適当な女神
スパイシーが義賊団の一人と発覚してから役人のスパイかとか疑われたけどちゃんと違うと信じてもらって、今は一人で部屋にいる。スパイシーは施錠して仲間に連絡しに行った。
一人になったからスマホをみると聖人さんと奈那葉から鬼のようにメッセージが来ていた。とりあえず無事なのと後で電話するって送ったけどやっぱりメッセージで現状送って置く方が良いかな。って思ったら聖人さんから先にメッセージがきた。
<スパイシーちゃんから手紙きたよ。>
<今日はもう部屋で一人だから折をみて電話で話したい。>
<今からかけます。>
(~♪)
「はやと君大丈夫かい?」
「部屋に閉じ込められてはいるけど縛られてもないから大丈夫です。スパイシーの手紙はなんて?」
「はやと君を預かってるけど危害は加えない。私達の事を知ってるのは分かってる。悪いようにはしないから安心して。ってだけだね。」
「実はトキからの手紙?不遇の宿り木を助けろってメッセージがきて、うっかり名前を呟いてスパイシーがその一人だって知って…。」
「トキ様からの手紙?……神の使者かな。」
「たぶん…。とりあえず、スパイシーは俺達を金目当ての人から助けてくれるつもりだから大丈夫!トキの件は何をすれば良いのか分からないけど。」
「ん~あまり信用しすぎてはいけないよ?とりあえずはスパイシーちゃんの言う通りにはしよう。トキ様の事は事情が分かって危なくなかったらだね。」
「わかっ」
あ、切れた。
聖人さんから切られたが正しいか。誰か来たのかな。無事は伝えられたし良いかな。
「それにしても…トキ、もう少し詳しくくれよ…。」
助けろか…そういえば俺のアイアンハエたたきどうなったんだろ。この部屋には無さげだしスパイシーが来たら聞いてみよう。俺の大切な相棒。
……暇だな。スマホは、アプリ残ってるからゲーム…は熱中してスパイシー来たら不味いか。ん~あ、ネット検索って使えるのかな。ネット無いけど。
「義賊団っと…。あ、ウキペディアちゃんと出た!凄いな。あ、不遇の宿り木って何て出るかな。まぁ適当な感じのが出るか。……マジか。」
冗談半分だったんだが…。
■トキペディア
義賊団【不遇の宿り木】
義賊団とは、窃盗団だけど盗んだ物を貧しい人に分け与えてる存在。不遇の宿り木は金持ちから盗み、金持ちの中でも悪質な者からは奪えるだけ、善良な者からは負担にならない程度を奪い貧困層に配っている。
活動してるのは主にボタメ国内全土。ボタメ国からは指名手配され、一団丸ごとの懸賞金が金貨五枚、団員一人で銀貨八枚となっている。
現在の団員は五十名程。五グループに別れ行動している。
被害にあった悪質な貴族が結託し虐殺されるまで後三ヶ月。
「トキペディア…マジか……。」
トキペディアの存在にも驚いたけど、トキ言ってくれよ!
いや、それよりも最後の虐殺されるまで後三ヶ月てさ…助けろってコレだろ?俺に何が出来るんだよ。か弱い一般人の高校生に何を期待したんだ…。スパイシーに危険が迫ってるって伝えるか?いや、普通に信じないよな…。
「はやと、夕食持ってきた。」
「うあっ!スパイシーノック位しろよ!」
「…お前の部屋かよ。」
「だよな…。」
どうするよ……。




