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SFの衰退について

実はSFの衰退がいわれて久しい。SFと名がつくと売れないとまでいわれ、どうみてもSFなのに、ホラー、ファンタジー、ミステリー、伝奇小説、異色小説と銘打って宣伝されている小説も多い。


瀬名秀明氏の小説もバイオホラーといわれたし、宮部みゆき氏の小説も、超能力やタイムスリップがでてきてもミステリーだし、「荒神」なんて怪獣がでてくるのに、歴史小説といわれている。

どうしてこんなことになってしまったのだろうか。


 ひとつ思い出す事は、さかのぼること1975年のSF大会(SFファンの間では、年に一回SF大会というのを行なう、地名+コンベンションを略した大会の愛称があり、東京で行なうならTOKONだし、大坂ならDAICON、京都はMIYACON,仙台ならDATECONだ)でのテーマがSFを広めようとしてだが「SFの浸透と拡散」だったことだ。その時は冗談で、じゃあ来年は「SFの変質と解体」、次は「SFの頽廃と堕落」その次は「SFの腐敗と発酵」最後は「SFの風化と雲散霧消」になるとかいわれた。


 確かにその後、SF的なタイムスリップや、超能力、異世界や、宇宙船など(これら小道具をガジェットという)は一般化したため、そういう意味では、浸透と拡散は成功したのだが、本質であるところのSF自体、そのガジェットが拡散したためか存在が薄くなり,衰退して行ったように思える。


 現在,一般的な小説に、タイムスリップだの、超能力だのが普通にでてくるようになった。そのためSFとの違いがなくなってしまい、ではガジェット以外で、これがSFだというものがなくなってしまったのだと思う。

 つまりガジェットにこだわりすぎて、本質を見誤ったのではないかと思う、宇宙船がでるからSFなのか、時間移動があるからSFなのか、超能力者がでるからSFなのか、ということになる。


 SFの本質は元々は科学を基にした小説なのだろうが、それがガジェット以外にどう応用したら良いかが,今は分からなくなっているようにみえる。

 アメリカでは「sense of wonder」を重視しているが、これは訳すと「あっと驚く感じ」とでもなろうか。ならば面白い小説でもいいが、これだと一般的すぎるから、「途方も無いホラ話」とでもなるんだろうか。


 現在SFのなかでは、なぜかミリタリーSFが多くなっている。これは宇宙でドンパチやる類いの話で、なんのことはないスペースオペラの焼き直しだと思う。もともとSFは1920年代のアメリカのスペースオペラから始まっている(他の説あり)。また、初めっからやり直していると思えば、少し見守って行くのがいいかと思っています。

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