* ライカじゃないきみへ
井沢彬 様
瑠衣です、ご無沙汰です。
お金なんかいらないと言ったじゃないの……。
まあ、ライカが言うこと聞く訳ないか。
あ、ごめんなさい、ライカじゃないね。彬さん、かな?
もしかしたら、忘れているかもしれないけど、きみはバイトをしたでしょう?
あの時のお給料が、私の手元にあるんですよ。
きみの為に、私が使ったお金を差し引いても、余ってしまうくらい。
ライカが自分で稼いだんですよ。(私も忘れていたんだけどね……)
なので、お金はお返しするとして、追加で送らせてください。
これからはきっと色々と、お金が必要になります。また貯金しておいてください。
これはライカのお金です。しつこいようですが。
いえ、何度でも書きますが、これはきみが自分で生み出したお金ですから。
私が持ったままというのは、おかしいでしょう?
手紙をくれて、助かりました。
思い出したとき、どうしようーって困ったと思う。ありがとう。
あ、そうか。ライカじゃなかったね。クセってなかなか抜けないな。
さて、彬さんはお勉強、頑張っているんだね、偉いよ。
学校は退屈かもしれないけど、無意味ではないと思うよ。
何か意義があることもあるはず。それを見つけられるといいね。
あと、叔母さんのことだけど。
話を聞く限りだけど、いい人じゃない。私はそう思います。
理屈じゃない気持ちは何となく分かりますけど……。
せめて、お話はしてあげてね。
そうそう。
きみが言っていたように、私はそろそろ地元に帰ります。
もしも、私達がもう一度、会う必要があるんだとしたら、きっとまた、
どこかで会えるでしょう。そう思うんだ。
前に「なんにもない!」なんて言ってしまったけど、本当は別に、何もない
訳じゃないんだ。ちょっと卑下しすぎた。
そうだ、阿波おどり、いつかおいでよ。
もう本当に、もし来るなら、絶対その時期がお勧めです。
あれほど賑やかなお祭り、私は他には知りません。
そろそろ紙が終わっちゃうね。
どうか、元気に過ごして下さい。幸せになるんだよ!
じゃあ、またね。
瑠衣