第62話 みんなと合流
「や、やっと見つけた、レニーナ君…! 無事だったかい?」
………男らしく頑張る時はなかなかやるじゃないか、フェブリカ先生。
そう思い私は、「だいじょうぶでした、ありがとうございます、フェブリカせんせぇ!」とニコッと微笑んで敬意を表し、「せんせぇのおかげです」と礼を言いぺこりと頭を下げる。
「………驚いた。無礼に失礼を何重にも輪をかけた傍若無人の権化、傲慢の塊、そんな貴女が、教師に感謝を言って、敬意を持つなんて…!」
リィズがまた失礼な事を言う。私だって敬意を頂ける相手には敬意は抱く。ただ神だの皇帝だの教師だのという肩書きだけでは敬意を抱かないだけだ。
「あ…あれ?! 何だかレニーナ君が、だいぶ雰囲気が明るく……? いや、怖く……? いやいやいや!? こう、僕ぁ、目がおかしくなったのかな……教師としての自信が、ノックアウトされたあの時の、レニーナちゃんに、みえてきた!?」
と、せっかく見直したのに何故なのだ。急速に弱々しくおどおどし始めてきてしまった。まあ、まずはリィズが今居て仲直りを無事できた事を伝えておく。
「せんせぇ、リィズと再会しました、お互いごめんね、と謝ったのでもう大丈夫です!」と、わたしは言い、リィズを、「ね?」と言ってドン、と突き飛ばして、ヨスタナ師の前に飛び出させる。
「きゃっ!? あ、貴女ね!? もう少しやりようがあるでしょう?!」
しかし、ヨスタナ師はとても驚いた顔で、私の方を見て、そしてリィズの見ると、とても優しい慈愛に富んだ安堵の笑みを浮かべた。
と、思った次の瞬間、ヨスタナ師の目からぶわっと涙が、嘘泣きの余地ゼロであふれ出し、「ふ、ふたりども、よがづったよおぉぉぉぉ!!!」と泣いたかと思ったら、私とリィズは肩を抱かれてぎゅぅと、近い近い近い!? 涙が!? よだれが!? 鼻水が!?
そうぐすぐすっ、と泣いてくれるヨスタナ師。本当にすごく優しい人間だ。私は服の肩は色々ぐちゃぐちゃになってしまったが。
臆病に見えるが、いざとなるときに立ち向かえるひとであるのは……村の時、しっかりと見させてもらった、とても信じている。
すると、「おーい! そこにいたのか!」とガイさんやクラムさんの声がして、リィズは「……私は先に街に戻ってるわね?」と言って、霧の中へ消えていき、ヨスタナ師が「リィズ君! ここは危ない、僕らと一緒に…!」という頃には姿が見えなくなり、入れ替わりのようにクラムさん達3人が現れ合流した。
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