ちりつもる
蝕むように 染み込んでいく
数多の疲れも
労るように 満ちて広がる
些細な幸せも
砂を噛むような毎日でも
日々の残滓は溜まりゆく
埋まりそうになる足元を
解かす陽射しも降り注ぎ
雪降るように 塵積もる
やがて形を成すように
諦めの先 視線逸らした
叶わぬ願いも
抱えきれずに 手から離れて
零れた喜びも
希求を何度も呑み込んで
吐き出せぬまま募りゆく
押し込め詰まった心から
芽吹き花咲き舞い上がり
重なるように 散り積もる
やがて日々を為すように
内に積もり溜まるもの
芽吹き咲かせた想い花
届かぬうちに解け散り
花弁積もるは誰が為に
触れても解けぬ 粉雪のよう
この身に沈んで
目に見えずとも 重なる気持ち
内から溢れ落ち
溜まり募って ちりつもる
やがて想いを生すように
今は音なく ちりつもる
いつか言葉となるように
それでも心に積もるのは
ただ有難うの気持ちだけ
いつか芽吹いたこの花を
あなたに届けられるよう