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乙夜

聖人さんからLINESで呼ばれたから奈那葉とキックボードで村らしき場所に向かった。

正しく村だったみたいで村人は二十人に満たないくらい。何だか少しオドオドしてる気がする。


「ここは何て村ですか?」


「こ、ここは普通の村ですっ!」


「普通の村?」


「名前がないみたいなんだ。辺境であまり外から人が来ないみたいだよ。だから少し人見知りしてしまうらしくて口下手みたい。」


「なるほど。」


初めての村が横柄な人達じゃなくて良かった。村長さんに話を聞くと俺達がいた森は【神託の森】って呼ばれる森で、たまに豪華な馬車の人達が入って行くだけで一般人は立ち入り禁止な場所らしい。

地図も見せてくれた。この村はボタメ国という国にあるらしい。旅をするなら俺達も地図が欲しいな。


「よ、宜しければお持ち下さい。」


「え?いいんですか??」


「はい。早く出てって欲し…じゃなくてお役に立てて欲しいです。」


オドオドした様子もだけど明らかに子供な俺にも敬語だなんて…人見知りが酷いんだな……。早く移動してあげた方が良いかな。


「地図からするとクプンマっていう街が近いかな?」


「プクンマは美食の街として有名で商業も発達してますよ。」


「へ~いいですね。」


俺達は地図をもらって村を後にした。

キックボードである程度離れたらキャンピングカーを出しての移動に切り替える。

聖人さんがとてもご機嫌で鼻歌を歌いながら運転してる横で奈那葉がスマホで聖人さん録画して尊いと呟いている。

後ろの席に一人の俺…何だか居心地が悪いな…。せっかくだから夢花と連絡…を取ると聖人さんが運転どころじゃなくなるから渡辺に連絡してみよう。


(~♪)


「黒崎じゃないか。そっちは元気にやっているかい。」


「ああ…まだ始まったばかりの生活だけど驚きの連続だよ。渡辺はどうだ?」


「僕も刺激的な生活をしているよ。念願の美少女ハーレムだし悪くない。黒崎が居たら完璧だ。」


「渡辺…ブレないな。渡辺にスマホがあれば共有できるのにな。」


「ふっ…そういう楽しみは再会の時で良いだろう。僕の手にはカメラがある。」


「ナンダト!……楽しみにしてる。」


「ああ。楽しみにしていてくれ。」


渡辺との通話を切ると目の前の現実に戻る。宜しくない。これは俺の精神衛生上宜しくない。

環境改善するにはどうしたら良いのか。一番は奈那葉をどうにかする事だけど…。あっ聖人さんと目が合った。


「奈那葉ちゃん。」


「はい♡」


「僕を好いてくれるのは嬉しいけれど、これだけはハッキリ言わせてね。

僕は妻と娘を愛してる。だから君のその態度は受け入れられないからその態度を続けるなら距離をとらせてね。」


「……ぇ。」


「普通に接する事が出来ないなら最低限しか話しかけないし隣りもはやと君専用にする。悪化するようなら最悪僕だけ単独行動するかな…。」


聖人さんが英断をした。

優しい聖人さんがここまで言ったんだ奈那葉は…この世の終わりみたいな顔してる。


「……街に着くまで…有余をください…。」


「わかったよ。君なら大丈夫だと信じてるからね。」


乙夜。

空気がお通夜だよ。とりあえず奈那葉と俺は場所を入れ替わりはしたけど空気がだる重い。


「すまないね。こんな空気にしてしまって。」


「あ、いや聖人さんが悪い訳では無いから。」


早く美味しい空気が吸いたいとは思いますけどね。



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