大切なのは報連相
事情通の女将さんに聖獣の脱走とかの話が無いか聞いたら慌てて口を塞がれて夜に緊急会議が開かれる事に。
メンバーは俺、奈那葉、聖人さん、女将さん、副団長。
「さて、また女神様からのお告げかい?」
「今回は透過ワシとミミンガの捕獲だらしいよ。」
「なるほどねぇ…。また厄介なところを…。」
「透過ワシとミミンガが逃げ出した件は協会のトップシークレットだ。
聖獣が逃げた事が知れ渡れば教会の責を問う者や聖獣を我が物にしようとする者達が現れる。
脱走したのは三ヶ月前で教会は必死に探しているが未だ捕まえられていない。
各町の神職者は上から聖獣の名前を出した者を本部に連れてくるようにお触れを出している。
表向きの理由は神職の者以外が神聖な名を口にする事は浄化されるべき罪との事だ。
実際は催眠をかけて手掛かりを探している。」
…トップシークレットとは。
いや義賊団の情報網ヤバいな。知らない事ないんじゃないか?
そりゃ方々から狙われますわ。
「この街にも神職の人がいるの?」
「昔は爺さんが一人常駐していたけど亡くなってからは定期的に若いのが一人来るくらいだねぇ。
半年に一回くらいの頻度だったけど聖獣が逃げてからは週に一度の頻度だ。」
「俺、見た事ないけど?」
「僕もだね。」
「私はミントの家で見かけたわ。」
「生臭坊主だからねぇ。
町長の家でお清め用の酒をひと瓶もらったら祈ると言ってすぐに外れの教会に行って飲んで爆睡して帰ってくんだよ。」
「神職とは…。」
「酒一本で脅威にならないだ。安いもんだよ。」
現状は把握出来たけどトキも無茶言うよな…。てか人使い荒くないか。
教会にバレないように神獣を捜索して捕獲するって難すぎる。
「神獣の脱走についてはどういった経緯かは謎だ。突然居なくなったらしい。まあ、透過ワシもミミンガも人知れず姿を消すなど軽くするだろう。」
「ん~捕獲器が作れたとしても居場所が分からなきゃか…。」
「捕獲器?なんだいそれは。」
「ん?名前の通り聖獣を捕獲する為のものだよ。」
「そんなもの聞いた事も無いよ。教会の奴らだって獣用の猿股持ってるくらいさ。」
捕獲器の材料よく分からないものばかりだったから量産は出来なかったって事かな。
猿股で聖獣捕まえるってどうなんだろ…。
「はやと君はその情報をどうやって得たんだい?」
「トキペディア。」
「「「「ん?」」」」
「ちょっと一旦休憩で、はやと君と奈那葉ちゃんはこっち来て。」
聖人さんどうしたんだろ。ちょっと圧が強いな。
「さて、はやと君。詳しく聞こうか。」
「何が?」
「「トキペディアって何。」」
「あれ?話してなかったっけ?」
これが強者に恐喝される弱者の図。
じゃなくて二人共顔が怖いっ。そんな詰め寄らなくてもちゃんと話すし。
「なるほど…そんな便利なものがあったなんて気づかなかったな。」
「私達もスマホあるんだからトキペディアを利用できる可能性高いわね。」
とりあえず聖人さんが今日はお開きにして明日再度集合になった。




