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追放されし『異端者』、レオンの異世界革命奇譚  作者: 露月ノボル
【第三章】新たな門出
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第76話 ミニサティナ(仮名)とレニーナ

「……つぎは、『スセジの枷』でじゅうぞくけいやくをして……この身体、サティナの顔っぽいが、いいのだろうか」というと、「えへへー、わたしの顔でよければいいよー」とサティナがじゃれてくる。


 リィズは、初スキル(?)のシーン(?)が、壮大に失敗に終わったらしくショックをうけて、この空間に隅っこは無いと思うのだが、隅っこでいじいじしているかのように、いじいじしている。


 私は、ここは神界だし、届くだろうと、「スセジ女史、サティナっぽい身体とレニーナを、からだのじゆうを与えるじゅうぞくけいやくを」と言うと、「はい」と、この前聴いたばかりなのに、前も感じたが、そういえば何となく懐かしい声で、スセジ女史の声が返ってくる。


 不思議に思いながらも、「そのせつは、とても世話になった、ありがとう」というと、いじいじしていたリィズも、はっ、としたらしく、急いで立ち上がってこっちに来て、おどおどと、おずおずと、「そ、その、スセジ、本当に貴女にはお世話になったわ。ありがとうね?」と礼を言う。


「みなさんが仲直りできたならよかったです」と微笑むような声がし、「従属契約ですね、だいたいどういうのを望まれているか承知しています。では」と、スセジ女史が言葉を切ると……。


 ぴかっと光ったかと思うと「天から降臨しました」というようにスセジ女史がゆっくりと空中から降りてきて、途中で宙に止まったかと思うと、急に目をクワッと開き、腕を広げそして腹の底から響くような美声で、言った。



「……汝、人の子よ……!! ロイとシエラの子、レニーナよ……!! 我ら偉大なる主神、女神フェンリィズの統べし、ウェンディス12神柱が一柱、豊穣の女神たるサティナフィアの創りし仮初めの肉体に依りて、汝に仮初めの自由の身体を与えん!!」



 ……と……スセジ女史の、威厳がある、いや、この世界に来て、久しぶりに女神らしい言葉を聞いたが、それがスセジ女史……あの、真面目そうな、こういった何というか、特に不必要である演劇じみたお祭り騒ぎのような事をしそうにない、あのスセジ女史が……ノリノリのように、その役を果たしているのである。


「わ、わ、私のほうが女神っぽいもん!! もっと女神っぽいもん!! ずっとずっとずっとすごく女神っぽいし、というか私、本物の女神だもん!! す、スセジも女神だけど、私、ウェンディス12神柱を統べし主神フェンリィズだもん!! 負けてないからーーーー!!」と、スセジ女史の足下で、見上げて叫ぶのが、何だか聞こえるが、聞かなかった事にして、レニーナが宿ったはずのミニサティナ(仮名)を見てみる。


「あ、あれ?あたし、これに宿ったの?あ、自由に動ける……!」と、きょろきょろ、かくかく、くいくい、色々からだを動かして確認した、恐らくは中身がレニーナな、ミニサティナ(仮名)に、「レニーナであってる……かね?」と恐る恐る尋ねてみる。


 すると、表情筋まであるのか…というか、声が出てるし、呼吸しているなら、肺呼吸してる気がするが、「うん! あたし、レニーナだよ! これがあたしの身体…!」と、何だかすごく喜んでる、まあそれはそうか。


「あっ!ただ、これ、たまには交代してよ?あたしだって、あたし自身の本来の身体で行動したいし!」とキッとした目で言い、元々あった受肉していた肉体を思い出したらしく、「あー!! あたしの身体!! こうやって、横に寝ててね……?」と横にしている。


 まあ、身体の問題はとりあえず、一時的な解決ができたか。と、思っていると、「レオンさん。それでは、また……」とスセジ女史の声が聞こえて姿が消えた。


 と、床らへんで、「リィズさまー、だいじょーぶー? リィズさま、だいじょーぶだよー、リィズさま、ほんと女神。マジめがみー」と慰めるようなサティナの声がし、どす黒い怨念が渦巻いているような中心にいる、リィズが、床に伏せて、ずーんとしていた。


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