ゲーム
ミン・ラテーシアは荒れる長老を見ていた。何かに怯えてるようでもあった。
なにかおかしい気がした。
長老は怯えてるようでもあったが、野心をぎらつかせ、ルウの地を隈なく歩き回っている。
アンドロイドが出没したから見回りのようだが? それも何か違うような気がした、
ミン・ラテーシア。
ラテーシア家の長女であり、一番隊隊長ガイルの姉でもある。
長老は彼女から見て、叔父にあたる。
長老は環境維持ロボを見ては怯えていた。
水晶の色を気にしてるみたいだが。
* * *
長老が、ケイとした賭け。
それは……
「ゲームをしようよ。この地にある環境維持ロボ知ってるね? そのロボの中に虹色の水晶のがあるから、三日以内にそのロボを見つけたら君の勝ちだ。見つけられなかったら僕の勝ち。その時は君の命を貰うよ」
ケイは嬉しそうに笑っていた。
長老に拒否権はなかった。
「あんた、ドエスだな」
ロイが呆れ気味に、ケイにつぶやいた。
「僕を殺そうとしたんだ。これぐらいで済ますなんて、僕は博愛主義だろう?」
ケイは残忍に笑う。
実のところ、虹色の水晶のロボなどいないのだ。
本当に長老の命を奪うつもりなのか、ロイにはわかりかねる。
「あんただけは敵に回したくないな」
「誉め言葉だと思っておくよ」
ケイは実に愉快そうだ。
* * *
農民たちは畑作業をしていた。
少し前に降った雨のおかげで、野菜の生育がいいのだ。
時期が少し早いが収穫作業にかかっていた。
その中には、五番隊隊長ランズ・ルカーの姿もあった。
その時、「アンドロイドだー」
五番隊はそのほとんどが農民で、兼業の兵士だ。
隊長のランズと数名の兵士が声の方へ向かう。
足の速い者に中央にいるであろう一番隊か二番隊の兵士を呼びに行かせる。
他の農民は避難させた。
悲鳴を上げたのは長老だった。