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112話

「私は実は異世界人の末裔なんです、縁があってこちらと異世界を行ったり来たりすることが出来、お渡ししたバッグや薬、ダイヤは異世界産です」


「なんとなくそんな気がしてました、あの薬やバッグはこの世界では考えられない性能でしたからね」


「異世界ではこちらの世界とは違って魔力があり、電気やガスの代わりに魔道具が発達しており、魔物もおります明かりや熱も魔素を原料とした生活を送っております」


「他に変わった物はないですか?こちらにはない物で」


「後は魔物の肉ですね、オークの肉はこの世界の豚肉とは考えられないぐらいの珍味です、私はその肉を使い飲食店を経営しております」


「豚肉は我々アラブの国の者にとってはなんら価値がない物ですね、アルコールも同様ですが」


中東では豚肉とはお酒は宗教上の理由により禁止されている


「それ以外ですと特に思いつく物はないですね、この翻訳補聴器も向こうの物ですが亡くなった祖母だけが作ることができるので量産は難しいです」


「そうですか、事情はわかりました、杉山さんの奥様の身分証明書の発行にご協力しましょう、この先もダイヤは持ち込んで頂けるのですよね?」


「はい、向こうでダイヤは硬すぎて無価値なのです、私は戦争阻止の褒美として鉱山ごともらったので採掘は思いのままです、魔物が居なければもっとペースは早められるのですが、魔物と言えば、、ミスリルはどうでしょうか」


「それはどういった物なのですか?」


「ダイヤよりは硬くないですが、鋼よりは硬く青色の金属です、向こうでは魔力を流すことによってより硬くなり武器に用いることもできるようです」


「そのミスリルはお持ちですか?」


「魔物やミスリル鉱山で取れるのですが、私が持っているのはミスリルを内包している魔物です、解体すればお腹の中からミスリルを取り出すことが出来ますが、まだ解体してない魔物のままです」


「それは是非拝見したいです、ここに出してもらえますか?」


「体長3メートルぐらいの蜥蜴ですが宜しいですか?」


「かなり大きいですね、出しながら私のバッグに収納することは可能ですか?」


「それでいきましょう」


バッグの中に手を入れジュエルリザードを取り出しながらサダムさんのマジックバッグに流し込む、体が多少見えてはいたがいかつい顔つきにサダムさんも驚いていた、正直コモドオオトカゲと変わらない見た目なのだが


「こちらは少し預からせて頂き研究してお返ししますね」


「いえ、いくらでも獲れますし差し上げますよ、何か役に立つ素材でも獲れればいいですが、ミスリル以外に心臓部には魔核もありますからそれもどうぞ、魔素が強すぎるので決して食べたりはしないでくださいね」


「わかりました、気をつけます、それでは奥様達の件はどうしましょうか、いずれにしても故国にきて頂くことになりますが大丈夫ですか?」


異世界ドアを使えば問題ないだろう、ハワイから回収してバッグの中に収納してある


「準備が出来たらまたご連絡ください」


サダムさんの所から帰るとファステルの孤児院食堂で働いているテレサの元にいった


「喜べテレサ、向こうでお前の身分証明書が造れるようになるぞ」

テレサ

「それがあるとどのようなことが出来るのですか?」


「この世界だけでなく向こうの国でも俺と結婚が出来て自由に行動ができるようになる」

テレサ

「自由に行動は出来なくてもいいですが、ナオト様と結婚できるのは嬉しいです」


本当にテレサは忠誠心の塊だな、忠誠心じゃなくて愛だな、これで俺に何かあった場合にテレサに遺産を残してやることもできる、まだまだ死ぬ気はないが人生なんていつどうなるかわからないから備えておくに越したことはない


「それよりテレサお腹が空いたから何か出してくれ」

テレサ

「ハンバーグでいいですか?お米で」


「ああ頼む」


ハンバーグはパンと一緒に出すようにしてるが特注で白米にしてもらった、こっちのパンってほんと美味しくないからね


「明日はどうする?俺はサーティスの改装が終わる頃だから行くけど一緒に行く?」

テレサ

「ご一緒して良ければ行きたいです」


最近はこちらが聞くとちゃんと自分の希望を言ってくれるようになった、前までだったら


「どちらの方が宜しいですか?都合がいい方法で宜しいです」


って絶対に言っていたはずだ、結婚前でもテレサは良い子だったが結婚してからは可愛い子になった、異世界にきて最大の収穫はテレサで間違い無いな


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