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まんじゅうWhy

作者: 下月 晃


コンビニ、深夜、お客はいない。


いらっしゃいませー


何時間かぶりの客


肉まんください。


108円です。


ちょうどいただきます。


ありがとうございましたー。


客、おもむろに今し方買った肉まんを

半分こし、分けた半分を私に差し出す。


?何だ。


客、微動だにせず半分こした肉まんを差し出し続けてる。


これは、受け取るまで帰らない気か。


い、いただきます。


仕方なく受け取る。


客、満足したのか帰る。


私の手には、温かい半分の肉まん。


世の中いろんな人がいるな。ちょうどお腹すいていたしありがたく食すか。


カラシか酢醤油欲しいなぁ…


勝手にお店の使うと怒られるな。


肉まんうまい。


お腹も満たされたな。


また、暇になったな。


いらっしゃいませー


久々の客


あんまんください。


108円です。


110円お預かりします。2円のお返しです。


ありがとうございましたー。


客、あんまんを取り出し半分こする。


ここで食べるのかな。


うまく半分こできなかった様で、おおきさが7:3ほどで分かれている。


何ともなしに見ていたら、半分こしたでかい方のあんまんを差し出してきた。


は⁉︎おい、デジャブかこれは?


先程の客と同様微動だにせずあんまんを差し出してくる。


二度目だぞ、日に二度もこんな事あるのか?


受け取るまで帰らないんだろうな。


そっと受け取る。


さっきまで無表情で差し出してきていたのに受けった瞬間笑顔になるな。


またしても、まんじゅうが私の手の中に。


そんなにお腹すいてないしな。


どうしよう、後で食べよう。


冷めると美味しくないから、まんじゅう機の一番下の段に見えない様に入れとこ。


こんな事二度もあるかね?


そうそうないぞ、いやないぞ。


いらっしゃいませー。


考えても仕方ないか。


接客、接客。


あっ、常連のお姉さんだ。


いつものコースでいつもの物買うんだろうなー。


酎ハイとプリン。


レジ打ち楽でいいや。


値段も覚えちゃた。


146円と108円で254円。


いつもちょうど払ってくれるから助かるなー。


あっ来た。


ピッ、ピッ。


以上で二点で254え……。


あっ、後ピザまん。


日常はかくも容易く崩れるらしい。


以上三点で384円です。


ピザまん、袋別にお入れしますね。


大丈夫よ。ピザまんすぐ食べるから、袋いらない。


ありがとうございます。384円ちょうどいただきます、ありがとうございましたー。


いつもと違った。


それにしても、まんじゅう売れるなぁ。


あっ、半分こされなかった。


流石に三回は無いよ。無い。


それに、常連さんだし。


さっきの二回が異常なだけだっただけ。


いらっしゃいま……


あれ?さっきのお姉さん。


半分食べたらお腹いっぱいになっちゃった、半分こしただけだからコレあげる。


何て言えばいい!この状況!同じ場面が日に三度!


あ、ありがとうございますー……


三度私の手の中にまんじゅう。


教えて欲しい。


まんじゅうを吸い寄せる体質か。


ちくしょう!神はいないのか!


お腹はちっとも空いてない!


ちょっとした恐怖じゃないか。


……………後で食べよう。


おかえりピザまん。


売れたと思ったら、ご帰還しちゃったね。


あんまんの隣で温まりな。


後で、私の胃袋にぶち込んでやるからね。


改めて考えるとすごい日だな。


同じ様な事が三度もあるなんて。


でも、もうまんじゅう全部売れちゃったからもう無いな。


もうそろそろ、上がりの時間だ。


あんまんとピザまんは帰って食べよう。


交代のおばちゃんが来た。


今日も暇だったでしょ。


はい、まあまあ暇でした。


いつも通りねー。


そうですねー。さて、帰ろう。


そういえば、さっき来る途中で別のコンビニで新商品買ったのよ。

美味しそうで、つい買っちゃたわ。


へー、何ですか?


カレーまん!あなた、朝ごはんまだでしょ半分こしましょ!



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― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませていただきました。 コンビニという公共の場で、客から店員に肉まんを半分差し出されるシュールな状況を想像すると面白かったです。 半分差し出す意味を強引に持たせるため、主人公が仕事あが…
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