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名前のない怪物  作者: 黒木京也
第四章 真実の深淵
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73.語られた関係

 地下室に再び降りたった僕は、噎せ返りそうになる濃厚な空気に、思わず顔をしかめた。

 血や体液。肉片など、色々なモノが撒き散らされ、染み付いたベッドと床。握り潰されたレポート。絡み合う蜘蛛糸。教授の書斎は、まるでそこだけ別世界になっているかのようだった。

 そこは人間としての僕が、終焉を迎えた場所であり、怪物として生まれ変わった僕の、始まりの場所でもある。

「……京子」

 半ば無意識に、その名前を口にする。

 ルイから語られた京子の死。それは、僕の心に、少なからず衝撃を与えていた。

 豹変してからの京子は、僕にとって恐怖と絶望の具現だった。

 恨みもある。憎しみもある。親友を殺されたのだから当然だ。

 それに正直、京子はこうでもならない限り、僕や怪物を生涯に渡って追い続けていたことだろう。

 なのに、どうして僕は唇が震えているのか? どうして心が締め付けられるかのように痛むのだろうか?

 当惑する僕の背後に、気配を感じた。

 振り返ると、そこには見慣れた少女の姿があった。

「……少しだけ一人にしてくれないか?」

 つい数分前、ルイに言った言葉を繰り返す。外の空気を吸うつもりが、何故だか知らず知らずのうちに実験棟の地下まで足をのばしていた。

 外には京子や牡の怪物の死体があるからだろうか? 自分の事なのに、自分が分からない。

「レイがうごいたから……(ワタシ)もきた」

 囁くような声で、少女の怪物はそう言った。そうかい。僕の意見は無視。もしくは、却下と。

 僕がひきつった顔のまま肩を竦めていると、怪物はトテトテと、こちらに近づいて来て、僕を正面から抱き締めた。

「おい、急に何をする」

 僕が抗議の声をあげると、怪物はきょとんとした顔で首を傾げる。

「レイ、さむいんでしょう?」

「……は?」

 突然の質問に、思わず聞き返す。

「まえも、こんなことあったから……レイ、ふるえながらないてた。だからあたためたの」

 僕の脳裏にいつかの光景がフラッシュバックする。僕が怪物に歩み寄った夜。色々な感情が押し寄せて、彼女の胸で子どもみたいに泣きじゃくった。あれはやはり、こいつなりの気遣いだったらしい。

「あのときは……まだ(ワタシ)のこえが、とどかなかったから。いまは……ちがう。おはなしできる」

 だから、はなしかけて。と、宣いながら、怪物は微笑んだ。お話か……。何だろう? 確かに言葉は話せるようになった。なったんだけど、妙に意思疏通が完璧に出来ていない感じが否めない。

「複雑、なんだ。京子は僕にとって恩人の一人で、一時期は恋人で。本性に気づいてからは、とにかく怖くて……」

 それでも。ぽつりぽつりと、僕は語る。今は話していないと、なんだか挫けてしまいそうだった。恋人、という単語で、怪物の顔が一瞬だけ無表情になった気がする。……気のせいだろうか?

「……あのひと。レイにいじわるばかりする……だから、きらい」

 何処と無く不機嫌そうな口調で、怪物はプイとそっぽを向く。素直な奴だ。そう思うと同時に、僕は胸に燻っていた想いを、改めて自覚した。

「……そうか。僕は、ホッとしているのか」

 心は痛んでいる。それは確かだ。だが、それと共に、もう襲われなくて済むと、どこかで安堵してしまっている自分がいた。

 知り合いが死ぬのは嫌だ何て言っていたくせに、兄さんの死でトラウマを負った僕が、よりにもよって誰かの死を喜ぶなんて。

 見ないようにしていた自分のエゴイズムに、僕は思わず自己嫌悪する。


「その感情は間違ってはいませんよ。寧ろ、当然の反応です」


 不意に届いた入口からの声に、僕は身体を跳ね上げた。

 聞き覚えのある、鈴を鳴らしたかのような声。乱れかけた呼吸。唐沢汐里がそこにいた。

「な……!」

 予想もしていなかった人物の登場に、僕は咄嗟に怪物から離れ、身構える。すると汐里は、まるで滑稽なものを見たかのような顔で、そっと僕を手で制した。

「そんなに固くならないでくださいな。今は、貴方達をどうこうするつもりはありませんよ。拳銃を没収され、能力も最低限までしか戻ってきていませんしね。何より……」

 汐里はそこで言葉を切って、僕の背後を見る。汐里の視線の先には、無言で鉤爪を構えた怪物がいた。

「その子に、敵として認識されてしまいますからね」

 おどけるように肩を竦めながら、汐里は踵を返す。

「私はただ、レイ君を呼びに来ただけですよ。感傷に浸るのもいいですが、少しは自分の事にも目を向けたらどうです? 知りたいことがあるんでしょう?」

 毒を含んだ汐里の笑みが、僕へ向けられる。そうだ。僕はまだ、肝心の事を聞いていない。僕の傍にいた、もう一人の怪物。明星ルイの事を。

「これからルイが話すことは、少なからず貴方に衝撃を与える筈です。生きる事に絶望したなら、私に告げてくださいな。貴方がその子を始末した後でしたら、喜んで介錯を承りましょう」

「……一応、覚えてはおくよ」

 汐里の言葉に曖昧に頷きながら、僕は「もうしばらくしたら行くよ」とだけ告げ、机に捨て置かれていたレポートを手に取る。すると、汐里は無表情のまま、怪物と僕を見比べた。

「ところで、その子の事はルイに話したのですか?」

「話す?」

 僕は首を傾げ、分からない風を装う。レポートの字を追いながら、関係ありそうな事を探すが、見つからない。そんな僕を見た汐里は、含み笑いを浮かべながら、肩を小さく震わせた。

「まぁ、ルイも色々な事を秘密にしていましたし。貴方が秘密を持つのも面白いかもしれませんね」

 汐里の目は、喜悦で妖しげな輝きを放っていた。聞かれた。気づいている。僕はそう直感した。

「どういうこと?」

「……正直驚いています。こんなに早くアモル・アラーネオーススの言語能力が発達するなんて、有り得ませんからね」

 惚けているとも取れる僕の返答を、汐里は質問だと解釈したらしい。出ていこうとした足を止め、腕組みしながら話し始めた。

「まぁ、有り得ないと言い切れる程、事例を見てきた訳ではありません。相手は常識を越えた生物ですしね。ですが、いくつか思い当たる事は有ります。最も、私は確証を得るまでは話さない主義ですので、語るつもりはありませんがね」

 悪戯っぽく笑いながら、汐里は唇に指を当てる。静かに。内緒のジェスチャー。これは、聞き出すのは無理そうだ。

 僕は早々に見切りをつけ、再びレポートに目を通す。

「そういえば、怪我? 大丈夫なの?」

「……お陰さまで。随分と屈辱的な方法で蘇生されましたが、こうして歩けるくらいには回復しましたよ」

「屈辱的な方法?」

 怪我で済むレベルではなかった事には目を瞑り、僕は質問する。すると、汐里はイライラしたかのように溜め息をついた。

「貴方もその子にしたでしょう? ルイは繭を所有していた。それだけです。口移しじゃなかっただけマシですが、男の指を口に含むなんて……」

 ギリギリと歯を鳴らしながら汐里は唸る。そうか、血染めの繭。ルイが何個か拝借していたあれで回復したのか。

 納得して頷く僕。汐里はそれを忌々しげに睨むと、「さっさと、来てくださいね」とだけ言い残し、地下室を出ていってしまった。

 残された僕は、今は読むことに没頭する。ワープロで打たれた、狂気の文に、ひたすら目を走らせた。


 京子の死に戸惑いながらも、ここに来てしまったのは、僕の中にある疑惑があったからなのかもしれない。ここに来れば、確証を得る事が出来る。そう直感したのだろう。

 幾多の出来事で、ごちゃごちゃになった僕がすがれるのは、揺るぎない真実。それを解き明かす事だけだった。そうしないと、僕はいつまでも曖昧なまま、自分自身の体とも向き合えない。そんな気がしてならなかったのだ。

 疑惑を晴らす為の真実の欠片。幸いにして、楠木教授のレポートにはそれがあった。


 欲求対象者、以下四名。

 A.明星琉生

 B.立花(たちばな)慎也(しんや)

 C.高月(こうづき)純平(じゅんぺい)

 D.黒土(くろつち)玲音(れお)


 肉体共有者、以下四名。

 A.霜崎(しもざき)有紗(ありさ)

 B.畑山(はたけやま)李奈(りな)

 C.城塚(しろつか)由紀(ゆき)

 D.竜宮(りゅうぐう)沙耶香(さやか)


「やっぱり。おかしい」

 研究の被験者リスト。そこには予想していた通り、あるべき名前がない。これらの名で男は……ないと思う。


 実験者、以下五名。

 楠木正剛

 唐沢汐里

 桐原(きりはら)康介(こうすけ)

 八坂(やさか)太郎(たろう)

 円城(えんじょう)彰吾(しょうご)


 続けて目を向けた項目を見て、僕は唾を飲み込む。これだ。僕の仮説が正しければ、きっと、この中の誰かに違いない。後は、ルイを問い詰めるだけ。それで、色々と見えて来るだろう。

 僕は、レポートを元の位置に戻すと、大きく深呼吸する。

「レイ……?」

 きょとんと首を傾げる怪物。これから話すことは、こいつにも関係している。それをわかっているのだろうか?

「……君は。何なんだろうね? 〝誰〟なんだ?」

「私は、ワタシ。ワタシは……私。だよ? だれでもない……の。〝(ワタシ)達〟は」

 僕の質問に、そう言って微笑みを返し、怪物は僕に擦り寄った。漂う甘い香りにクラクラしながら、僕は何とか頭を回す。

 ルイの事も気になるが、問題はまだある。怪物を研究してきた汐里が、分からないこと。曰く、〝まだ話せる筈がない〟こいつが話している事だ。


『アモル・アラーネオーススの言語能力は、肉体共有者の確保から約一年。短ければ十ヶ月程で、ある程度発達する。肉体共有者の記憶等を参考に抽出するのだと、〝妻〟は言っていた。原理は上手く説明出来ないが、おいそれと出来る芸当とは思えない。地球外生命体ならではといった所だろうか。因みに、彼女の人格は妻の影響を受けてはいるものの、大元はアモル・アラーネオーススである彼女のものであるらしい』


 教授のレポートに書かれていた一文だ。アモル・アラーネオースス。すなわち怪物は、補食した人物そのものになる訳ではない。ただ、その人物の影響を受けた存在になるという事だ。つまり、有する人格は一つの筈だ。

 だが、こいつ。僕の前にいる少女の怪物は、自分の事を稀に『私達』と呼ぶ。これはどういう事なのだろうか? 米原侑子と、怪物の精神が混ざっている? それとも、二重人格というやつか?

「……頭割れそう」

「われちゃうの?」

 何故か悲しげな怪物の面持ちに、何だか苦笑いが漏れる。これは認識のズレというのか。なんというか……。ともかく。結論を出すのはまだ早い。ルイの話を聞いて。それから考えたほうがいいのかもしれない。

 方針を決定し、僕は入口に向けて歩き出す。その途中で、かねてよりの疑問を口にしてみた。

「そういえば、君、どうして他の人の前ではしゃべらないんだ?」

 つい最近までは無理だったらしい事は分かっている。だが、今なら話せる筈なのに、どうしてなのか。それは、純粋な興味だった。

(ワタシ)は、レイと……おはなししたいだけ。(ワタシ)のこえは、あなただけの……もの、だから」

 意外と恥ずかしい理由だったらしい。僕が何とも言えない気分になっていると、怪物は何もない所を見つめながら、どこか陰のあるような表情を見せた。

「それに……」

「それに?」

 言い澱む怪物。他に何か理由があるのだろうか?

 僕があれこれ予想をしているうちに、怪物はゆっくりと口を開く。意外な一言と共に。

「あの、しろいひと。こわい」

 (ワタシ)じゃ勝てない。そんな気がするの。と、怪物は付け足した。


 ※


「やぁ、お帰り。気持ちの整理はついたかい?」

 戻ってきた僕を、ルイはにこやかに出迎える。僕は「まあね」と軽く返してから、さっきの椅子に腰かける。怪物も、同じように僕の膝へ。そうして、数分前と似たような席が出来上がった。

 さっきと違うのは、僕と大輔叔父さんの前。ルイの隣に、汐里の姿があることだった。


「さて、何から話そうか……」

「ルイの過去。怪物(こいつ)との関係。ルイの目的……いっぱいあるけど、先ずは聞いてもいいかな?」

「勿論だ」

 頷くルイ。澄まし顔の汐里。二人を見比べながら、僕は言う。


「あの怪物は……何なんだ? 汐里のペンダントから出てきたアイツだよ」


 僕の質問に、ルイはそうきたか。と、言わんばかりの顔になる。

「教授のレポート……読んだんだ。一応聞きたいんだけど、汐里は原種の怪物ではなくて、欲求対象者ってことでいいんだよね?」

「ええ、その通りです。私は元々はれっきとした人間ですよ」

 不快げな表情で呟く汐里。彼女にとっては、よっぽど思い出したくない記憶なのだろう。

「でも、汐里はあのレポートでは、実験者。観察する側だったんだ。にも拘らず、欲求対象者となった。あのレポートに書かれていた肉体共有者……つまりは、原種の怪物が、全て牝である筈なのに」

 レポートの情報が正しいならば、アモル・アラーネオーススは、自分と同性の肉体共有者を選ぶ筈。つまり、あの実験の時には、汐里が捕らえていた怪物は、存在していないという事になる。

「教授と、最初の怪物との間に生まれた子どもは四体だった。全てが牝だ。そして、ここからが推測だけど、その後に、怪物(こいつ)や、汐里が捕らえていた、もう一匹の怪物が誕生した……」

 頭の中で整理した結論を、少しずつ出していく。ルイや汐里、レポートから得た情報を元に、僕は謎の核へと手を伸ばす。

 ルイは、アルカイックスマイルを浮かべたまま、僕の推理を静聴している。汐里は、さっきの般若顔がなりを潜め、今は何だか微笑んでいた。

「そうだね。正解だ。その子も、もう一匹の地球外生命体も、彼処の地下室で生まれたんだ。そして――」

「ああ、ルイ。ダメですよ。折角なので、レイ君にそのまま話してもらいましょう。レイ君、続けて。貴方のたどり着いた真実を聞きたいです。間違っていたらその都度補足しますよ」

 ルイの言葉を遮り、興奮気味にヒューヒューと、独特の呼吸を漏らす汐里。どうも、ルイの隠してきた秘密が暴かれるのが、楽しくてたまらない様子だ。

「悪趣味だなぁ……」と、ぼやくルイを置いて、僕は話を続ける事にした。


 ルイは言っていた。あの地下室は、彼女――。僕の膝に座る、怪物が生まれた場所だと。悲劇が起きて、教授が幼い五匹の地球外生命体を連れて逃亡した。とも。

「悲劇は……恐らく汐里が欲求対象者となってしまったことなんじゃないかい? あのリストに載っていた、欲求対象者と、肉体共有者との間にも、子どもが出来た。その内の一匹が、不幸にも、生まれる確率が極端に低い、牡の怪物だった」

 僕はそこで一旦一呼吸いれる。

 ルイや汐里からの補足はない。今のところは正解らしい。

「教授の助手さんは、名前から察するに、汐里以外は男性だ。教授は多分、怪物が殆ど牝しか生まれないからそういった男女比だったんだと思うけど……」

 僕が、そう言うと、汐里は途端に高笑いを始めた。

 響く不気味な笑い声に、僕は思わず身体を硬直させる。

「フフフ……。レイ君。それは違います。甘過ぎますよ。そもそもそれなら、最初から女性を助手にしなければいい。教授はね。牡の怪物が生まれた時の為に、私を助手にしたのですから」

「え……?」

 思わぬ答えに、僕は目を見開く。

「隔離された状況の中での紅一点。教授は予想していたんだ。男性が牡の怪物に捕食された場合、それは高い確率で汐里を求める……と」

「つまるところ、教授にとっては、助手ですら実験体候補だったんですよ。牡の怪物が生まれた時の為に」

 ルイと汐里が、そう補足する。

 どうして……。

「どうして、教授はそこまでするのか。そう思っているね?」

 見透かしたように、ルイは笑う。どこか儚げで、悲しそうに見えるのは、僕の気のせいではないだろう。

「今となっては、教授の真意は確かめようがない。けど、何となくは分かるんだ。僕と教授は、少し似ているからね」

 ルイの発言に、汐里はゲーゲーと、吐くような仕草をする。

「全部話そう。悲劇の真相も。僕の目的も。何もかも」

 ルイの血色の双眸が、僕と怪物に向けられる。

「……ルイ。その前に、簡単な事実だけでも告げておいてはどうです?」

 汐里が悪意ある笑みで、ルイに提案する。なんだろう? 汐里がノリノリだ。さっきまで死にかけていたとは思えない。

 対照的に、ルイは何だか緊張しているように見えた。珍しい光景だ。

「そう……だね」

 ルイは深呼吸し、真剣な表情になる。いつものアルカイックスマイルは、そこにはなかった。

「レイ君。僕は、一貫してある目的の元に行動していた。馬鹿馬鹿しくて、君は笑うかもしれないけど、僕は……」

 あったのは、慈しむような笑み。見たことのないルイの顔だった。


「その子の幸せを願い、その為に動いていた。その子は――僕の娘だからね」

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