女神は雑だ
「はぁ……きよひとのご飯……いけるわ……。」
「……神獣って人間と同じ飯食っていいのか?」
「かまへんかまへん。」
先日の教会での出来事の後、神獣達は自由に出歩けるようになったらしく俺達の家は溜まり場みたいになっている。
「トップ交代やらなんやらで騒がしいん。息抜きは大事や。」
まぁ、神獣も色々大変そうだから追い出したりはしない。むしろウェルカム。
「なぁシュン。シュンはトキと交信が出来るのか?」
「ん?一応出来るで?年に数回くらい「平和ですー。」って報告して返事も「なにより。」って来るんや。」
「俺、トキとメッセージのやり取りがしたいんだけど聞ける?」
シュンは返事はしなかったけど何やらゴソゴソし始めて自分の尻尾の毛を一本抜いた。
「はやとがお話したいそうですー。」
毛に向かって一言話すと毛を吹き飛ばした。とても痛そうな交信の仕方だ。円形脱毛症みたいにならないように年に数回なのか…。
「なんだ?」
「うわっ!」
「…失礼な奴だな。」
「急に現れるからだろ?!」
誰も居ないはずの背後から急に話しかけられた俺の身にもなって欲しい。
マジでビビった…。一瞬幽霊でも出たのかと思ったわ。
「早く用件を言え。」
「夢花達と会いたいんだけど何か方法はないか?」
「声は聞けるはずだが?」
「なんつーか…向こうの状況が分からなすぎてかけづらいんだよ。」
「ふむ……。」
元の世界だったら大体同じような生活リズムで今大丈夫なのか気になったらメッセージで確認してからとかできたけど、今はそうもいかないからな…。
「あちらの状況が分かれば良いのだな?」
「ん?まぁ?」
「じゃあ、見てこれば早いじゃないか。」
「え?」
「戻りたくなったら呼べばいい。」
凄く強い光が眩しくて思い切り目をつぶった。おさまったっぽかったから目を開けたら目の前には…全裸の渡辺がいた。
「渡辺…お前……。細マッチョになってないか?」
「突然現れたと思ったら一言目にそことは…流石だな。ここは風呂だ。まずは服を脱いで裸の付き合いでもしようじゃないか。」
「ああ、風呂中に悪かったな。」
「気にするな。積もる話もたくさんある。」
「そうだな…。」
トキに今度会ったらまずは苦情を言おう。
何故、渡辺の風呂中だったのかと。もっとサービスしてくれても良かったのではないかと。




