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PLATONIC BLANK  作者: 天空瞳
精霊界編
5/7

5 緊急事態?

よろしくお願いします。

レクラスに支えられながら、彼らの住む家に向かう。


出迎えてくれたのは、心配、と顔に書いてあるミシダだった。


「何があったの?」


リビングに案内されて、ソファに腰を下ろす。


「エシャンと名乗る精霊から、襲撃を受けた」


先程あったことを話すと、ミシダだけでなくティアも息を飲んだ。


「何か知ってるのか?!」


レクラスが掴みかかる勢いで、ティアに迫った。


普段は無表情を崩さないティアが、珍しく動揺を隠せていなかった。


「おそらく、同じタイミングだったのだろう。精霊界から戴冠式を延期する連絡があった」


苦渋を滲ませ、ティアが言った。


「どうゆう…」


「コルト様が、何者かに狙われたそうだ」


息を飲む。


「それで、コルト様は?!」


「無事だ。怪我もしていない」


「よかった…」


その場にへたり込み、詰めていた息を吐き出す。


「襲撃者の目処はたっているのか?」


レクラスの言葉に、ティアは首を横に振った。


「おそらく、キーラを襲ったエシャンと名乗る精霊も関係していると思うが、状況が判らないとなんとも…」


「ではお前たちも来るがいい」


ティアの言葉に、オレの口からオレのではない声が言った。


「セヴィア様?!」


「どうして」


初代精霊王にして、精霊たちの祖。


ティアたちが驚くのも仕方ない。セヴィアはオレに宿っていたが、前回の戦いで主謀者のビスタを連れて、精霊界に帰ったはずだからだ。


疑問に答えたのはセヴィア本人だった。


「我とキーラを繋ぐ指輪を媒介にした」


オレの左手中指に嵌っている金色の指輪は、次期精霊王の証、そしてセヴィアの力の塊。媒介にするには都合がいいそうだ。


三人の視線が、オレの左手に向けられた。


「それと彼らにも、力を借りた」


セヴィアが言うと、右手首に着けているブレスレットが鈴のような音を鳴らし、四人の精霊が並んだ。


「コルト様の一大事、見過ごすことはできません」


黄色の髪の精霊、ビシードの言葉に全員が頷く。


「では、皆を精霊界に送る。準備はよいな?」


「はい」


意識せずに勝手に持ち上がる腕。今、この体の意識権は、セヴィアなのだ。


右手を上に左手を下に、時計で言うと右手が十二、左手が六の位置。


左中指に填められている指輪から暖かい力が、右手に流れていく。


その手を時計回りに、上下を入れ替えるように空間に円を描くと、目の前に巨大な門が現れた。


「それでは、行こうか」


セヴィアが言うと、重い音を立てて門が内側に開いていく。


人知れず息を飲み込み、オレたちは門を潜り精霊界へ足を踏み入れたーーー。






ありがとうございました〜。

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