ない」


 体に疲れを覚えながら立ち上がり、着換えを始める。


 「ヘル様!ヘル様!朝ですよって、もう起きていらっしゃる」


「おはよう。ティーア」


 「は、はい。おはようございます」


「今日の予定は?」


 「午前は、トール様と剣の稽古を・・・ヘル様…」


「どうした?」


 「熱ですね!お熱があるんですね!」

  持っていた瓶の水を溢しながら、ヘルのおでこを、手で押さえる。


「風邪か~」

  確かに、疲れが取れてないし、熱があるのかもしれない。


 「そうですよね。朝と勉強が嫌いなヘル様が、積極的に動くわけ無いですよ」


「ティーア。それではまるで、僕が駄目なやつみたいな…」


 「はい。そうですけど?」


  グサッ。

「今日から、人に誇れる人間を目指すよ」


 「駄目です。お熱がある病人は、寝ていて下さい」

  着換えを済ませたヘルを、再びベットに寝かせた。


「は~い」

 素直に返事をして、ベットに潜り込む。


夢を見た。

 魔法を自由自在に使う夢。

 夢の記憶を辿り、再現してみる。


「ファイヤー」

 ボーーー。 

  手のひらから吹き出した炎は、火柱を成し、天井に丸い焦げ跡を付けた。


「・・・使えた。やったー!魔法、使えた」

 火を出した手を、期待の眼差しで見つめる。


「トール兄様で、実験して来よう~」

 

 ティーアが見張る扉は使わず、バルコニーの柱を伝って、静かに部屋を抜け出した。


 

 城の兵士が集まる、訓練場を訪れる。

「トール兄様!」


 「おお、ヘルか。ティーアが、『今日は休み』と言っていたが?」


「はい。今日は稽古ではなく、相談が…」


 「おう。この兄が、何でも答えてやる」


「何でも…だね!」

 木刀を持たせ、ヘルの前に立たせる。

 

「僕が、魔法を放つので、相殺して消して下さい」


 「そんな事でいいのか?分かった、何時でも始めてくれ」


まずは、夢に出てきた水と風の魔法を…

 両手を前に突き出し、夢の記憶を再現する。

「ウォーター」

「ウィンドエアー」


 ヘルの放った魔法が、トールに襲い掛かる。


 「強化魔法・レベルアップ」

  サッーー。

 ヘルの放った魔法は、トールを通過すると、消え去ってしまった。


 「こんなものか。もっと、骨のある魔法を撃って来い!」


 部屋で使った火の魔法よりも、威力が弱かった。

 何が違ったんだろう…もう一度、使えば分かるかな?

「ファイヤー」

 手のひらから、炎を放つ。


「あ、あれ?」 

 しかし、部屋の時よりも威力が高く、コントロールが出来ず、炎はあらぬ方向へ飛んで行く。

 

「わあわあ、危ない!」

 炎は、離れて訓練をしていた兵士に向けて、飛んで行く。


 「エンチャント」

  飛んで行く炎を、追いかける。

 「ふん!」

  ドン!

 トールが放った、地面が抉れるほどの斬撃によって、ヘルの放った炎は消え去った。


 「なかなか、良い魔法だったぞ!」

 「制御が出来るようにならないと、実践では使えないがな」


「ごめんなさい。トール兄様」

 危なかった~剣王の称号を持つトール兄様を、実験相手に選んでおいて良かった… 

 


 「良し!日も昇ったし、食事にしよう」



考えて事をしながら、廊下を歩き、トール兄様の部屋へ向かう。

 突然、魔法が使えるようになったのは、【???】スキルが関係していると思う。

 昨日の出来事で、変わったことと言えば…書庫で本を読んだこと。

 でも、中身は、理解していない。

 僕のスキルは、見ただけで何でも魔法が使える能力…とか?

 

「ふふふ。そんなスキル、この世界ではチートじゃないか」

 笑みを浮かべた悪い顔で、廊下を歩く。


  「あっこれは、これは、王女様。本日も、大変お綺麗で…」


   「きもい!黙れ」


 廊下の端から、聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「あれは、リタ姉様と・・・誰だっけ?」

 

   「ちっ。覚えてろ…」

    悪巧みの笑みを浮かべる、アルバート。


「思い出した!あの男だ!」


    「ヘル?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ