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37話 シルキー

閑話3人目、影が薄いシルキーの話、短いです。

私の名前はシルキー


王都に在るリンド子爵家の下働きとして働いている、お母さんも一緒に働いている、元々お母さんが農家の家の出だが不作の影響もあり


口減らしで奴隷落ち、そのまま10年子爵家で働いてやっと解放されたが、そのまま仕事を続けている


私がやってる仕事はお母さんの手伝い、お母さんは一言で説明すると、なんでもやる、専門の職種の隙間を埋める感じだ


料理は料理人がやるが料理の食材の買い物


ベッドメイクはメイドがやるがシーツの洗濯


庭の手入れは庭師がやるが飛び散った草木の掃除


詰所に居る兵士へ食事を運んだりもする


専門的な技量は必要ないがとにかくなんでもやる、それぞれですぐお母さんが呼ばれる、私はそのお手伝い、いつから手伝っているのか覚えてないぐらいの歳からだ


お父さんの記憶はない、お母さんが教えてくれたのは、庭番だったらしい、奴隷の時に、満足に食事を貰えない時によく食事を恵んでくれたようだ、その後仲良くなってお母さんが妊娠したのがわかると庭番はクビになってしまった。


リンド子爵って人はとにかくケチだ、食事はまともな量はもらえず、しかも傷んだ食材を使用人に使う


庭にある草木の手入れも外から見えるところは手入れするが見えないところは手入れをしない


メイドの服も来客者に出る人は綺麗な服だが中でしか活動しないメイド達は中古で済ませている


お母さんにも洗濯する時はなるべく洗剤を使わないように言ってくるので洗うのが大変だと


でも私は知っている、洗剤を使わずに洗濯をすると汚れを落とす為に余計にゴシゴシとこするため、早く服が痛むことを


子爵様ほどの人がそれを知らないのは理解できない。


そんな事情もあって私は常にお腹が空いている、たまに子爵様の残したご飯をつまみ食いするが、みんながそれをするので回ってくることは少ない


そんな子爵様だがお母さんはかなり尊敬している、奴隷を解放してくれたことを恩に着ているのだ、でも普通は5年も働ければ解放されるのに10年も働かせるなんてひどい。


私は外に仕事に出たいのだが、まだ13歳の為ダメと言われる


15歳になったら好きにして良いよって言われている、後2年もこんなところに居たら餓死しちゃうよ


「おいシルキー、どうだこれ」


リンド子爵様の息子の8歳のランド様が透明な絵の入ったお皿を見せてくれた


「綺麗なお皿だね、これどうしたの?」


「父上が陛下から長年の功績を認めて下賜された皿だよ」


「すごいね、そんなお皿持ってきちゃって大丈夫?落として割ったらたくさん怒られるよ」


ランドは自分がすごいとシルキーに示したいが為に見せたのだが逆に心配されてムカッとした


「それよりこの凄いお皿を持ってる俺、偉いだろ」


どこが偉いのかシルキーは全くわからなかったが、認めたらお皿を片付けると思って


「ランド様は偉いよ、でも早くしまおうよ、見つかると怒られるから早く」


「うるさーい」


右手を怒って振った瞬間不安定になったお皿は下に、、、


「大丈夫?ランド様怪我してない?」


と割れたガラスを片付けているところに、リンド子爵夫人が


「あなたそのお皿の価値わかっているの?陛下から下賜された大事なお皿なのよ」


「いえ、落としたのは私じゃないです」


「僕見てたよ、シルキーが落として割ったところ」


ランドは怒られるのが嫌で嘘をついた、使用人の娘の言うことと自分の息子の言うこと、どちらを信じるかと言えば


こうしてお皿の責任を取ることになったシルキーとその母は奴隷に落ちてしまった。


その後何度か買われたが主人に恵まれることはなく


そしてお母さんとは生き別れになってしまって2年が経ち


ナオトがブキャナンの店に現れた時はすっかり疑い深くなっており、買われたくないが為に嫌な態度を取ることが常態化してしまった、ただテレサとは仲良くしており


テレサと働くことができれば良いなと思い、直人に買われたのだった。

食い意地が張っているシルキーの理由でした。

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