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操り人形の王  作者: 真知コまち


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19/20

19話 見た目で評価されても・・・


 オスラ家の問題が解決し、窓辺でお茶を嗜む、ヘル。


 あの毒草はなが、現世の花と似ていたから、根だけに毒があると思ったんだけど…

 前世の記憶と、本に内容がうそだったら、死んでいたよね?

 飲む前に、毒味が必要だったな~

 まぁ、無事だったから、良いっか!

 それにしても、このお茶…

まずい・・・」

 

 「ヘル様!」

  護衛騎士のクラストが、ノックもせず、部屋に入って来る。


 はぁ~

 人が優越感に浸っているところに…

 オスラ叔父さん達が、二人の世界に入っていたから、窓辺に逃げたのに!

 騎士あなた脳内めせんだと、一人、黄昏てたと思われてる?

 めっちゃ、恥ずかしいじゃん!

「・・・な~に~?」

 動揺を隠しきれず、気持ち悪い返事を返す、ヘル。


 「至急、王の元へ」


  「王の身に何かあったのか⁉」


 ちちの元へ?

 もしかして、この騎士…ちちもの

 だとすると、部屋に閉じ込めた事も、ちちの耳に入って…

 わざわざ呼び出して、説教?

 ちちも相当、暇なんだな~


 気の進まないヘルは、王の待つ部屋へと向かう。


「お待ちください」

 王の部屋の手前で、王宮を警備する兵士に、止められた。


 「どけ!急いでいるんだ」


 ヘルとクラストを睨む、兵士。

「お二人は、結構です。ですが…」


「ランベイル・オスラ!貴様を拘束する」

 兵士が、ランベイルを抑えつける。


「オスラ叔父さん…」

 えええ!

 子供のことで、あんなに泣いてたのに、叔父さんも悪い事してたんだね。


  「何をする!やめろ、私は無実だ!」

 

 「・・・ヘル様。行きましょう」


「でも…」

 部屋に閉じ込めた事、全部、叔父さんのせいにするつもりだったのに!

 どうしよう…助けようかな?


 現在と未来のお叱りを天秤にかけたヘルは、ランベイルを置き去りにした。


  「ヘル様~!」



 「王様。ヘル様を連れて参りました」


  「うむ。通せ…」


 こっそりと扉を開け、外から中が見られない様、警戒して部屋へ入る。


  「ヘルよ、見事であった」

   歓迎する王は、?を浮かべるヘルの頭を撫でた。

  「今日、おまえのさいのうは、本物だと証明された」


「はい?」

 まさか、光の球体の件も、ばれた!

 証拠は、何も残していないはずなのに、どうして?

 

「ご、ごめんなさい。父上…」

 ヘルは、5歳児の可愛さを、全力で発揮し、見事な上目遣いで謝る。


  「おまえのおかげで、皆が、命を救われたのだぞ。なぜ謝る?」

   王の手が、ヘルの頭を、更に強く撫でる。

  「絵画の細工を見抜き、それを父に伝えようと、あの手形を残したのだろ?」


「絵画?って何?」

 全く身に覚えのないこうせきに、首を傾げる、ヘル。

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