123話
法人化登録が終わったと増山さんから連絡があった
株式会社フォーセリア
ひとまずこれでスタートラインだ、後はこちらの世界でも支店をどんどん増やしていけばいいだけだ、差し当たってやることは絶品空間の二号店、店長は鷲見さんにやってもらうことは決まっている、二号店の名称はヘッドスパ絶品空間
もう名前はある程度売れたのでいかがわしい風俗と勘違いするお客さんを呼び込む必要はない、中身で勝負していく
既に二号店の候補地は初芝さんにお願いして確保してもらっている、問題は従業員だが、これも鷲見さんに丸投げだ、法人化をすれば法人口座を作ることができ、経費に関しても高津さんに管理して貰えばいい
異世界フライ店も二号店、三号店と増やしていきたいのだがどうしよう、直営とフランチャイズどっち方向でいくか迷う、田所さんは真面目すぎるぐらい真面目な人の為営業に関しては疑問を持つところではなかったが、人が増えれば増えるだけ儲けもリスクも増えていく、その点が心配だ
両方の店舗の材料も原価はかなり抑えられてはいる、ポーションは薬草も魔力水もテレサが作れるし、肉に関してはフレイヤが狩れる
決めた、10店舗ぐらいは異世界フライ店は直営で出す、その後フランチャイズも並行して増やしておこう、実績が伴っていないと加入する人も二の足を踏むだろう、不動産屋に行こう
「初芝さん 早速ですが居抜き物件を9店舗探してください」
「いきなりそんなに増やして大丈夫なんですか?」
「実は1店舗がパンク寸前なんですよ、早急にお店を増やさないと従業員の身体が持ちませんので」
「場所はどの辺で考えてますか?」
「今の店舗を中心に一駅ごとに店舗増やしていこうと思います、多少は離れていても大丈夫ですが、地域で集中して出店することによってお店の知名度を更に高めるつもりです」
「私としても遠くで探すとなると手に負えなくなりますので助かります、また候補物件はお知らせしますね」
「はい、お願いします。」
ハロワで和食料理経験者で募集した、今の1号店で営業時間のことで再三要望があったので、2名体制でやることにする、なので18名募集した、キリがいいので20名でもいいか、そしたら田所さんのところで勤務させて営業時間を延長してもいいし
雇われ店長で月30万なら悪くはないだろう、正直腕はいらない食材がメインだ、極端なことを言ってしまえばフライを揚げる技術があるのならば素人でも務まる
祖母の家用の転移結晶を使い戻る、今まで車で2時間も掛けて来ていたのが馬鹿みたいだ、倉庫のドアは既に祖母の家に移動してある、地震が起きて倒れて壊れてしまうことを考える横に寝かせて置いてあるので正直通り抜けにくかった
なので寮建設の職人さんに頼んで襖で仕切っている部屋を木で塞いであのドアを付けてもらった、典型的日本家屋にドアが付いていると違和感しかないが機能重視の為そこは目を瞑った
今から向こうに行ってオーク肉の確保だ、事前にララに解体をお願いしてあったので後は検品をするだけだ、定期的に狩に行ってもらっているのでたくさん獲れてはいるはずだ、もう一つの食材であるコカトリスは養殖することにした
俺も知らなかったがコカトリスの卵ってかなり美味だ、濃厚さが鶏とは全く違う、魔素って素晴らしいです
ただやはり魔物なのでたくさんで飼育すると仲間同士で喧嘩して殺し合ってしまう為、3匹ぐらいの小集団で区切って飼育した、エサがまた変わっている、なんでも食う、なのでオーク肉の半端なところを食べさせることにした
狩るだけならフレイヤに任せたら一瞬だが捕獲となるとスランが活躍してくれた、盾で突進を抑えその隙にニルが薬を盛るのだがさすがに魔物だけあって突進力が半端なかった
「ララオークはどれぐらい解体済みだ?」
ララ
「まだ15匹ぐらいですね、解体した分でいくと2,200キロぐらいです」
狩りをさせるようになって5日経つから平均は3匹か、1匹から100〜150キロの肉が取れるからかなり上出来だな
「じゃあ明日は休みにしていいから今日は飲んでもいいぞ」
と銅貨30枚渡した
ララ
「宜しいのですか?」
「仕事さえしっかりとすれば週に1度の飲酒は認める」
ちゃんと飴も与えればこの先も頑張ってくれるだろう、奴隷にお金は渡す必要がないが、うちの奴隷達はお小遣いを渡すようにしている、シルキーとかフレイヤは週に銀貨1枚持っていくのに比べれば銅貨30枚なんて安い物だ
同じようにスランやニルにも銅貨30枚渡して好きに使うように言った、スランはララと酒を飲みに行くようだがニルは貯めていくようだ
ニル
「お金は使うと減るんだよ」
ヒルダと同じようなことを言う、いつもは適当なようだが結構しっかりとしているようだ、屋敷に居れば飯は出るし、住むところもあるし、こんびにの服は自由に持っていっていいと言っているのでお金を使わずに生活することは可能だ、小遣いは贅沢品に回す為のものだ