修復屋
更新を忘れておりました。
申し訳ありませんm(_ _)m
「リペ、修復はどれくらい進んだ?」
「トキやん焦ったらダメですのん。」
聖人の圧力に負けて家を繋げた後、神界に戻って来たトキは修復屋のリペの元を尋ねていた。
リペは神界の修復屋の一人で通常業務は色々な世界に降り管理者の気付いていない穴や歪み等を発見、修復する事。しかし、今回はトキからの依頼によりある世界の修復に注力している。
初めて対象の世界を見た時のリペの感想はまるで糸を無造作に丸めたようにぐちゃぐちゃな世界。できる事なら他人に任せたいと思った程だ。
「これを二年でやれなんて無茶振りですやん。」
「二年としか言えなかったんだよ…緊急マニュアルにそう書かれてるから。」
「緊急マニュアルなんて嘘ばっかりだもん。頑張るけど期待はしないでほしいのん。」
修復は現時点で三割しか進んでいない。このペースでは絶対に期限を大幅に遅れてしまうがだからと言ってどうする事も出来ない。
「ん~人手増やせないか聞いてこようかな…。」
「ぜひっ!そうしてほしいのん。もう休憩もロクにしてないから疲れてるの…ん……?………………ぁ…。」
リペは手を止めてある一点を見つめた。それは絡まった糸を少し解く事が出来たから見えてきたもので例えるならばガチガチにコマ結びされた場所を見つけたに等しい事だった。
「トキやん、コレ、ヤバイよん。」
「ん?どうしたんだ?」
「この世界、ボタン押される前に何やらかしたん?」
「馬鹿弟子が人間の女の子に夢中になったでしょ?その子にアレコレちょっかいかけてたくらい…?」
「多分その馬鹿弟子君は本当の大馬鹿者なのん。世界のコア、傷ついてますのん。」
「うわっ…コア傷つけたら天変地異起きやすくなって最悪世界の寿命が短くなるよね?!重症?手遅れ?」
「ん~まだ修復範囲内ではあるのん。でも、期限の三倍かかるかもなのん。」
「ちょっと上に報告してくる。」
走り去るトキを見送り、リペはコアを注視する。幸い傷は浅い、浅いがリペは口に出来なかった。ついている傷はただの傷では無い。デカデカと描かれたハートマークの中に蒼井 夢花とライの名前。
それは恋する者のするソレだった。
「こんな事する大馬鹿者の頭と尻は百叩きですのん。」




