25話 第一印象は、大事!
不貞腐れ、歩くヘルは、ランベイル叔父さんが捕まっていた、牢へと来ていた。
「五歳児を、置いて行くなんて…ひどいよ!」
「ヘル様…すね?」
突然、見張りの兵士に声をかけられ、驚く。
「え?そうだけど…何か」
この顔、どこかで…忍び込んだ時の、見張り番だ!
じゃあ、この兵士が、噓の証言していたのか~
その兵士が、いきなり話しかけて来た?
・・・怪しい
「伝言を渡す様にって、メル…ある、お方から」
二つに折られた紙切れを、ヘルに渡す。
「言伝?誰から…」
達筆な走り書きの文字に、顔を顰める。
上下左右に動かし、書かれた文章を見抜いた、ヘル。
「太陽の下で待つ・・・どういう意味?」
「太陽の下…きのう現れた、太陽のことですかね?」
後ろから覗き込んでいた兵士が、ヘルの独り言に答える。
「・・・へぇ~」
絶対、伝言の内容、知っていたよね?
二つ折りにされていただけだから、元々、秘匿性は無いけど…
白々しい・・・
「でも、太陽の下って、広すぎません?」
心当たりが、ないわけではない。
でも、兵士の多い所を、待ち合わせ場所として選ぶかな?
そもそも、この伝言の主は、本当に、叔父さんなのかな?
「考えても仕方ない。行ってみよう!」
「お供しやす!」
「お忙しいそうなので…遠慮します」
人目を避け、事故の起きた訓練場に忍び込む、ヘル。
「…叔父さん‼」
縄で縛られたランベイルを見つけ、駆け寄る。
「お待ちしておりました、ヘル様」
数名の兵士を引き連れた人物が、木陰から現れる。
・・・無視して、ランベイルの縄を解く、ヘル。
「あれ?」
「私は、王国の魔法研究員をしております、エグラ・メルウィスと申します」
「先日の魔法の件。やはり、原因は、ヘル様でしたか」
”チラッ”と目線をヘルに送る、メルウィス。
「・・・叔父さん、牢に帰る?」
メルウィスを置いて、その場を離れる、二人。
「あぁ…調査内容を、”王に”ご報告しなければ…」
チラッ、チラッ
「…望みは、何?」
「やっと、応えて頂けましたね」
愛想笑いで、無理矢理、表情を作った、メルウィス。
「ご報告しない替わりに、お二人には、協力してほしいことがありまして…」
チラッ。
メルウィスの不敵な笑みに、むかついた顔を見せる、ヘルとランベイル。




