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追放されし『異端者』、レオンの異世界革命奇譚  作者: 露月ノボル
【第三章】新たな門出
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第83話 旅の道中とスカイアイ

 そんな事を思っていると陽が暮れてきたようだ。私たちは予定通り1日目の宿であるエニシア州の州都トルト市にたどり着くことができた。


 トルト市もウェスタ市以上の堅固な外壁に、州都だけあって囲まれていて、人々や荷馬車の数もかなりいた。列を待ち順番が回ってきて衛士さんに馬車内を確認され、旅の目的を聞かれる。


 ヨスタナ師が衛士さんとやり取りをし終わって衛士さんに会釈し、馬車は再び走り、トルト市内へ入っていく。予めトルト市で馬車の停められるお勧めの宿をアリエさん達に聞いていたので、そこへ向かい、宿にヨスタナ師が先に入っていくと、宿が取れたらしく、馬車を止めるのはリーグさんに御願いして私たちは宿へ入っていった。


 宿で一旦、皆で部屋に別れて入る事にする。ヨスタナ師は、私達はヨスタナ師に連れられ、アリエさんパーティ達と廊下を歩き、2部屋は隣同士の部屋のようで、「それじゃおやすみなさい、また翌朝よろしく御願いします」とアリエさん達と別れて私たちは部屋に入った。


 翌朝出発の時間に集合し、眠そうなリィズとブランとリーナさんだったが、馬車に乗って走ると、さすがにリーナさんはしゃきっとして、「ボクはもう大丈夫、任せてよ!」と心強い。


 反対にリィズとブランは馬車に乗ったら寝てしまった。そういえば……初日に忘れてしまったが、スカイアイ、という、男神ルティアスとやらのスキルがあったことを思い出して、小声で「スカイアイ」と呟くと、【まったく……リィズ様がおっしゃられるから、力を貸すだけだからな!?】という声が頭に響いたかと思うと、視界の右端に半透明の円形の、この馬車を中心とした周辺の空中から撮影しているらしき映像が映った。


 これはいけない、リーナさんやアリエさんからは見えるのだろうか。こわごわと向かいの席に座る二人の顔を見ると、「レニーナちゃん、どうしたの? 私たちに何かご用?」と尋ねられ、「なんでもないです、すみません」と頭を下げて、私は馬車が進む中、素知らぬ顔で外の景色を見ながら視界の右下の空中撮影を見ながら警戒をしていた。


 だが二日目は特に問題なく過ぎ、またこう、リィズの「チコレットジャム問屋」の架空の武勇伝のホラ話や、ヨスタナ師のそれに対するフォローという茶番劇があったが、まあ盛り上がり、途中の村に私たちは泊まって、その日は昨日と同じく二部屋に分かれて疲れもあり眠った。


 三日目、また同じく眠そうな感じにリィズとブランとリーナさんが出てきて、馬車で出発したが、数時間後、警戒しながら見ていたスカイアイの空中撮影に、赤色のマークが示され、よく見ると生物のようで……恐らく、魔物だ。


「たいへんです、ここから、0.5カルコード(約2.5km)先に、まものがいます」と私が言うと、リーナさんとアリエさんは驚いた顔をした。


「え、急にどうしたの? レニーナちゃん……?」と驚いているアリエさんだが、リーグさんが「スカイアイを使ってるな?」というので、「はい」と答えると、リーナさんが驚いて「レニーナちゃん、ルティアス信徒だったんだ?! でも、その歳でもう魔法が使えるなんて……!?」と驚く。


 やらかしたかな、と思ったが、「いろいろじじょうがありまして。まずはきをつけていましょう」とだけ言うと、リィズが「そうそう! 色々事情があってね、チコレットジャム問屋の旅にレニーナを連れて行った時にとか、いろいろあって!」と、よく分からない誤魔化し方をすると、素直なリーナとアリエさんはとても感心して、「そうなんだ すごい旅をしてきたんだね!」と感心してる。何故だ。


 そう皆で警戒しながら馬車もゆっくりと進んで、その地点にさしかかると、街道に妙な……サティナと関係は無いと思うが、うにょうにょしている変な樹が、足(?)らしきものもうにょうにょさせて動いていた。



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