結界
泉のほとりにレンは葬られていた。
リゾは墓前で祈っていた。
本来は月に向かってするお祈りなのだが、墓前の前で膝まづき、祈りを捧げた。
祈り終えると、リゾは立ち上がる。
――そろそろだな。
リゾは空を見上げた。
ルウの地の外側に、最高位が張る結界がある。
この結界のおかげで砂嵐や災い等を退けている。
この結界は定期的に張りなおさなければいけない。
結界を張るには、ルウの地中央に一人、外側に五人必要なのだが、その外側の結界の一人がリゾだった。
――始まったか。
まず、ルウの地中央から、魔法が噴き出す。
それを合図に、外側にいる者が魔法を放出させる。
ちょうど、ルウの地全体に傘を張るイメージだ。
この魔法にはかなりの魔力と集中力がいる。
リゾは集中を切らさないように細心の注意を払いつつ、結界を張ることに集中していた。
* * *
その少し前。
ルウの地中央の神殿で、ケイは結界を張るべき、意識を集中させていた。
このルウの地全体に結界を張るため、まず真ん中の自分が魔力を放出させなければいけない。
魔力を放出させたその瞬間だった。
「……っ!」
ケイは腰に痛みを感じた。
ふと目をやると、腰からナイフが生えている。
そのナイフを握っている男が、こちらを見ていた。
ケイはにやりと笑った。
「きみかー? 今はいそがしいからね。後で遊んであげるよ、たっぷりとね――」
ケイは腰からナイフを引き抜き、放り投げる。
ついでに魔法でその人物も放り投げる。
傷を治そうとしたが、ナイフに呪いがかけられていたようだ。
魔法では治せなかった。傷から流れる血は止まらない。
「ふん! かわいいことしてくれるじゃないか」
苛立たしげに相手を睨みつける。
「……ひぃっ!」
相手は金縛りにあったように動けなくなった。
いや、あったようにではなく、本当に金縛りにあっていた。
それからケイはその人物を無視し、結界に集中する。