〜第一章〜月謝星命祭〜肆〜
どうも藤井雪彦{べこ丸｝で御座います。
この作文を誠に有難くも見たいと思って頂けただけでも謹んで感謝申し上げます。
では楽しんでくださいませ。
〜肆〜
アバンはカイオンが召集した林檎が必死こいて全員に配ったソーラー・スマートフォンに夢中になっている士気がいまいちのガナン国全兵士たちに右腕にガナン国国旗を掲げ、左腕にクリュサオルを突き上げるように持ち士気が高まるよう演説する。
「皆の者っ！！己が私欲に染まりこの３年半の間、平和だったガナン国を脅かすレーデル国王ディザイアの手によって３年半というあまりにも短い期間で休戦協定は一方的に破棄されたっ！！奴はこの聖地ゴンドワナを制圧し独裁主義のゴンドワナ帝国にするというっ！！皆の者っ！！決して許してはいけないっ！！武器を取れっ！！戦争を始めるぞっ！！決して恐れるなっ！！我らには日本国より遠路はるばるこのガナンの地を救う為、訪れた通力使い５人とハロウィン卿殿という頼もしい味方が居ることを決して忘れるなっ！！最後に言うが全兵士よっ！！決して死ぬなっ！！誉れ高いガナン国兵士のチカラをレーデル国の愚民兵士共に存分に知らしめようではないかっ！！開戦っ！！我に続けえぇえぇぇえぇえぇぇえぇえぇぇえぇえぇぇっ！！」
ウオオオォォォォォォオオオォォォオオォォオォォオオォォオォォオオォォオォォッ！！
兵士たちの士気が高まったその頃、ダリスコは自身の特殊通力【万里眼｛ばんりがん｝】を使い遠方を眺めていた。
ハロウィン卿は「やはり宣戦布告無しの奇襲攻撃か。まぁ、だいたい解ってたことだがな。レーデル国兵士たちの、おおよその数は！？敵将はどれくらいか見えるか！？ここは通力使いの精鋭と呼ばれるお前たちの御手並御拝見と洒落込もうか。なぁヴァギ。ケキャキャキャキャ」と言いヴァギＸIIIも頷く。
ダリスコは「敵兵数約三五〇〇〇っ！！敵将は約二〇〇人っ！！ここは遠方支援を何よりも得意とする俺さまの絶好の出番っ！！ま、接近戦も難なくこなすがなっ！！俺さまはこの愛用二丁拳銃から自分の氣｛プラーナ｝によって創り出された氣弾を連射する。つまりガンマンの弱点である弾切れなど存在しねぇっ！！その射程距離っ！！五〇〇〇メートルっ！！その視力っ！！３５．８っ！！その威力っ！！鋼をも砕くっ！！じゃろうがねっ！！」と言い自身の愛用二丁拳銃マハースター＆マハラープタをガンベルトからクルクルと手際良く両腕で回し構える。
ダリスコの身体から紫のイナズマがほとばしる。
「ロックですねのロックオンっ！！【引霊｛ヒキガネ｝】の氣っ！！【紫焰氣弾｛パープル・バスターズ｝】いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやっほぉぅぅぅぅぅうぅぅうううぅぅううぅ！！」
ダリスコは紫焰を纏った氣弾を連射する。
五〇〇〇メートル離れたレーデル国の騎乗兵士が兜や鎧を貫通して急所に氣弾が直撃して命を失い次々と馬から転げ落ちる。
一方、最前線にパイン、ナップル、ミクルが居る。
通力使い誰１人、防護用の鎧などを纏っておらず、剛力と慧光を交互に使いこなし、敵兵からの弾丸や矢などを避けたり、当たったとしても無傷で済んだりしていた。
ミクルが翆の火のついたタバコをくわえつつ「ありゃりゃ、こりゃダリスコの兄貴にこの様子じゃあほとんど獲物捕られそうじゃあないですかぁ。でしょうかがねっ！！そろそろあっしらも活躍しましょうじゃないですかぁ。でしょうかがねっ！！レーデル兵さん、あんさんらには悪ぃが死んで頂くっ！！でしょうがねっ！！特殊通力【翆覇拳｛すいはけん｝】…【翆霊｛スイヅチ｝】の氣！！【翆閻掌｛グーテ・デ・ロワ｝】！！慧光っ！！」と叫び、橙のイナズマをほとばしらせ一気に敵兵陣内まで移動し、敵兵を束ねる敵将の１人を上空から襲い掛かり、敵将の頭部を兜ごと握り締める。
「……ぇ…あがっ！！」っと敵将が言ったのを最期に「剛力…激掌｛げきしょう｝っ！！南無阿弥……陀仏っ！！」と敵将の頭部をぐしゃりと燃やし握り潰した。
パインはクシティガルバと連携し、白いイナズマをほとばしらせ敵兵たちを攻撃する。
……ホアンュゥ……ホアンュゥ……パイン………チカラ………アゲル………
「行きまする。わらわとチカラを合わせますの。クシティガルバ。……特殊通力【大海原共鳴調和能力｛シーバイブレーション｝】っ！！【海霊｛ワダツミ｝】の氣っ！！大納言あずき拳【大魔法大津波｛アクア・ダイナ・ウィザード｝】っ！！」
パインがそう叫ぶと大津波が突如として発生し現れ敵将や敵兵たちの大軍を馬ごと飲み込んで押し流してゆく。
敵わないと思った敵将の１人が恐れて全軍退却指示を出す。
「た…た…た…退却うぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅっ！！………っげあっ！？ぎゃあああぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁっ！！」
退却指示を出した敵将が突然、黒炎に全身を包まれ焼け焦げてゆく。
謎の黒い炎の球体が空高く宙に浮きその中に黒装束を纏い片手に黒炎、もう片手に女の子の形をしたぬいぐるみを持った金髪の少女が現れた。
「ラキキキキキキキキキキキキキキキキッ！！敵前逃亡は重罪だっ！！死刑だっ！！この役立たずの腑抜け共に天罰を与えてやろうか」
「ヒイィィィィィィィィィィィィィッ！！マイアさま御許しくださいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ！！皆の者っ！！たた、たた戦えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！」
ナップルが剣を持って襲い来る大軍に居合いの体勢を取り身体から緑のイナズマをほとばしらせる。
「【月閃｛げっせん｝っ！！スムース火威焰｛かいえん｝っ！！】♡」
ナップルの慧光を駆使しての逆刃刀の居合い斬りが兵士たちに直撃する。
兵士全員、気絶して倒れた。
「天昇っ！！♡」
ナップルは空高く跳躍し、真剣の方を抜刀してそのままマイアの黒い炎の球体のバリアーを斬ろうとする。
「剛力っ！！♡【プロメライン一刀両断】っ！！♡」
ガキィン！！
バリアーには通じない。
「…ぇ♡」
「ラキキキキキキキキキっ！！あたいに立ち向かうとはいい度胸だ。この身の程知らずめっ…喰ら…
ナップルの守護ペット白巳が「調子に乗るなよ貴様っ！！【蛇女神の吐息｛メデューサ・ブレス｝】っ！！」と叫び、マイアに石化ガスを吐き散らした。
マイアは黒炎の球体のバリアーごと石化して地に落下してゆく。
ゴシャァーン！！と木っ端微塵に砕け散るマイア。
そして消滅してゆく。
………ズリぃぞ……テメェ……冥府の闇の世界で………あたいは………ずっとひとりぼっちだった……そんな……あたいに……ディザイアさまは……一生涯……愛すると……あたいのやっと掴んだ……ラッキーだった……ディザイアさま…助け……
ナップルは消滅したマイアのぬいぐるみを抱き締める。
「マイアさんは決してひとりぼっちじゃなかったです♡この女の子のぬいぐるみが側にずっと居たはずです♡このぬいぐるみは、私が責任を持って大切にします♡これで私とマイアさんは友だちになれた♡クスッ♡」
レーデル兵士全員が退却してゆく。
最前線から１キロほど離れた場所で待機していたアバンとガナン兵士は歓喜の声に包まれている。
ハロウィン卿は「ケキャキャ…まさか三冥帝の１人まで討ち取るとは…思わなんだ…流石だ…お前たちの強さをを認めよう」と言う。
ダリスコは「じゃろうがねっ！！」と返すのだった。
御愛読頂き誠に有難う御座います。
第一章〜肆〜いかがだったでしょうか。
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