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お早い退場で

「師匠~!やっと!やっと迎えに来てくれたああああああ!」


「元馬鹿弟子……。お前の馬鹿は治らなかったな。」


抱きつこうとした馬鹿(ライ)にラリアットをくらわせてからの冷静なセリフ…流石はトキだ。武闘派女神の称号は欲しいままだな。


「姿を現せるならメッセージじゃなくて良かったんじゃないか説……。」


「そう気軽に来てはいけないのだ。今回は特例だから今後もメッセージになる。」


「そうか。それで?」


「まず話をする前にやる事がある。」


トキの右手が光ったと思ったら赤い首輪が現れた。そしてそれを気絶する馬鹿(ライ)にはめると……なんと言う事でしょう先程までいた美少年がポメラニアンになったではありませんか。


「これで封印は完了した。さて、状況の説明だったな。

ライは追放となったのだが一度の大失敗で失うには惜しいと一応救済処置がされた。追放先で改心したのであれば追放を取り消し補佐の役割を与えよと上から言われたのでな、善行の玉を渡し迷惑をかけた君達と同じ世界にとばし監視をしていた。神獣達も判断材料の一つとして協力してもらったわけだが……。」


まぁ、改心なんてしなかった訳だよね。何とも言えないこの気持ち。


「このポメラニアンどうすんの?」


「この地で過ごさせる。」


「……直ぐに死ぬんじゃ?」


「あの首輪は特殊でな。姿を変えるのもだが食事をしなくとも生きられるのだ。更にこの家からも出られないようにしている。」


なるほど、完璧な封印だな。

これでもう二度と会わなくてすむ訳だ。本当に勘弁して欲しい。


「トキ様、ワイらはどうしましょー?」


「しばらく自由にすれば良い。迷惑料だ。」


「はやと、しばらく世話になるでっ!」


「よろしゅうっ!」


「教会から睨まれないか…?」


「「かまへん、かまへん。」」


いや、俺がすごくかまうんだけど……。

神獣と一緒にいるの見つかったら連行されて事情聴取とかされるの確定だろ。


「……絶対に見つからないように。」


「では私は帰る。コレは放置して置いて良い。」


「あ…。」


はやっ。あっという間だったな……。

これ、ちゃんと達成した事になるのか聞きたかったのに。慰謝料増えるのかな……。


「はやと君、煩いのが目覚める前に離れよう。」









~一時間後の隠れ家~


(ん……。なんだ?気を失ってたのか…。)


「くわぁ~。」


(なんだか視線が低いな……あっ!そうだ師匠っ!師匠?!)


「クゥン、クゥンクゥン…。」


(なんだ?獣の鳴き声?何か居るのか…?)


「ワゥ?」


(ん?ガラスが反射して獣が…ん?後には何もいない…ん?んん?!も、もしや……。)


「ギャンッ!ギャンキャンッ!」


(コレは俺?!俺なのか?!し、師匠~!!)




~トキの部屋~


「ふぅ…つっかれたー。偉ぶるのも肩が凝るわぁ。あ、元馬鹿弟子気がついたかな。後でメッセだけは送っておかなきゃか~まったく世話がやけるわ。」

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