23話 欲に目が眩むと、心が薄れる
「取り敢えず、叔父さんと揉めてたから、追って来たけど…」
林の影の中を移動し、開いた窓に伝う影に潜る、ヘル。
「どうなっている!作戦は、成功したのではなかったのか」
「それが…魔獣は出せたのですが、偶々、王の元に兵士が居た様で…」
あれ?
今の話、叔父さんが、捕まる原因になった事件のことだよね?
ひょっとして、この人たちが…真犯人?
「証拠は、消しただろうな?」
「はい。魔術師は、全員、消しました。ただ…」
あ~聞こえ無い、聞こえ無い
まだ父に、叔父さんを助けると、明確な返答はしていない
影魔法も習得したし、わざわざ、王と臣下の面倒に、巻き込まれる必要は無い!
早く、ここを離れて…
「いえ!何でもございません」
「そうか…」
影の中を移動し、王宮へと向かう、ヘル。
・・・”ただ”って、何だろう?
隠されると、余計、気になる~
いや、探らない、探らない
でも…ちょっとだけなら…
そうだ!叔父さん自身に、犯人を捕まえさせれば良いんだ
証拠を密かに集め、叔父さんに渡せば、誰にも知られず、助けられる
ついでに、転生者では無く、無能だと分かれば…王の勘違いも消えて、一石二鳥
いや!魔獣を出す魔法を手に入れて、一石三鳥に?
けっして、魔獣を出す魔法に釣られたから、叔父さんを助ける訳では無い
「第一目標は、叔父さんが、叔父さんの無実を、証明することだ!」
「その件でしたら、調べがついておりますよ、ヘル様」
影に潜み気を抜くヘルに、兵士に扮装したオネットが、話し掛けて来た。
「!」
「え、え~と…誰だっけ?」
グサッ!
「お、お気遣い頂かなくて、結構ですよ」
「無かった事とは言え、私の犯した罪は、消えない過去ですから…」
ごめん。本当に、覚えて無いかも…
罪?悪い事をされた人物の記憶に、こんな兵士いたかな~
思い出せない…けど、反省してるし、心を入れ替えたのだろう(良い人…多分)
「それで…何を調べたの?」
「犯行に使われた絵画を盗み取り、調べたところ…」
「ヘル様。お耳に入れたい事が、起きていまして…」
同じ影に、入り込んで来たクラストが、ヘルの耳元で囁く。
「な、何?」
びっくりした~次から次へと、脅かさないでよ~
「ランベイル・オスロが、脱獄しました」
「うん。叔父さんを、探そう!」




