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57話 帝国への強行

「ご主人様、これに乗っていくのですか?」


今回俺が用意した帝国に乗っていく乗り物は車だ、今回のために四輪駆動車を用意した、普段俺が現代に乗っているセダンタイプに比べたらかなりごつい、ハルクも驚いている


「ああ、そうだ、途中でお前にも運転してもらうぞ」


「はい」


現代では免許が必要だがこちらにそんな物はない、ミッション車なら難しいがオートマなら小学生でも運転できる、ただ道中の舗装されていない道と魔物が出るため、反射神経と視力が必要だ


その点ハルクなら問題ないだろう、帝国まで1,000キロ、時速80キロです走れば16時間で着く予定、運転を代われば1日で着いてしまう、後は向こうで1日で引き継ぎをして、猶予で1日で計4日間のつもりだ。


かなりの強行軍だがなんとかなるだろう、本当はライフルとか欲しい処ではあるが今回はクロスボウとスリングショットを持ってきてある、少しファステルから離れた処でハルクに運転を教える、中々筋がいい、自分でアクセルを踏むとスピードが出ることに喜んでいる


「運転覚えても向こうでは乗るの禁止な」


「はい」


1人で現代に行くこともあるが、無免許運転とかして捕まっても身分の証明が難しい、密入国者扱いになるが強制送還の送還先が説明できない


途中ですが狼とか猪が向かってくるが避けながら走る、一応正面から来られた時の為にカンガルーバーを車の全部に取り付けてあるのと、予備でもう一台軽の四駆も用意してある


軽では寝るのが大変なので出来れば何も起きては欲しくない、安全第一だ、途中で村や町に着くたびに入り口で車を仕舞い町で休憩する、食べ物は持ち込んでいるので日本の物を食べる、こっちの世界で唯一口にしてうまいのはお茶だけ


食べ物は味が薄い、ジュースは甘味が足りない、パンは堅い、サラダは生暖かい、いつか此方の物も食べることができるように調味料を普及させたい物だ


朝の8時に出発して夜の2時には帝国に着いたがもちろん閉門中だ、交代で夜の番をしながら開門まで待った、周囲には同じように待つ馬車が居たが奇異の目で見られた


運転席で俺が起きて待機していると


「コンコンコン」


窓をノックする音があった、顔をそちらに向けて見ると、暴風の疾駆者のフリオだ、以前フォーセリアの王都からファステルまでの護衛を頼んだ冒険者だ、


「お久しぶりですね、どうされたんです?」


「これはなんだ?店主だと思ったらやっぱりだった」


「魔道具ですよ、前回のと同じ原理です」


「バイクよりは大きいな」


「はい、その分価格と金貨10枚します」


「とても俺たちじゃ手が出ないな、前のバイクってまだあるか?」


「ありますよ、買います?」


「買いたいのは山々なんだが値段が高くてな、もうすこし安くできるか?若しくは分割でもいいか?」


確か金貨1枚って吹っ掛けたんだよな、30万円で買ってるから本来だと銀貨30枚、3倍も値段を釣り上げた


「最初に銀貨30枚、毎月銀貨5枚でどうです?」


「わかった、ファステルに行ったら寄るよ」


販売の約束をして別れた、これでバイク残り3台買いに行かないといけなくなった、日本円の資金がかなりやばい、サダムさんとの取引が出来なければ来月の小麦粉は仕入れられない、ダイヤもまだ残り270個ほどある


まさか小麦粉を9千万円も買うなんて予想外もいいところだ、家を買うよりも高い、米本は無事小麦粉確保できているのだろうか、3,000トンならコンテナだよな、祖母の家にコンテナが乱立してたらみんな驚くだろうな


コンテナ1つで4トンが入るから750個のコンテナ、壮観だな、それを海でなく山でだからな、無理だな、港に運んでもらおう、違和感ありすぎるるからな、そしたら港も2時間ぐらい借りておかないとだな


帝都の門が開いた、後は自分の店に行くが車は仕舞う、夜中から待っていたので1番に入門することができた、これで服を帝国で買った奴隷のハンクに渡してトンボ帰りだ。


1000キロ離れた所に来て滞在時間1時間ってなんだろうな、異世界生活満喫できないよな、観光の目的は料理、風景、人との触れ合いがテーマだろうけど


料理はまずい、帝国は基本敵地、親しくなると攻撃し辛くなる、風景って危険なんだよな、絶景ポイントにはかならず魔物が居る、人と違った経験だけが楽しみだ、仕事人間の性になっている気がする。たまには息抜きしたいな


帝国からの侵攻を食い止めたら絶対に楽しむ、冒険者登録をして魔物退治やダンジョンとか行きたい




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