避難
――ルウの地南の外れにアンドロイドが出没した。万が一のことを考えてキョウの自宅周辺の人間がいたら、中央の方へ避難させてほしい。
「え!? それってどういう……?」
だが、それ以降声は聞こえなかった。
「ちょっと、返事は!」
そんなファウを魔導師クスナ・ク・ガイルは不思議そうに見ていた。
「どうされました?」
クスナは泉の祈祷をしていた。
祈祷している間、一人以上の護衛がつくことになっていて、今日の護衛はファウだった。
「祈祷は中止して。キョウの家周辺がどうやら危ないみたい。その周辺にいる者を避難させる」
クスナは頷いた。
クスナが真っ先にキョウの家へ向かう。
二番隊隊長であるファウは、近くにいる兵士を集めてから、キョウの家周辺へ向かった。
キョウはすぐに見つかった。
子どもたちに剣の指南をしていた。
キョウは子どもたちをクスナにまかせ、念のため近くにいる六番隊と五番隊兵士たちを集めた。周辺の警戒と、住民たちを避難させた。
ファウは近くにいた二番隊の兵士たちをキョウの家周辺を警護するよう命じた。
何か怪しい者がいたら足止めするように、と。
* * *
リゾはかかってきたアンドロイドをなぎ払う。
動きを止めようと、足を狙った。アンドロイドはリゾの動きを予測してたかのように交わした。
魔法で吹き飛ばすか――
たまに爆発物をつめた厄介なアンドロイドがいる。
リゾはそれを確認したかった。
攻防を繰り返し、爆発の危険はなさそうだと判断したリゾはとどめをさす。
魔法攻撃を喰らわせ、アンドロイドの右肩から右腕が吹き飛んだ。
それでもアンドロイドは動きを止めず向かってくる。
リゾは動じることなく、再び魔法攻撃を繰り出す。
頭を吹き飛ばした。
地面に倒れたアンドロイドの両足を破壊した。
頭部が無くても動き出すアンドロイドがいるからだ。
アンドロイドが動かなくなったのを確認し、リゾは一息ついた。