第39話 加護のスキル獲得
「それで、各神の力だけど……そうね、なにせこの世界のそれぞれ全部を司る存在からの加護だから、かなりの事ができちゃうわ。そうね…やっぱり、スキルとか必殺技とか、名前が必要よね!」
リィズがどうやらまたロクな事を考えてない顔をしている。
「失礼ね!私だって色々真面目に深遠に考えてるわよ!というか私、『叡智』の神なのよ?!」
と、また無理に背伸びをして叡智の神アピールをしてくる。
「ほ、本当に貴女、いっっっっっさい、神への敬意がないわね…。まあいいわ、ぱんぱかぱーん!!!貴女が使える加護でのスキルはこうよ!」
と、「スキル?」と思っていると、いつの間にか出現した、黒板のような、というより空中に浮いた黒板に、「主人公のチートスキル!(命名:フェンリィズ)」と題されたものがある、割と汚い字で箇条書きでこんなことが書いてあった。
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〇男神ホーネット
・「ウィキサーチLv1」=地球の人間に許された範囲の、様々な知恵や情報と、ウェンディスでの知恵と情報を検索できる能力よ!そうね、知識水準は貴女のいた、地球の1928年までの知識で!レベルが上がるごとに1年先の知識が増えるわ!ただしとりあえずレベル99が上限ね!
・「歴史邂逅Lv1」=その場の歴史で何があったかを、調べる事ができるわ!ただし最初は1年前まで!レベルが上がるともっと遡れるようになるわよ!
○女神ユースティア
・「治癒術Lv1」= 傷や骨折などを癒やす能力!病気とかにも効くようになるからレベルを上げてね!
・「ポーション作成Lv1」=ポーションは治癒術と違って、薬品だから劇的には効かないわ!まだ怪我だけ!ただ病気には効きやすいけど、また次の段階のスキルが必要よ!
○男神ルティアス
・「ウィンドカッターLv1」=風の刃で敵を切りつける事ができるわ!風系統ってお約束よね!色々派生していくの!
・「スカイアイLv1」=天から周囲をサーチすることができるわ!レベルが上がるごとに精度が上がっていくわよ!
○女神サティナフィア
・「土牙地獄Lv1」=地面が盛り上がって岩石の針が敵を足下から突き刺す事ができるの!派生していくわ!
・「豊穣の祈りLv1」=植物の生長を早めてたくさん育てる事ができるわ!
○男神カルディウス
・「ウォーターカッターLv1」= 圧倒的な水圧で刃物で切りつけるように敵を引き裂くわ!「水」ってかなり強いわよ?ちなみに派生していくの!
・「水の記憶Lv1」=水、雨、川、湖、海、水たまりから地下水位まで、水に残っている記憶を見ることができるわ!レベルが上がると探査範囲が広がるわよ!
○女神イーステシア
・「物品鑑定Lv1」=品物の価値の鑑定と、用途や名前が分かるわ!レベルが上がるごとに詳しくなってくの!
・「錬金術Lv1」=ふふふ、やっぱ魔法でチートっていったら、錬金術は外せないわよね!自由度が高いわ!製作系能力って、チートよね♪
○男神グルード
・「ジャッジメントLv1」=悪人に限って、最初は見える範囲なら全員を失神させることが出来るわ!割と私のオリジナルのスキルよ?レベルが上がると有効範囲が広がっていくわ!
・「邪心鑑定Lv1」=悪い意思や意図、悪意、邪心があるのを鑑定できるわ!
○女神ルクス
・「ウェポンマスターLv1」=あらゆる武器を上手に操れるわ!レベルに応じてだから、レベルを上げてね!
・「戦女神召喚Lv1」=ルクスの配下の戦女神を召喚できるけど、レベルによって呼び出せる時間が違うわ!最初は5分ね!
○男神オルテール
・「イミテートLv1」=自分の姿を、自分が望んだ姿に変身させることが出来るわ!ただし、効果は最初は1時間!
・「魅入られし調律Lv1」=これはミレーナの「チャーム」に似てると思うでしょ?そうじゃないの!仲間に対して様々な効果を与える術よ!最初は力が上がるの!
○女神ミレーナ
・「チャームLv1」=人間や、その他の種族や生き物を、魅了して言うことを聴かせる事ができるわ!まさにミレーナな能力よね!
・「幸運の女神Lv1」=これは賭博に使かっちゃダメ、とは言わないけど、運が上昇するわ!どのくらい運が上がるかはレベルを上げてね!
○男神フェルザード
・「ファイアボールLv1」=まさに王道中の王道!火の玉を出してぶつける事ができるわ!あ、ぶつけないで維持して暗いとこの明かりにするのもできるけど、酸欠に注意ね!
・「天候操作Lv1」=これはルティアスに向いてるのだけど、でも太陽って全ての天候の元なのは、科学知ってる貴女なら分かるわよね!
○女神スセジ
・「ディスペルLv1」=様々な呪いから、アンデッドまで、それを解く事ができるの!ただLv1では解けないのが多いから、レベルを上げてね!
・「従属契約Lv1」=奴隷契約からテイムまで、様々な従属契約を結ぶことと、解除することができるわ!
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………何だか頭が痛くなってきた。何故か英語名ばかりだが、「わたしのかんがえたさいきょうのまほう!」みたいな感じに、これはそうとうワクワクして夜も寝ずに一生懸命考えてはニヤニヤし、色々妄想してたのではないか。思春期の私を思い出す。字が幼い感じなのが哀愁を誘う。
「う、う、うるさい!うるさいわね、うるさいわね!?そ、そんなことあるわけないでしょう!?それと!それとね!まだ、これ!こっちもあるの!」
とリィズは黒板に、顔を真っ赤にしながらも、手に持ってる紙をうきうきした感じに貼り付けた。
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○12神柱を治めし主神、女神フェンリィズ
・「ステータス」= 「ステータスオープン!」って手を天にかざしながら唱えれば、自分のスキルのレベルや、その効果、その派生系を見ることができるの!自分の健康状態や能力、技能を数値化したものが見れるの!
・「ヘルプ」=スキルを使えば使うほど上がっていって派生スキルも増えるから、そのスキルのレベルや派生スキルが何かも観られるし解説をしてくれるわ! あとナビゲート機能でもあるわね! それに私や12神柱たちとの文字や声でのやりとりもできるわよ! メッセージ機能ってやつね!
・「ストレージ」=「場」の女神な私からすると、ちょちょいのちょいでできちゃうし、それにお約束よね! まあ、いくらなんでも満杯にならないくらい広いわ!
・「バリアLv99」=ちょっとチート過ぎるんだけど、貴女ちょっとあまりに弱いから、寿命以外ですぐ死んで「場」に戻ってこないよう、Lv99の、物理攻撃も魔法攻撃もかなり防ぐことができるバリアを与えたわ! ただ……ふふふ、「《《誰が上限が99と言っていたと錯覚していた…?》》」、まだまだレベルは上がるし、99だと初っぱなチートっぽいでしょ!
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………割と中間管理職は暇なのだろうか。永きにわたる時間があるし、お子ちゃまだし、こういうちっちゃい子のよく考えるのも分かる。そういうお年頃なのかもしれない。
私はそう大人として慈しみの目でリィズを見つめると、さらに顔を真っ赤にさせ頬を最大まで膨らませて、腕をぶんぶん振りながら必死に主張して叫んできた。
「あ、あ、あ、貴女のほうが小っちゃい子供じゃない!?だいたい私、生きてる年齢は貴女の地球での年齢の何億倍も長いのよ!?それに、お子ちゃまにお子ちゃまって言われたくないわよーーーーーー!!!」
周りの…まぁ神々とやらが、オロオロしながら「リィズ様、お気を確かに!」「あんな人間に惑わされてはいけませぬ!」「リィズ様もこれからが成長期だと思いますわ!……多分」と必死に慰めているのを見て、私はまた頭が痛くなってきた。
これが、私の、神々とやらの邂逅である。なんとも締まらない感じで、ある意味後味の悪い終わり方であった。
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※やっとチートというかスキルというか魔法が手に入りました!我ながらテンポが遅いのが申し訳ありません(汗)
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