クリームの転機
私の名前はクリーム。バター男爵家の娘です。
私には弟がいてバター家の跡取りとして頑張っているので私は家の為になる男性と結婚するよう言われていました。
バター家は男爵家にしては裕福ですし私そこそこ美人だと思うので大丈夫と社交頑張っていたんですよ。十歳までは。
入学した学園でまさか婚約者のいる公爵家令息に気に入られてしまい、その婚約者の侯爵家令嬢に目を付けられるなんて誰が想像でしました?しかもいくら私が否定しようとも両者共に聞く耳持たない。
「可哀想に…言わされてるんだね。大丈夫、僕は分かってるよ。」
「貴女が彼もその友人も誘惑してる事は分かっていますわ。」
いえ、何も分かっていません。
どういう頭したらそうなるんですか一っ言も誘惑してませんし全力で遠慮したいですから。私は普通に婚約者の居ない方から婚約者を見つけたいだけ、なのに皆から避けられるようになって大迷惑。おかげで勉強は捗りましたよ。ありがとうございます。
そんな学園生活を送っていたら救いの女神が現れました。
「貴女…災難でしたわね。もし宜しければ我が領地で働きませんか?今、優秀な女性を探していて貴女なら任せられると思うの。学園は飛び級で卒業してしまいましょ?お金は私が出して差し上げますわ。大丈夫、貴女なら試験を突破できます。」
ありがとうございます。ありがとうございます!私を不憫に思って下さいましたフラウア侯爵令嬢様が私に救いの手を差し伸べて下さいました。
勿論二つ返事で了承して飛び級で卒業しました。
「おめでとう。流石私が見込んだだけあるわ。さあ、これがフラウア家の紹介状です。貴女の頑張りを期待してます。」
手紙を開封してびっくり。フラウア侯爵領の最北端のナン地方領主の補佐官…。それは優秀な人材が欲しい訳ですよね。
「因みに、ここの領主の息子は十七で婚約者もいません。」
「ありがとうございます。私の全てをかけて盛り立てて参ります。」
そんな風に働き始めて五年…結局、領主様のご子息は別の方と婚約されてもうすぐ結婚。私は仕事に生きています。今ではいき遅れに片足を…。
良いのです。やり甲斐がありますから。
クプンマの住人肥大化問題の解決…大変難しい問題ですね。はい、担当させていただきます。領主様のご意向はきちんとお伝えしてきます。
この問題が解決したら今度こそ…。
そう思っていたのに、何でこんな格好させられんの!私、嫁入り前の娘なのになんで?!
「ほ、補佐官様ごめんなさいごめんなさい!」
「謝罪はいいから武器を捨てなさいっ!」
「手が離れないんです!身体が勝手に~!!」
「気合いで何とかキャッ!やめっ痛っ!ひやんっ!まてっ!やっ!」
部屋に響くリズミカルな音と私の声が羞恥を倍加させて…させて……。
「やあ…やめへぇ…。見ちゃや…。お尻…壊れちゃ…んっ…。」
「すいませんすいませんすいませんすいませんすいません。」
強制力が無くなったのか私のお尻を叩いてた物が護衛の手から滑り落ちると私の大切な何かも滑り落ちました。
いえ、私だけでなく同じ部屋に居た全員が、みたいです。
お尻痛い…ヒリヒリする…胸がドキドキして…顔があつくて……。
「全員、この部屋での事は他言無用。誓約書を血判付きでつくり、破れば…私の全権力を使って破滅させる。家族も。誓約書を書いたら本日は任を解くが…。」
「補佐官様、どうか、どうか責は私に。他の者達には…。」
「では其方は残れ。」
私のお尻叩いたのこの方だけで他の人達はモジモジしてただけだし責任を取らせようなんて思っては無かったけれど丁度良かった。先ずは同じ体験をしてもらってからじっくり話を…いいえ検証しながら責任を取らせましょう。
なんせ彼は私と同じようにフラウア侯爵令嬢様の推薦で来た人なのですから。




