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匂いが消えた日。

作者: 犀星ゆき

人嫌いが加速するごとに消えていくのは匂いだ


僕はずっと家の中にいるんだけど


数ヶ月


何年もかも知れないんだけど


ちょっと記憶にございませんなんだけど


ずっと家の中にいると世界から匂いが消える瞬間があるんだ


例えば長期の旅行から帰宅すると、家の匂いってのが分かると思うんだけど、普段は意識しても分からないし意識出来ない


匂いはあるんだろうけど、そこにずっといる人には無臭の空間になるんだ


そこが基準なんだろう


空気の


例えば山にある新緑の息吹というのだって、普段から山小屋に住んでる狩人や仙人なんかでは感じられないはずだ


ASMRもずっと聞いてるとゾクゾクしなくなってくるし


慣れは感覚を鋭敏にさせるどころか、鈍麻させることがしばしばあるんだから厄介だ


だから俺は多分鼻が利く。


他人の匂いに敏感だと思う。


だから多分こういうこともあるだろう


他人と接することを避けてばかりの人間が敏感な人間関係とか、


世の中と関わりを断絶する引きこもりだけが理解できる世の中の仕組みとか、


なんか…



そんな気がする。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 語り手は「慣れ」に関して考察していると思いました。そして「慣れ」を「匂い」に代表させて、周囲との匂いから脱却した、新たな発見や自分の「真の関心」を表わしたとのですね。 家にいると家の匂いは…
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