第28話 ドワーフのドルフさん
「シェラから聴いて驚いたぞ、ドワーフが見たいんだって? ならパパに任せてくれ。なにせ、父さんのと母さんのパーティーにはドルフ、っていうドワーフもいたんだ。あいつはシェラと俺の引退に合わせて、ラドクリフに帰っちまったが……」
おお……なんだか父が偉大に見える。
「どるふさん! そのどるふさんの、おうちわかる!? すんでるとこわかる!?」
そう私が思わず尋ねながらズボンをひっぱると、父はびっくりしたリアクションをしながら言った。
「ああ、もちろんだ。ラドクリフの国境沿いに住んでいるらしいな。まあ手紙のやり取りもかなり長く続けているからなあ」
父は遠い目をしていたが、これは見逃すわけにはいかないチャンスだ。
「ねえ! どるふさんにおてがみ、わたしも書いていい?!」
と思いっきり詰め寄ってしまったが、パパの太ももまで行かない高さで、詰め寄ったというより、足しか見えなかった。
「それはいいが……ドルフと当然面識がないレニーナが手紙を書く……? どんな事を書くんだい?」
まさか、革命の方法論と理論的部分を書きますとは言えないので、どう答えるか迷ったが、父なら大丈夫だろう。
「えっとね、絵とか描いて、みてもらうの!」
子供らしい 満面の笑みで可愛らしく言うと、父は「そうかそうか、レニーナの絵ならドルフのヤツも喜ぶだろう」とニコニコした顔で納得した。やはり男女同権というか女尊男卑というか、母は強し、父はチョロい。
「あら、ロイ、レニーナちゃん、ご用意はできた?」とリビングにいた私達にママが合流して尋ねる。
母は普段の清楚な姿に加えてほんの少し化粧を施していて、少しの化粧だけでものすごく破壊力がある美少女になっている。やはり美人というか可愛い母なんだなあと思って父は相当な幸せ者なのではないか、となんだか思ってしまった。
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