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病み期の聖人さん


「なるほど…他の世界に行ったムスメが心配だから世界をつなけろと…それは出来んな。」


丸一日聖人さんから事情聴取された俺はトキを呼び出した。慰謝料で聖人さんが夢花と会えるようにする為に。

本当に疲れた…夢花が何を着てたとか何を食べてたとかそんな細かく覚えてないし…。そして結論、繋がればいいんじゃない。そしてトキを呼び出した。


「やっぱ難しいか…。」


「一人の人間の願いごときでそんな事をすれば互いの世界に多大なる影響が生じる。今回は一人移動させて戻っただけだから影響は些細なものだった。」


「じゃあ俺達のスマホで連絡できるのも本来不味いのか?」


「それも本人達しか使えないようになっているから問題はない。異世界から持ち込まれたもので他の世界と繋がるような物はその世界の人間にのみ使えるようになっている。」


「なるほど…じゃあ、トキが聖人さんを説得してくれると。」


「なに?」


トキの背後から近づいた聖人さんはトキの両肩を掴み自分の方へ身体を向けた。心の中で祈ろう…早く終わるといいね。


「女神様、貴女ははやと君にだけ慰謝料をつけましたけど分かっていますか?私達も被害者なのです。確かに娘と別の世界を選んだのは私ですが、親としては難しい判断でしてそれはそれは身を切るような決断…。」


あ、トキがのまれた。

聖人さん今ダークモードだからきっとあのまま数時間でも話してるんだろうな…。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛もう、わかった!やればいいんだろ?やれば!!」


「トキ言葉遣い…。」


「なんか言った?」


「いや……。」


「この家で一番奥にある扉とあっちの世界の家の扉繋いであげるからそれでいいだろ。ただし、通れるのは異世界人だけだから。じゃあもう帰る。」


トキは逃げ出した。

そして聖人さんは目標達成。女神すら聖人さんには勝てないのか…。


「女神様ありがとうございます!はやと君、ちょっと行ってくるよ。」


「行ってらっしゃい。聖人さん、心ゆくまで堪能してきて。」


あ、渡辺大丈夫かな…。

聖人さんに殺されるんじゃ…いや、まて絵のこと話されたら俺も…?


「あ、待って聖人さん。って早っ!本当に待って!!」


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