表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
操り人形の王  作者: 真知コまち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

13話 偶然の出会い


 昼食の後、王は毎日、決まったお菓子と決まった紅茶を、口にする。

 この情報は、食材を運ぶ際、僕が見聞きした情報だから間違いない。


 怪しまれないよう、食材を持ったオネットが、キッチンに入る。


 保管庫に食材を置き、棚に並べられた茶葉の箱に、近づく。


 多いな。名前は、分かっているから、問題ないが・・・

「…あった!これだ」


 上段に置かれた箱を一つ取り、中を確認する、オネット。


「赤い茶葉…間違いない」


 オネットは、懐から、乾燥した葉っぱを取り出す。


 茶葉の中に、葉っぱを忍ばせ、箱を棚に戻した。


 「オネット」


 名前を呼ばれ、後ろを振り返る。


「父上・・・どうされましたか」

 見られた?

 それ以外、声を掛けた理由が…


 「いや、ヘル様と会う予定で、ここを通っただけだが…」


「…そうですか。では、仕事が残っていますので」

 父を押し退け、キッチンを出る。


 偶然、通っただけ。見られてはいなかった。

 僕が考えた計画に、支障は無い。

 父が居たのは、事故…だよな?

 

 雑念は、ミスに繋がる。

 今は、きっかけを、発見させる事だけを考えろ。


 オネットは、廊下を走り、自宅へと向かった。



 「ヘル様。持って来ましたよ」


「遅いよ~叔父さん。早く!早く」


 部屋に入って来たランベイルは、一冊の本を机に置く。


 「『教会に置いてある植物の本を、持って来てほしい』と言われたが…」

 「この本で、よかったのか」

  ランベイルの話を、無視する、ヘル。


 「大変だったんだぞ~教会には、何冊も植物の本が…」

「あった!」


 開いたページには、兵舎で見た”毒草”が、載っていた。


 「この花が、どうしたんだ?」


「一人の兵士が、刈り取っていたんだ」


 「良い兵士だな。進んで、草刈りをするなんて」


「根っこまで引き抜いていたら、そう思っただろうね…」

  ヘルは、花の説明文に、指を差す。


 「・・・毒草⁉」

 「誰だったんだ、その兵士は!」


 当時の記憶を辿り、顔を思い浮かべる。

「・・・あれ?叔父さんの息子って、兵士だった?」


 「いや、備品の補充などをしているが…いや!そんなに事は…」

  先程の出来事を、思い出す。


 「馬鹿な・・・」


「心当たりが、あるんだね…」


 扉を勢いよく開き、外へ飛び出そうとする、ランベイル。

「待って!」


 「止めるな!オネットでは無くとも、被害が出る前に、止めなくてはならん」


「多分…被害者は、出ないと思うよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ