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捕らわれの身ですが

捕まった俺達はドナドナされて今は教会の地下で牢にいれられてまーす。

教会に牢なんかあっていいのかよ。

残念ながら聖人さんと奈那葉とは分けられたけど右と左の牢だから会話は可能。


「窓は無いし鉄格子は切れそうとないしどうすれば?」


答えは簡単鉄も切れちゃうノコギリ…は騒音で直ぐに人が来る。熱で溶かすとか…無理か。


「聖人さーん。」


「はやと君どうかしたかい?」


「ここからどうやって出る予定?」


「ん~そうだねぇ。奈那葉ちゃん、なら鍵入手できると思うんだけど少し待ってくれるかな。はやと君、奈那葉ちゃん、演技経験はあるかな?」


「私は演劇部の助っ人をした事ならあります。」


「が、学芸会で木の役くらいなら…。」


「じゃあ少し頑張ってもらわないとこな。」



三人で相談しているとコツコツと足跡が近づいてきた。緊張するわ~。上手くできるか…いや、俺ならできる。大丈夫だ。


「気分はどうだ?誘拐犯共。」


「誘拐犯だなんて…誤解です。」


「黙れっ!神獣様の力を我がモノにしようと攫ったのだろうが教会はそんなに甘くはないぞ。男二人は死刑、女は…大人しくするなら特別に侍らせてやらなくも無い。」


「グスン…グスン…。」


「それが神職者のすることかー。」


「神の裁きだ!準備が整うまでここで絶望を味わうが良い。フハハハハ…。」


「「「………………。」」」


「行ったかな。」


「何とかなった…。」


「奈那葉ちゃん凄く良かったよ。」


「ありがとうございます。」


「はやと君は……もう少し頑張ろうね。」


アレ…。俺の中では素晴らしい迫真の演技だったんだけどな。いや、これは俺の演技が、素晴らしかったから期待値か。聖人さんは俺に期待をしてくれているんだ!


「はいっ!頑張ります。」


「さて、この後の事を話そうか。幸い番をしてる人は存在しないみたいだしね。」


聖人さんは教会の人達に十字架を外させて神獣達の言葉を伝えたいらしい。クゥがとても不満そうに話をしていたそうだ。

自由が無いとか勘違いされまくっててそれじゃない感の塊りらしい。


「せっかくだからね。もし無理そうなら中止して即座に脱出したいからそれも話そう。」


「「はい。」」


俺の中で今ミッション●●ポッシブルが流れてる。ちょっと憧れてたんだよな。<やぁハント君、今回の君のミッションだが…>的なやつ。

美女を引き連れて少しラブって、命狙われながらもミッションを達成する…カッコイイ。

夢花を護ってる時はどちらかというとドッキリを仕掛けられてる芸人みたいな気持ちだったしな。


「ドゥン、ドゥン、ドゥン、ドゥン、ドゥンドゥン…。」


「ん?はやと君ちゃんと聞いてたかな?」


「あ、うん大丈夫デス。」


危ない口から少しモレてたわ…。

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