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90話 儀式

「それでは結婚の儀式を行う、3人とも指先に刺して」


国王の指示によって差し出された台の上に細い針が乗っている、それをナオト、ヒルダ、テレサが交代で指先に刺して小さな小さな血だまりができた、それをナオトとヒルダ、ナオトとテレサとでくっつける、こうすることでDNAをお互いに認識させるのだ


DNAだけなら唾液でも良いような気もするのだが、この世界ではこのような慣しになっている、多少の痛みが結婚の覚悟になっているのかも知れない


「それではフォーセリア国王 タカノリ・フォーセリアの名の下に3人は婚姻したものと認める」


これで結婚式は終わりだ、ものの5分くらいの出来事だった、国王の名前が日本式なのは祖母が兄の子が生まれた時の名付け親になったためだ


この次は披露パーティーが待っている、今度は長丁場のようだ、パーティーでは今まで会ったことのないハトコや伯父さんとも会うことができた、しかも伯父さんに限っては自分の結婚式の司会者であった、強烈な初対面となった


国王の名前も今日初めて知ったことだしね、でもタカノリなんて名前親近感が湧く子供たちはどんな名前なんだろう


「王太子様と内親王様の名前ってなんですか?」


パーティーまで一緒に待機していたヒルダさんに聞いてみる


「シュウ王太子様とユリア内親王様よ、でも名前を余り呼ばないでね、王族は身分名で呼ぶのが習わしなので、王太子様、内親王様って感じです」


「じゃあ俺も身分名で呼ばれたりするのですか?」


「どうなんでしょうか、特に身分名ないですものね、王位継承権があるって言っても公表はされてないですものね」


「ヒルダさんも今まで通りヒルダさんでいいんですかね?」


「いえ、第3王位夫人と呼んでください」


それだと国王の3号さんみたいだけど、本人はすごく気に入っている、指摘した方がいいのかどうか迷っていたら


「夫人だとナオト君あっての名前になってしまうのでナオト君が伯爵夫君ってことにしましょうか」


そもそも伯爵号はルードヴィヒさんの物でしょうに


「フレッチャ伯爵位を相続でもされたのですか?」


「いえまだです、フォーセリア史上初の女性貴族誕生も現実のものとなるでしょう」


弟のグルテン君勝手に居ないものとしないで欲しいな


「妄想はそれぐらいにしてそろそろ会場に行きましょう、テレサも退屈そうにしてますし」

テレサ

「私は楽しそうって見てました、ナオト様もヒルダさんもホントに仲が良さそうで」


ヒルダさんの妄言聞いてるだけでちっとも楽しくはない、全くタイプが違う2人の奥さん、1人は行動が読めない常にマウントを取ってくる、1人は従順で言ったこと以上の成果を上げる、ただテレサは少し従順過ぎるところがあって本心が読みにくい


「やあナオト君先程ぶりだな、やっと会えたよ、誰も教えてくれなくてな」


国王が一番最初に来てくれた


「私が王族なんて知ったのも3日ほど前でしたからね、ヒルダさんが教えてくれるまで全く、、」


「叔母さんが亡くなったと聞いた時もかなり経ってからだったからな、君のお父さんが挨拶に来てくれたんだよ」


「それでは私の父はこちらのことについて知っているのですね?」


「知っているも何も今日も来ているぞ、後で会えるんじゃないか?」


ここ3日ばかりは驚かされることばかりだ、親父も何も教えてくれなくて人が悪い、色々と聞きたいこともあるので丁度いい


「今別室にてフレッチャ伯爵家と挨拶しているぞ、ナオト君も行くかい?」


俺当事者なんですけど


「どうせ後で会えるのでいいですよ、それよりも陛下の家族も来ているのですか?」


「勿論だとも、紹介するぞ」


王妃、王太子、内親王と会うことが出来た


「初めまして王妃のアメリアです、お会いできて光栄です」


「王太子のシュウだ、俺の王位のライバルと聞いているぞ、宜しく頼む」


「そんな気ないですから」


「私と結婚してればお兄様を蹴落とすこともできたのに、帝国を追い払った武勲をもっと宣伝していたら」


多分金髪の偉丈夫な女性こそが内親王であろう、女性にしては175センチ以上あり、鍛え抜かれた身体をしている、王太子も180センチを超え王族なんて言ってるが将軍と聞いても納得するだろう


力尽くてこられたら間違いなく負ける自信はあるな、国王は余り体格良くなかっただけに子供だけ立派だ


「あれはヒルダさんに乗せられただけですよ、一商人が戦争に介入なんて普通に考えたらありえないですよ」


「そのヒルダなんだが、なんであの女と結婚したんだ?陛下はかなり乗り気だったと聞いたが、伯爵家に居た時の噂を聞けば貰い手はいないと思っていたが」


「私もいつの間にかここに居ることになっていたのですよ、ヒルダさんが結婚するって聞いた時も別の誰かかと」


「あの女をもらう勇気のある奴が居るかよ、もし居たとしても何も知らない奴、つまりお前ぐらいのものだ」


「お兄様まだ今日結婚したばかりでそこまで貶さなくても宜しいのでは?」


「そうだな、悪かった」


「そう思われても仕方ない部分はありそうですし、大丈夫ですよ、でも陛下は乗り気ってところだけ気になったのですが」


「それは私が説明します、ナオト君は受動的で誰かが尻を叩かないと本領を発揮しないとお父様から伺っています」


王妃が説明してくれた、確かに戦争止めたのもかなりせっつかれてしょうがなくだったからな、だったら思ったよりヒルダさんの功績は大きいのかもしれない


内親王のように野心だけあっても余り手を組もうとは思わないかも知れない、結構ヒルダさんで合ってるかもしれない


「お ナオト久しぶりだな」


親父が登場した、何から聞いていこうか







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