ラミア型
その時、砂から手が生えてきた。
その手はリゾの足をつかむ。
リゾは魔法で地面の砂を吹き飛ばす。
そこにいたのは、もう一体のアンドロイド。
だがそれはヒトの形ではなかった。
ヒトらしい胴体ではあったが手が六本ついていた。下半身はヘビのような形状だ。俗にラミアなどと呼ばれる伝説上の怪物にも似ている。
顔面は空洞になった目らしきものが二つ穴があいてるだけで鼻や口はなかった。
ビジュアル的にはなかなか不気味だ。
リゾは臆することなく、自分の足をつかんでる手を切り落とす。
特に爆発物を持ってるタイプではないのを確信し、その頭に剣を突き付けた。
顔というよりそれはお面の後ろに髪の毛がくっついてただけで、中には何もないのがわかった。つまりアンドロイドは頭を攻撃されても弱ることはない。リゾに向かってきた。
ヘビ型の下半身がリゾの体に巻き付いてこようとする。
それを魔法で跳ね飛ばす。
ラミア型アンドロイドは逃げ出した。
リゾとしては逃げるモノを追う気はなく、頭から剣を引き抜いた。
その時、ラミアの手がすべて胴体から外れ、リゾ目掛けて飛んできた。
その手を魔法ではじき返したはずが……
「……っ?」
リゾの腹に、矢が刺さっていた。
手は遠隔操作できるようだ。手はラミアの胴体に収まるとそのまま逃げてしまった。
リゾは辺りを確認する。
周囲に、それ以上、アンドロイドがいる気配はない。
結界の中に戻る。
それまでの砂だらけの砂漠がうってかわり、そこにオアシスがある。
結界の中に戻ると、リゾは座り込んだ。
腹に刺さった矢を引き抜き、魔法で治癒させる。
傷は跡形もなくキレイに消えた。
結界を張った直後に、アンドロイドがやってくるとは運が悪い。
少々、ムリをし過ぎた。
リゾは、地面に横たわり気を失った。