シンゴジラとゴジラ-1.0について
シンゴジラとゴジラ-1.0はどちらも素晴らしい映画であるが、どちらが良い映画なのかとの論争があるそうだ。
どうも8対2くらいで、ゴジラ-1.0の方が優勢らしい。
しかし、この二つの映画の良し悪しを論ずるのは無意味なのではないかと思う。何しろこの映画色々と真逆なのだ。
シンゴジラは、人間ドラマを極力排除し、ゴジラを倒すことに全振りされている。ほとんどの人間パートの部分は、ゴジラの発生、生態、弱点を研究する描写に費やされる。だからいつもの東宝と違い、大火力の攻撃も、超兵器も出てこない。
ゴジラ-1.0は濃密な人間ドラマを形成し、そこにうまくゴジラをリンクさせていると思う。人間ドラマは、1人の若者の挫折とそこからの再生の物語であると思う。この辺が、アメリカの退役軍人の心に刺さるらしく、アメリカでヒットした理由の一つと言われている。
シンゴジラの吐く熱戦は、ほぼビームとして描かれている。しかし背中からもビーム出すのは反則だよね。ゴジラ-1.0はもっと凄い。青白い炎の奔流がほとばしると当たったところが爆発しキノコ雲が上がるのだ。これ今までで最強だと思う。
ゴジラ-1.0が熱戦を吐く前に、背びれが一本ずつ飛び出してくるのは、原子力発電所の制御棒が抜けていくのをイメージしているという人がいたが、なるほどと思いました。
またシンゴジラではゴジラは得体の知れない生物として描かれているが、ゴジラ-1.0では、ほぼ野獣として描かれている。
最後の「ヤシオリ作戦」と「わだつみ作戦」はどちらも本当にこんなことができるのか、というところではほぼ互角であろう。まあちゃんと説明しようとの姿勢が見られるので、このくらいは仕方ないかとも思う。
結局はどちらが良いかよりは、どちらが好きか、になってしまうように思える。
単に好みの問題になってしまうのではないだろうか。
「知」のシンゴジラ、「情」のゴジラ-1.0と行ったら穿ち過ぎか。
ちなみに私はシンゴジラ派である。




