最低の怪獣映画
私の意見では、それは「大巨獣ガッパ」だと思う。
なんというかオリジナリティーに乏しいのだ。ストーリーはイギリスの怪獣映画のゴルゴ(ゴジラに触発されて作られたであろうこの映画もたいがいひどいのだが)のパクリ。
怪獣のデザインは、ウルトラマンの元になったレッドマンの元になったベムラーのパクリである。
瓦が風で吹き飛ぶ描写はラドンのパクリ、湖の中で苦しむのはバランのパクリ、熱海城を二匹で壊すのはキンゴジのパクリである。どーもたくさんの怪獣映画をパクッて作ったとしか思えないのだ。志が全く感じられない。
話はかわるが、都市破壊は怪獣映画の華だと思う。紅蓮の炎をあげて燃え上がるメガロポリス。その炎をバックに雄叫びをあげる大怪獣。崩れ落ちるビル、逃げ惑う人々、そして立ち向かう防衛軍!こうこなくちゃウソでしょう。
ではガッパと日活特撮陣が挑んだ都市はどこか?これがこともあろうに熱海なのだ。あの温泉街の熱海である。
このために、浴衣姿の酔っぱらいが右往左往逃げまどうという、世界一情けないパニックシーンができあがるのだ。さらに芸者呼んでの宴会中、突然天井を破ってガッパの足が突き出てきて、みんなあらビックリというシーンもある。これをどうしろというのだ。笑えばいいのか、怒ればいいのか。
結局、怪獣映画なんて毛ほども興味がなかったんだが、怪獣ブームというので、一丁うちでも作ってみっかくらいの気持ちで作ったんだろうなと思う。
同じことは、実は松竹の「宇宙怪獣ギララ」にも言えると思う。こちらもとんでもなく突っ込み処満載で、頭痛が痛い作品なんだがなあ。
と、2008年までは思っていた。
この年、さらにヒドイ怪獣映画が生まれた。
「ギララの逆襲洞爺湖サミット危機一発」である。これは商業映画と考えるには無理があるが、そんなのは関係ない。アマチュア作品としてもヒドイのだ。
洞爺湖サミットにG8首脳が集まった所にギララが襲来する。そこで各国首脳が退治方法を提案するのだが、ロシアはポロニウム注入を、ドイツは毒ガスを、イギリスが洗脳装置を提案するのだ。よくこれを冗談にできたなと感心するよ。さらに随所に程度の低いギャグが散りばめられている。ラストに至ってはもう書きたくない。ビートタケシももう少し仕事選べよな。
「大怪獣のあとしまつ」は見てもいない。流石にあれはないんじゃないの。