人物解説:エリザ&強襲部隊編
①エリザ
性別:♀
年齢:?
好き:お酒・チーズ
趣味:カクテルを作ること・悪巧み
種族:不死鳥の怪物
備考:見た目はワインレッドのチュニックワンピースを身にまとった美女。腰よりも長いブロンドヘア(一房だけ三つ編みにしている)とアクアブルーの瞳をもつ。自身も容姿が整っていることを自覚しているのか、レイ曰く仕草の一つ一つが老若男女を虜に出来そうとのこと。
最強の怪物と呼ばれるエリザ自身は自分を梟と名乗るが、それは数多ある一面にすぎない。その真の正体は、〝不死鳥の怪物〟である。
繁殖を行わない個体(真似事は出来るらしい)で、死後は意識無き霊体となり、人間の女性の子宮へランダムに憑依する形で転生を繰り返す。これにより不死性を獲得した、特異かつ絶対的な存在。
宿主に選ばれた女性は処女懐妊もかくやに怪物を身籠り、そのまま母体を喰らい尽くされる形で死亡する。その際に生まれてくる怪物は、母体より数年成長した姿をとるらしい(エリザ談)
記憶は一、二代前までしか引き継げないらしく、自分が今何代目なのかはわからない様子。また、鳥の種類は宿主によって変わる。
最強の由縁は有する能力にあり、それ故に生まれながらにして生物の頂点に君臨する彼女は、自身の生にすら飽き飽きとしていた。……とある不思議な男女に出逢うまでは。
能力が効かない。かつエリザ自身も知らない世界を知る友達以上恋人未満な二人との交流は、彼女に新たな発見を探す面白さと、一つの孤独感。そして本気で恋をする憧れを芽生えさせた。「私も、つがいが欲しい。この二人みたいに、寄り添うだけで幸せになれるような……。それでいて、自分と並び立てる程に強い人が」(この願望は後にレイによって「お前理想高すぎだろ」と、扱き下ろされるのはまた別の話)
そんな望みを抱いた矢先、彼女はとある怪物の存在を知る。もしかしたら彼女と並び立てるかもしれない。そんな若き怪物の青年を……。
能力:精神操作。心ある存在ならば、どんな相手だろうと操る事が可能であり、幻覚を見せたり対象の精神解体もお手のもの。最大補足人数は1081人。視界に入っている方が操りやすいが、予めある程度の行動パターンや生活様式をプログラムさせることで遠隔操作も可能である。レイ達アモル・アラーネオーススが有する支配の力の完全な上位互換であり、ノーアクションで発動できるのが最大の強み。これは五感に働きかける力なので、言葉にする。指を鳴らす。エリザと触れ合う。匂いを感じる等といった要因を絡めることで、より強く浸透する。
読心。文字通り、心を読み取る。レイの超直感と似て非なるもの。オンオフが切り替えられる他、読み取る人数を絞ることすら可能であるため、彼女の前で隠し事は意味をなさず、奇襲もほぼ不可能である。本気を出せばかなりの広範囲を索敵出来るが、その分入ってくる思念も多くなるため、長時間使いすぎるとかなり疲れるらしい。
精神潜入:対象の精神世界にお邪魔する。完全に一対一にしか行えない。かつ燃費も悪く、更に使うとその間は本体も無防備になるという最悪の使い勝手であるため、普段はあまり使わない。が、レイや怪物、汐里のようなキメラ個体の不安定な精神に介入できる唯一の能力である。
裏話:本編完結後に現れた、絶対に報われないヒロイン。本当はもう少し早く絡ませたかった人。そもそも当初の予定では蜂とぶつかる。拮抗しつつもレイ&エディがなんとか退け、睨み合い。そこにエリザが乱入して蜂を壊滅させつつレイを誘拐。狂った怪物ちゃんがリリカをモグモグ&隷属。エリザを追う道中で様々な怪物と出会い(遭遇)、交流(紛争)を経て成長(捕食)し、島根から秩父まで進撃するハートフルな物語になる筈であり、囚われのヒロイン(レイ)は本拠地でエリザと死闘を繰り広げ。そこに松井さんがやらかして復活してしまった京子まで乱入し、とうとう精神崩壊を起こしたレイが秩父山中でキャンプ客をも巻き込んでパニックホラーする。という構想だった。
強襲部隊:古くからいる、怪物の存在を認知し、密かに研究を続けてきた謎の組織が有する調査部隊。目的は地球外生命体の研究と利用とされているが、組織自体が一枚岩ではなく、謎も多いため、エリザですら全ての事情を把握しきれていない(当人がそこまで解明に意欲を見せなかったという点もあるが)。
基本的に精鋭と呼ばれる人間と怪物のコンビ数組。その下に一般兵と呼ばれる死刑囚あるいは長期服役中の犯罪者達が抱えられており、鉄砲玉や、主に怪物らの餌として利用されている。
かつては十三の隊に別れており、それぞれに名前があったが、その殆どが怪物との抗争や仲間割れで壊滅あるいは合併しており、現存するのは〝鬼〟〝河童〟〝天狗〟〝狐〟の四つである
また、所属する大半の怪物は何らかの人質を取られており、近年ではカイナ以外は京子の菌糸を埋め込まれてしまったため、組織から逃げられない状態になっている。
②松井英明
性別:♂
年齢:32歳
好き:マシュマロ・下克上や成り上がり
趣味:謎解き
種族:人間→茸の怪物
備考:元は警察の鑑識だったが、体のいい情報源として汐里に拐かされて以来、怪物への興味や好奇心が爆発し。正気を失っていく。京子の死体を掘り出し、また、アモル・アラーネオーススの情報も手土産に組織に迎え入れられ、末端の研究者として暗躍していたが、ある日その野心を気に入られ(玩具として)、エリザによって強襲部隊のうち幾つかある隊の顧問に祭り上げられた。
③黒タール
性別:?
年齢:?
好き:消化
趣味:スライムごっこ
種族:ショゴスと呼ばれるナニか。
備考:黒いタール状の名も無き軟体生物。正体自体は謎に包まれており、しかも発見当初はオリーブオイルが効かなかったという記録が残っており、厳密には怪物とは違う存在とされているブラックボックス(後にエリザが知った幽霊や怪奇の類い)。以下はエリザが彼ないし彼女の記憶から読み取ったもの。
とある田舎町にて少年の興味本位な儀式で召喚され、そのまま少年に憑依。もしくは寄生する。以降は近辺の幼児を襲って回るが、現場とショゴス(仮称)を目撃し、精神崩壊を起こした教員により憑依先が殺害され、著しく弱体化。さらに本体が憑依先もろとも教員によって地中に隠された上に、ようやく地上に出ようとした所で概念的な封印まで施されてしまい、そのまま片田舎にある旧校舎の地下にて眠り続けていた。
その後、少しの偶然をきっかけに外へ逃げ出した彼は、長い年月とかけて不本意ながら繋がっていた宿主の恨みを解消。自由の身になるが……。後に強襲部隊と接触。甚大な被害を与えながらも、エリザの精神操作によって自身を怪物だと錯覚させられ、強襲部隊に捕獲された。
以降は暗示をかけられたまま、制圧用の兵器としてモノ同然に扱われていたが、相性としては最悪なリリカと怪物の両名に完膚なきまでに叩きのめされ、最期は怪物に捕食され、取り込まれた。
裏話:拙作、『渡リ烏のオカルト日誌』にて登場した怪奇。
④宗像明美
性別:♀
年齢:3歳(怪物として)
好き:焼き肉
趣味:料理
種族:人間→羆の怪物(原種)
備考:見た目はグラマラスな女子大生。元々はとある老舗焼肉屋の娘だったが、不幸にも人里に降りてきた羆の怪物に襲われ、元の人格は既に崩壊している。現在の彼女は喰らった羆の怪物が読み取った記憶の一部を再現しているに過ぎない。
羆故に臆病で、狩りには慎重で、竜崎沙耶と桜塚龍馬の両名に捕獲されるまでに数名が彼女の犠牲となり、焼き人肉にされている。
能力:獣型の怪物は搦め手を持たぬ分、並外れたタフネスを有する。また、回復力も非常に高いので、多少の毒やオリーブオイルを打ち込まれても食糧さえあれば継続して動く事が可能である。
裏話:拙作、『渡リ烏のオカルト日誌』にて登場したキャラクター。
⑤磯貝茂
性別:♂
年齢:享年25歳
好き:ハッシュドパンプキン
趣味:麻雀
種族:人間
備考:強襲部隊所属の男性調査戦闘員。実戦経験は今回で三回目。基本的に宗像明美と組むことが多かったが、当の彼女と共に捕虜となり、後に彼女が回復する為に喰い殺された。
⑥ジョン・杉山
性別:♂
年齢:享年23歳
好き:サクランボ。タバコ
趣味:サバイバルゲーム
種族:人間→植物の怪物
備考:数年前から強襲部隊に囚われている古株の怪物。愛する恋人を植物の怪物に奪われ、そのままなし崩してきに彼もまた怪物にされる。植物の怪物は本来自我を保てる可能性は非常に低いのだが、彼は尋常ではない怒りによりそれを覆し、長い時間をかけて自分を取り戻す。気がつけば、彼の周りには変わり果てた姿となった家族や友人。恋人の両親の姿が。植物人間の庭と化した恋人の自宅にて、彼の長い長い戦いは始まった。
能力:ありとあらゆる植物を自身の身体や周囲に群生させる事が出来る。主に好んで使うのは食虫植物の類いだが、状況に応じてサボテンやバラなどを生やすことも。切り札は全身を周囲の景色に溶け込ませ、全く気配を感じさせずに戦闘を進める、ギリースーツ形態。
また、植物故に回復速度は他の怪物より一歩劣るものの、総合的な粘り強さは群を抜いており、かなりの重症を負っても時間をかけて自己回復出来る他、食事も非常に少ない量で賄える。
⑦如月梓
性別:♀
年齢:享年20歳
好き:本屋さんの匂い ウィンナーコーヒー
趣味:読書(官能小説)
種族:人間→カミキリムシの怪物
備考:強襲部隊に所属する女性の怪物。空中からの奇襲を得意とするが、室内でその特性は活かしきれず、エディに瞬殺された。
⑧遠藤・アントニオ・虎治
性別:♂
年齢:享年22歳
好き:プルコギ
趣味:キャンプ
種族:人間→アリクイの怪物
備考:ブラジル人と日本人のハーフ。佐渡島出身。島に流れ着いた難破船に興味本位で近づいたのが全ての始まりだった。謎めいた獣は島民の間で噂になり、そのまま情報が強襲部隊に流れ着き、捕獲される事に。その際自分をねじ伏せた竜崎沙耶に一目惚れ。以降は敬愛する彼女の傍にい続けるため、強襲部隊で戦い続けていた。
能力:獣の怪物特有のパワーとタフネスが持ち味。アリクイなので牙の類いは持たないが、非常に硬い爪をもつ。
⑨鞍馬美優
性別:♀
年齢:享年19歳
好き:アイスクリーム
趣味:バドミントン
種族:人間→スカラベの怪物
備考:家族旅行中に不幸にも怪物に襲われた女子大生。ポニーテールが特徴で、見た目が童顔な為に年下に見られがち。同僚の中では珍しい、捕獲というよりは家族から預けられる形で強襲部隊に仲間入りした。
虎治を兄のように慕う。
能力:スカラベの怪物。搦め手は持たないが、虫の怪物特有な硬い外殻をもち、もっぱら盾役として活躍していた。動きは遅め。
⑩竜崎沙耶
性別:♀
年齢:24歳
好き:カフェモカ
趣味:格闘技全般
種族:人間
備考:肩ほどまでの艶やかな黒髪が特徴の女性。強襲部隊。〝鬼〟の隊長を勤め、本人もまた、鬼神のような強さを誇り、生身と対怪物用の武装で沈めてきた怪物は数知れぬ、歴戦の猛者。
怪物に関しては燃えるゴミと認識しているらしく、敵味方どちらが倒れようとも眉一つ動かさず、淡々と任務遂行を優先するため、部下達からすら恐れられている。生粋の戦闘狂であり、異を狩るこの仕事を気に入っているらしく、日々血に飢えた猟犬のごとく獲物を求めているが、その理由は誰にも明かしていない。
実家はとある古武術道場の本家であり、彼女は長女だが、家からは勘当も同然の扱いを受けているとか。
能力:ありとあらゆる格闘技が身体に染み付いており、それらを自身が幼い頃より学んできた古武道と組み合わせて戦う。生身の人間でありながら怪物と対等に渡り合うことが出来るが、その中でも足技を得意とするようだ。
裏話:拙作、『彼氏が変態過ぎて困ってる』および『渡リ烏のオカルト日誌』に登場する竜崎綾とは従姉妹の関係にあるが、面識が少しだけある程度らしい。
そもそも竜崎家、古武術道場の設定は綾に名字がついた辺りからあり、沙耶はそこから生まれたキャラクターである。
その時に竜崎家は人外を古くから屠ってきた一族であり、竜をも裂くと吟われていた。故に技の名を『竜裂流』転じて竜崎…………なんてのが少しだけ生まれかけましたが、結局ボツになったという昔話。
⑪桜塚龍馬
性別:♂
年齢:27歳
好き:柏餅
趣味:将棋・チェス
種族:人間
備考:スラリと背が高い、サングラスをかけた男。対策課に配属された新人という人物だったが、本来の所属は強襲部隊。二足わらじをはいていたのは、名目上は地球外生命体に関わる機会を増やし、強襲部隊が介入しやすくするための任務だったようだ。
怪物の根絶に執着しており、その為ならば手段を選ばない性格。恨んでいる怪物すら利用し、同僚として共に過ごしながらも、最後には必ず殺すと腹の底では考えるほど、彼の中に燃える怪物への復讐心は根強い。実はそれ以上に強烈な感情が彼の中には燻っているのだが、それについては気づいていない。
能力:作中では明かされていないが、身体能力に優れており、竜崎沙耶には劣るものの、多くの怪物を屠っている。
⑫カイナ
性別:♀
年齢:16歳(怪物として)
好き:目玉焼き
趣味:巻き付いてお出かけ
種族:蛇の怪物(原種)
備考:甘ったるい声に赤毛のシニョンが特徴的な、見た目は高校生位に見える少女。
その正体はとある山村にて、神(実際には怪物)と崇められる蛇の一族。彼女はその中の一匹だった。小さな蛇だった彼女は身体が小さく、弱いという理由で、生まれて間もないというのに、一族では鼻つまみものだった。
どうやって生きるかも、自分の正体すらわからないままに巣を追い出され、あわや野垂れ死にするかという所で、彼女は一人の少年……龍馬に出会う。紆余曲折あって彼のペットとなった彼女は、少年に淡い想いを抱きながらも、幸せな日々を過ごしていた。
村に古くから渦巻く忌まわしき歴史に、二人とも気づかぬままに……。
月日は流れていく。少年は成長し、青年となる。カイナは相変わらず、龍馬の腕に巻き付いていた。二人は友であり、兄妹であり、相棒だった。けれどカイナが一番焦がれた恋人にだけは、なることが叶わぬまま……二十二歳を迎えた龍馬は結婚が決まり。カイナはそれを祝福した。
「一緒に暮らそう」と龍馬は言う。愛妻家でもあり、愛蛇家。彼の中でカイナはもう家族も同然だった。
「奥様が許してくれるなら、喜んで」カイナはほんの少しの嫉妬を巻き付きに込めながら、そう答えた。彼女の存在は、龍馬の妻となる女性も知っており、関係も良好であった。
だから……このままならば何の問題なく。二人と一匹の生活がスタートする筈だったのだ。
――彼らが生まれたのが、この狂った村でさえなかったら。
結婚の前日。
村役場に呼ばれたご主人様の帰りを部屋で待っていたカイナの元に、龍馬の妻が現れた。全身をガタガタと震えさせながら彼女はカイナにこう言ったのだ。
「助けて……カイナ……! 〝アイツら〟に殺される……!」
嵐のが吹き荒れる夜のこと。カイナはその日、人間の身体を手に入れた。
ずっと願い続けていた筈の望みだった。人の身体で、いつか龍馬と歩いてみたい。恋人や夫婦でなくていい。それは彼の妻の役目だ。カイナは彼女も大好きだったから。
ただ隣にいられたら……それだけでよかったのに。
全てが終わった時、暗い座敷牢の中で。裸のカイナは龍馬に組み敷かれていた。二人の身体は血まみれで、周囲には彼の妻だったモノの肉片が打ち捨てられていた。
私はきっと、この人に殺される。それをカイナはわかっていた。たとえ龍馬の妻がそれを望んだのだとしても。カイナが彼の妻を殺した事には変わりないのだから。
二人の涙が血に変わる。普通の涙などもう枯れ果てていた。赤く染まる視界の中で、カイナは喉を絞め上げられながら、龍馬の慟哭を聞く。それはカイナの生き方が決まった瞬間だった。
「何もかも全部……ぶっ壊れてしまえ……!」
彼は怪物の根絶を願った。だからカイナは傍に寄り添い、彼の為だけに戦い続ける。最後の最期。彼が復讐を完遂した時に、殺される為だけに。
そうすれば、きっと彼が彼自身を許してあげられるから。世界や怪物が大嫌いで構わない。私を見てくれなくていい。ただ……龍馬がもう一度、真の意味で安らげる時が来ることを、カイナは何よりも望んでいる。
能力:蛇の怪物らしく、巻き付き、噛みつき、赤外線探知等、蛇が取りうる戦略の殆どが使用できる。また、半人半蛇の形態も取ることが可能で、その姿はさながらギリシャ神話のラミアを連想させる。
裏話:ぶっちゃけ、やさぐれる前の龍馬と愛蛇カイナの過去エピソード凄く書きたい




