115話 異世界海鮮丼
テレサが回復したので魚介類の調理を頼んだ、まず食材の味を確かめるのに最適なのは刺身だ、港町で新鮮な状態で買ってきた為生で食べても問題ないだろう
(いざとゆう時のためのエリクサー)
エリクサーの使い方が随分と雑だが、テレサが作れるようになった為バッグの中で死蔵している状態だ、生魚で1番怖いのは寄生虫だが、これはバッグの特性を活かせば解決する
マジックバッグには生き物を入れる事が出来ない、なので死んだ魚介類に寄生する虫はバッグに入れる際には弾かれるので自然と取り除かれる、なので安心して食べる事ができる
「どうだ、捌けるか?」
テレサ
「はい、問題ないですよ、最初はツナからいきますね」
「にいちゃん今度は何やってるんだ?」
子供達が寄ってきた、調理場所は孤児院食堂を利用している為すぐに見つかってしまった
「サーティスで魚を買ってきたんだよ、刺身食べるか?」
「それって生だろ?獣人しか食べる人居ないよ、生臭くて食べれないよ」
それがうまいんだけど、わかってないなー、俺が刺身を食べると知ったらみんなどっかに行ってしまった、最近トゥリ達はチェスにハマっている、俺は教えた覚えがないが奴隷の誰かが持ち込んだに違いない、俺はチェスより将棋派だが敵が味方になるのが不思議らしい
そう言えば漫画でも敵が味方になる展開ってかなり多い、DボールやYY白書もそうだ、みんな将棋的発想であると言えよう
テレサ
「はい どうぞ」
ん?流石にいきなりこれはないだろう
「テレサいきなり味の濃い大トロから出すなよ、舌の感覚が狂うだろ」
テレサ
「今お出ししたのは赤身ですよ」
そんなばかな
「じゃあ大トロだしてくれ」
リクエスト通り用意してくれた、食べた感想はと言うと、一言で表すと"わからない"だ、今まで食べたことのない物の感想なんて表現できない、うまいかまずいかと言えばもちろんうまい、マグロの大トロと比較ができないうまさだ、脂が乗っているのは間違い無いが全くくどくない
赤身が大トロ、大トロの部分は表現不能、これは使えるな、絶対に刺身以外はもったいない、ツナのオイル漬けなんて絶対にやめたほうがいい
「じゃあ次は海老蟹出してくれ」
テレサ
「こちらも刺身でいいですか?」
「そうだな、刺身の後は焼きでいいが、まずは生で食う」
蟹の部分は足と体を、海老の部分は尻尾の殻を剥いてくれた、足の中の身と尻尾の身の部分は同じ味だった、淡白だが蟹の味だ、これは普通の蟹と同じだがでかいからたくさん身が取れるのが利点だ、次は体の中にあるミソだ
普通のミソを凝縮したような濃い味だ、これは好みが分かれるところだな、マグロの大トロも昔は大衆の好みでなくて捨てていた部位らしい、濃いとか薄いは個人差が出るな、俺としてはこの濃いミソは好きだな
「蟹海老は焼かなくてもいい、味がわかったから、最後に貝を出してくれ、これも刺身で」
テレサ
「かなり身が堅いので一口で食べられる大きさにしますね」
先に注意をするぐらい堅いってどんだけだろ、普通に出てくるツブ貝の三分の一ぐらいの大きさにして出してくれた
噛んでも噛まなくても飲み込めるぐらいの大きさのため噛み切る必要はなく、ガムのようにくちゃくちゃと噛むだけだ、噛めば噛むほど貝の旨味を感じる事ができる、完全に味がなくなってから飲み込んだが、この大きさがベストとゆうことがわかった。
テレサ
「お味はどうでした?」
3種類とも美味かった、ただそれぞれの味の個性が強すぎて俺の大好きな海鮮丼には向かない、味の調和が全くできそうもない、ツナは鉄火丼がいいだろうな、全部大トロの鉄火丼は注目を浴びることができるだろう
海老蟹は鍋でいいな、味自体はこちらの蟹に遜色はないが何しろ取れる身が多い、お客さんに現物を見せるわけにもいかないので鍋に身をぶち込んでしまえば誤魔化しが効くだろう
貝は干したほうが旨味が増しそうだ、小さくしないと食べ辛くてしょうがないので、小さく出すしかない、それに向いているのはホタテの貝柱みたいなひと口のつまみだろう
調理法が三つともにバラバラになるな、これだと飲食店では使うのは難しそうだ、しばらく海鮮物は保留にするしかない、期待していた分だけがっかりする気持ちも大きい
「お店で出すには難しいからうちで自家消費だな、シルキーやフレイヤにも出して食べさせてくれ」
テレサ
「わかりました」
またサーティスに行って違う食材を探してみよう、アマリエさんに協力してもらうのも手だな、ただ調味料が足りないんだよな、全部の調味料をアマリエさんに渡して使いこなせるかどうかなんだよな