本星襲撃開始
「「「「「悪と戦う正義の味方、サラダボウル参上っ!」」」」」
この登場シーンも本日で記念すべき十回目。慣れてきて動きがよりスムーズになってきた。
これ迄の活動としては街規模はデプンとタプンで二回とマシュマロンで三回、町規模はマルマンで一回とボールで二回。
活発な活動の成果は知名度の急上昇と治安の向上だと思う。
「「「せーの。サラダボウル頑張って~!」」」
「期待してるぜー!」
「あんな奴らやっつけてくれっ!!」
声援は段々増えていき今では追っかけまで出始めている。子供たちは俺達の真似をしてるしファンクラブも出来たらしい。
「いやー気分がいいな。ヒーロー最高だ。」
「調子にのったらダメだよ。」
「ミント、それじゃ温いぜ。ハヤトくぅん?その言葉は人気最下位から脱出してからだろ。」
「スパイシー…クソッなんで一位がコイツなんだ…。」
そう…人気者に付きもののランキング。元の世界みたいに精密なものでは無いがファンクラブの規模で一目瞭然になった。
二位はミント、声が可愛いとかで男性ファンが野太い声援を送っている。
三位は意外に女将さん、死んだ婆さんが帰って来たとか勇気をもらったとかでシニア層からと懐かしくてホッとすると子育て世代のファンが多い。
四位は奈那葉、顔を隠してるのもあるが雰囲気的に推し辛いようだ。でも立ち姿が美しいと一定のファンはついている。
そして一位はスパイシー、黒くて目立たないハズなのに人気がある。手を振ったり愛想が良いからなのか腹が立つくらい人気がある。俺は…俺はリーダーの赤なのにファンクラブすらない。おかしい。
「ただ単に傍観で活躍してないからじゃ…「シッ!」…。」
「ミント、聖人殿にアノお仕置をまたされたいのか?」
「…ごめん。無理。コワイ。」
「ニコニコしてる者ほど何とやらだ。あれは怒らせたらいけないタイプだよ。」
「?何コソコソしてんの?」
「さあ今日は大物なんだから張り切って行くよ!」
「女将さん…それ俺のセリフ…。」
今日の襲撃先はモチチの街のお偉い貴族様でキャノーラ侯爵、黒幕っぽい。
今までの襲撃先のある街や町、立ち寄った場所を治めるのがこのキャノーラ侯爵らしい。
襲撃先の資料からたまたまこの家の家紋が多く見つかって義賊団で調べて貰ったら侯爵が裏で先導していた形跡を見つけた。義賊団の人達どうやって調べたんだろ。
「手を出してるのは侯爵だけで奥さんと子供は関係ないみたいだから逃がしてるからねぇ。今までの奴らみたいに一筋縄でいかないだろうから気をつけていくよ。」
「「「「了解!」」」」
エントランスで派手にポーズを決めて警備の人達が集まったところで戦いは開始だ。
「清めの聖水!」
「ふん。対策なんぞしとるわっ!」
「ゴーグルで防げるなんて思わないで。シューティング!」
「ふん。何処を狙って…。」
ミントに股間狙うの教えたの誰だろ。ゴーグルつけて自信満々だった警備の人達、顔が真っ青だよ。アイコンタクトでスパイシーと分かりあった。ミントを敵にしてはイケナイ。
「ここは黒と引き受けるから三人は中を。後で追うわ。」
「「「了解。」」」
「私の後についてくるんだよ。」
女将さんが先に屋敷の扉を開けに行った。俺と奈那葉が扉につく頃には中の人達がゴロゴロと倒れていた。女将さんマジで強い。
「縛るのは任せたよ。」
「「了解。」」




