119話
「それじゃあ行ってみようか」
装備品が完成したとアステルから連絡があり、3人の装備を整えて今からオーク退治だ
フレイヤ
「オークってどこに居るの?」
「俺にもわからん、ララ、スラン、ニル知ってるか?」
ニル
「森を進んでいけばその内見つかるよ」
ララ
「私が行けば向こうから近づいて来ますよ」
スラン
「いえ」
ニルは楽天的だな、フレイヤとよく似ている、ララはそれどんな自信だよ、自分がおとりになるほど魅力的だとでも言うのか、スランは話しかけた俺が間違いだった
毎日肉屋からオーク肉が消えることがないってことはそれなりに湧くんだろうな、とりあえず森の奥へ進むとするか
フレイヤ
「ねえご主人様、新しい魔法今日使っていい?」
「どんな魔法だ?」
フレイヤ
「光波砲と光指砲と光波斬だよー」
「それどんな魔法なんだ?」
フレイヤ
「ないしょー、魔物が出たら見せてあげるね」
森の奥へ奥へと進んで行っても目的のオークは中々見つからない、居るのはゴブリンと木の影に隠れて待ち伏せをしているスライムのみだ
(ゴブリンって食べられるのかな)
「おい、ララゴブリンって食べられるか?」
ララ
「ばい菌だらけで食べると高確率で食中毒になりますよ、余りお勧めしません」
うん、そのまま棄てておこう、食う物に困ってるわけでもないしな
ニル
「ちょっと木に登ってみてくるよ」
高い所からのほうがよく見えるかもしれない、ニルは10メートルぐらい高さのある木をスルスルとのぼっていき真ん中あたりの枝に腰掛けて辺りを見てくれた
「どうだ、見えるか」
ニル
「居たよ、多分あれオークだよ」
「どの方向だ、距離は?」
ニル
「わかんない、このまま真っ直ぐ進めばいるよ」
「じゃあスランは盾を装備して、フレイヤは魔法の準備を」
スラン
「うん」
フレイヤ
「新しい魔法使えるの楽しみー」
危機感はまるでない、数分歩くとオークが数匹見えた、生きてる姿は初めて見たがでかい、2、3メートルあるように見える
フレイヤ
「ずばーん」
後ろから光の刃がオークに向かって飛んでいく、2匹のオークは首と胴体が分離し、1匹のオークは上半身と下半身が分かれた、残りは1匹だ
「ララ倒せるか?」
ララ
「スラン足止めよろしく」
スランがオークを盾でがっしりと足止めし、横からララが心臓の辺りを突き刺した、一差しでオークは倒れ動かなくなった
ララ
「この剣凄いね、まるで刺した感触なかったよ」
アステルの作った剣はかなり優秀のようだ
「フレイヤさっきのが、、、 」
フレイヤ
「うん、光波斬だよ、光を刃のように飛ばすの、凄いでしょ」
点ではなく線で攻撃できるのか、前のレーザーも驚いたがこれもチートな魔法だな
ニル
「まずいよご主人様、今のでオーガがこっちに向かってくる」
ララ
「いくら私でもオーガは無理だよ」
スラン
「無理」
オーガがどの程度かわからないが、かなり強いらしい逃げようと思っているともう視界に入ってきた、オークに比べると一回り小さいがオークに比べると敏捷性は高いようで逃げるのは無理そうだ
フレイヤ
「ちゅどどどーん」
光の矢が複数オーガに飛んでいく、3匹居たオーガは残らず倒れていた
フレイヤ
「光指砲だよ、5本の指全部からレーザー出すの」
「ちなみに光波砲ってどんなやつなんだ?もう教えてくれてもいいだろ」
フレイヤ
「手の平からでっかいレーザー出るんだよ」
なんかフレイヤ一人で良いような気がして来た、ニルは木の登ってただけだし、オークぐらいならスランもララも役には立つみたいだが
スラン
「危険」
ララ
「こんなことしてたらフレイヤが魔力切れ起こしたら危ないからご主人様は転移結晶持ってたほうが良いってスランが」
あの短い単語からそこまで読み取れるのが凄いな、それより
「転移結晶ってなんだ?」
ララ
「危険な時に前もって登録していた場所に一瞬で転移できる水晶、でもすごく高い」
「高いってどれぐらいするんだ?」
ララ
「金貨5枚もする、上級冒険者はみんな持ってる、後は金持ちだけ」
そんな便利な道具があったのか、俺の周りには上級冒険者なんて居なかったから聞くこともなかったな
「どこで売ってる?」
ララ
「冒険者ギルドに売ってる」
「じゃあ全員分で金貨25枚か、買ってこい、いや待てよ、それって10個ぐらい買っても問題ないか?」
ララ
「問題はないけど、そんな高い物10個も買う酔狂な人は居ませんよ」
有用性に気付いてないのか、これがあれば一瞬で転移できるんだろ?サーティスに居ても王都に居ても、こんな便利な物冒険者だけで使ってるなんてほんとこの世界の住人はどうかしてる
「じゃあ金貨100枚渡すから20個買ってこい、何か聞かれたら俺の名前出していいから」
ララ
「わかった、買ってくる」
「フレイヤ疲れたか?そろそろ町に戻ろう、5匹もオーク取れたらかなりの肉を確保できそうだな」
5匹のオークと3匹のオーガを残らずバッグにしまい全員でファステルに帰った、木の上に居たニルの存在を忘れていたのはご愛嬌だ