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名前のない怪物  作者: 黒木京也
続章ノ四 愛憎の最終紛争
211/221

人物解説:蜘蛛陣営編

3月6日『名前のない怪物 蜘蛛と少女と猟奇殺人』発売記念。

箸休めにどうぞ。

後に蜂編。強襲部隊編に続く予定。

当然ながらとんでもない量のネタバレがあるため、注意。


遠坂(とおさか)黎真(れいしん)

性別:男

年齢:人間としては享年19歳。

好き:コーヒー(飲むのも淹れるのも)、トースト。

趣味:喫茶店巡り

種族:人間→アモル・アラーネオースス。蜘蛛の怪物。後にエリザを取り込み、その怪物も身に宿した『喰らい者』・『キメラ個体』となる。


備考:本編の主人公。都内の大学へ通う学生だった。

格好は丈が膝裏まであろうかという、コートにも見える丈夫そうなカーキ色のフード付きジャケット。その下には、白いTシャツを着こみ、黒いジーンズを穿いている。

服は長く大事に着ていたお気に入りだったらしく、後述する能力で自作している今ですら、裾のボロボロ具合まで再現されてしまうほど。だが、そんなお陰で見かけの陰鬱さには拍車がかけられ、暗い目と元来の内向的な性格も手伝って、まるで幽霊のよう。と出会う者には評されている。


こんな性格になったのは、幼い頃に兄と共に通り魔の襲撃に遭い、自分だけ生き延びたこと。それによる両親との確執に起因している。以降は唯一親身に接してくれた叔父以外の誰にも心を開かぬまま成長していく事に。

心の奥底には愛されたいという願望は残っていたらしく、故郷を離れ、大学に置いて唯一の親友となった阿久津純也や、初めての恋人となった山城京子との交流を経て、少しずつ変わろうと努力をし始めた所で……運命は動き出す。


友の死。恋人の裏切り。怪物への歩み寄り。真実の探索……等、紆余曲折ありながらも、アモル・アラーネオーススと呼ばれる蜘蛛の人外となってしまった彼は、最終的に少女の怪物と共に生きていく事を選ぶ。

最初は盲目的ともいえる怪物の愛情表現に戸惑ってはいたものの。次第に自分の中にある心に素直になりはじめているようだ。

その後の蜂達や強襲部隊との激突、最強の怪物、エリザとの死闘を経て自分の身体に封印という形でエリザを取り込み、蜘蛛と梟のキメラ個体となる。

愛称はレイ。本名で呼ばれることは殆んどないが、大して気にしていない様子。



能力:アモル・アラーネオースス由来の力を駆使して戦う。また、付け焼き刃ながら格闘技を繰り出すこともあるが、完成度は微妙な模様。エリザを取り込んだ以降は彼女の精神操作も使用可能になる。


・蜘蛛糸の精製

網を張る。相手に絡み付かせる。出し入れによるワイヤーアクションもかくやの立体的移動。足場の作成。硬化させた上での高速射出。服を作る等、用途は様々。また服を作るから分かるように、実は着色が出来る。


・鉤爪

手を大抵の物質ならば容易に切り裂ける鉤爪に変える。接近戦だけではなく、それなりに丈夫なので相手の攻撃を受けるのにも使える。また、背中にも蜘蛛の脚を生やすことも可能。


・支配の力

対象に噛みつき(正確には口腔内にある針状の器官を相手に突き刺す)特殊な体液を送り込むことにより、対象の生物を意のままに操る能力。自動(オート)操作とマニュアル操作の二種類があり、前者は簡単な命令をプログラムすればある程度自律的に動く事ができ、反対に後者はより複雑な動きが出来る反面、能力を行使した本人ある程度近くにいる必要がある。また、自分自身にもかけることも可能。非常に応用が利き、かつどんな強者をも一瞬で無力化出来る、恐ろしい能力である。


・食料作り

読んで字のごとく、ご飯を作る。怪物は食を楽しめても、栄養をそこから取ることは出来ないため、回復手段にもなりうるこの能力は非常に重要である。

アモル・アラーネオーススのそれは、お団子状にした血の塊。通称血染めの繭。レイ曰く、食感は生暖かいシュークリームだとか。


・蜘蛛の使役

これまた読んで字のごとく。蜘蛛を使役し、情報収集や斥候に利用する。ただレイ曰く、この力は元が人間である自分には使いにくい上、燃費も悪いとのこと。


・超直感

レイ固有の能力。危機的察知能力。分かりやすくいえば、ゴキブリ以上の回避センス。危険が迫ればうなじがざわつき、集中すれば相手の行動すら先読み出来る。地味ながらレイにとって非常に重宝する能力。


・エリザの精神操作

彼女が有していた能力。他にも梟の翼や脚を再現できるが、まだ使い慣れていないようだ。


裏話:京子。あるいはエリザのものになる二つのバッドエンドルートが存在する。前者は殺人鬼の協力者としてストックホルム症候群的に京子に依存していく話。後者はエリザに日々凌辱され続けながら、彼女に挑み続け、徐々に壊れていくという話。つまりロクな目にあわない。




②怪物

性別:♀

年齢:一歳(怪物として)

好き:レイ

趣味:レイ

種族:蜘蛛の怪物。アモル・アラーネオースス(原種)。後にリリカ、斎藤、黒タールらを取り込み、『喰らい者』。正式名称『キメラ個体』へとなる。


備考:本編ヒロイン。漆黒のセーラー服と黒タイツに身を包んだ、美しい少女の怪物。腰ほどまで伸びた艶やかな黒髪と、白磁のような肌が特徴。

当初は言葉を話すどころか、身ぶり手振りすら行わず。ただ悪戯にレイに迫り、色々と倫理的にマズイ所業を繰り返していた。


その正体はとある大学教授が発見した、地球外生命体。アモル・アラーネオースス。自分の性別と同じ人間を一人だけ喰らい、その遺伝子情報をコピーすると同時に、その心が想っていた存在を伴侶として作り替えにいく。という、傍迷惑過ぎる本能を有した、蜘蛛の怪物である。


教授の手引きにより都内に通う女子高生を喰い殺し、彼女が秘かに想っていたレイの元へ舞い降りた。

本来原種は感情を持たない筈だが、彼女はどうも普通とは違うらしい。これを汐里は代を重ねるごとに進化しているのではないか。と推測している。


最終的にレイに受け入れてもらう形で夫婦になる。言語も習得。たどたどしいながらも、少しずつ学習しているようだ。

また、異様に嫉妬深く、レイが他の存在に構うだけで(男女とわず)不機嫌になる。例外は彼女の中で家族やレイの大切な人と認識している存在のみ。ルイと大輔がそれに当たる。汐里も最近ようやくそのカテゴリーに入りつつあるが、やはりまだ複雑なんだとか。

本編終了後、蜂との戦いに巻き込まれ、生まれて初めて感じた天敵への恐怖から一時的に連れ去られてしまう。女王たるリリカの凄惨な拷問により心が折れかかるが、そこで死んだ筈の京子(霊体)や自分の中に眠っていた宿主、米原侑子と対談。真の恐怖を自覚したが故に復活し、リリカを死闘の末に撃破。だが、意趣返しのつもりで行った捕食により、蜂の能力をも自身に取り込んでしまう。その結果故か、レイと共にあるために何よりも力を欲することになり、対峙する怪物達を次々と捕食し始める。全ては大切な存在と、二度と引き離されないように……。


能力:基本的にはレイと同じ、アモル・アラーネオーススが有する能力を使用する。それに加えて、取り込んだ怪物達の能力も使用できる。ただし、それら一つ一つはまだ練度が足りていない。また、本人の性格なのか恵まれた再生力に頼った捨て身の戦法を取ることが多い。


・蜘蛛糸精製

基本的にはレイと同じ。レイに絡み付けるのが大好き。


・鉤爪

基本的にはレイと同じ。レイに抱きついた時、これで背中を掻いてあげるのが好き。尚、やられてる彼はいつも震えている。


・支配の力

基本的にはレイと同じ。最近はレイの方が上手になり、全然操れないのがご不満の様子。


・蜘蛛の使役

基本的にはレイと同じだが、彼女はこれが一番得意な様子。数で圧殺したり、レイを見つけたりするのに重宝する。蜘蛛達にダンスを踊らせるのがマイブームらしい。


・食料作り

基本的にはレイと同じ。レイに口移しで食べさせて貰ったのが忘れられず、今も時々ねだるようだ。


・蜂の怪物の能力

リリカを捕食した事により得た。蜂の毒を自在に使いこなし、手槍や羽を生やすのもお手のもの。極めつけは毒液の噴射でウォーターカッターばりの威力を発揮し、レイやリリカらを驚愕させた。

だが、彼女が一番喜んだのは蜜を作れるようになったこと。殆どレイに美味しいものを食べさせてあげられる。的な認識らしい。ただ、赤ちゃんにあげるみたいに飲ませたいなどといった危なすぎる発言も飛び出しており、先行きが不安である(旦那談)


・蟷螂の怪物の能力

蟷螂の怪物。斎藤の死体を喰らうことで得た。現在判明しているのは、鎌による攻撃のみ。蜘蛛の鉤爪のように小回りは利かないが、破格の威力を有する。本人はレイが逃げそうな時にこれで捕まえたいらしい。


・黒タールの怪物の能力

黒いタールの怪物を喰らうことで得た。スライムのように自由な形を取れることを利用して、蜘蛛や蜂。蟷螂の兵隊を作り出す。

また、作中では披露していないがタール自体が消化能力を得ているため、鉤爪等に纏わせたり、触手のようにして使うことで、相手を喰らうことも可能。この結果、遠くからでもレイを食べられるようになる。本人は金魚鉢みたいにして、その中にレイを浮かべてみたいという微笑ましい願望を懐いていた。


裏話:バッドエンドルートはレイが真実を知る前に、京子に殺害される場合と、エリザにレイを奪われ、レイを生かすためだけの食料になる。の二つ。つまりロクな目にあわない。尚リリカに関してはレイと結ばれているならばどうあっても逆転できる。ヤンデレ、人外、黒髪ロング、黒セーラーに黒タイツ。吸血。作者の萌えをこれでもかと詰め込んだキャラクターである。Dカップ。



③山城京子


性別:♀

年齢:享年19歳

好き:イチゴのタルト。非日常。

趣味:芸術。ライトノベルを読むこと

種族:人間→蜘蛛の怪物=アモル・アラーネオースス→幽霊→茸の怪物=アルミラリア・ネックス


備考:レイの元恋人。明るく天真爛漫で、その笑顔は太陽のよう。社交的でもあり、小中高すべてから大学までも友達に不自由しなかったとか。中学生にすら間違えられかねない童顔と、茶髪のショートヘアー。スレンダーな体躯が特徴。


その正体は、レイの住む街で起きていた猟奇殺人事件……その犯人である。実際に実行していたのは藤堂修一郎だが、その彼を完全に懐柔していたことから、彼女が一連の事件において黒幕だったとしても過言ではない。非日常に憧れていた、いい子であれと望まれていた品行方正な女学生は、殺人者・藤堂修一郎との邂逅を経て、己の中に有していた残虐性に目覚めてしまう。結果、芸術への情熱はそのままに、殺人を通して様々な表現を開拓していく。その最中、自分の世界に取り込むことが出来なかった、自分以上に非日常な場所に立つレイと少女の怪物に執着していくようになる。


最初の対峙では怪物によって蜘蛛の群れに放り込まれるが、猛烈な憎悪と執念でこれを退け、生存。次は汐里と手を組み、再びレイの前に立ちはだかった。何度も何度もレイを恐怖のドン底に叩き落とすが、最終的に暴走した雄の怪物に喰い殺されて死亡した。

……と、思われたが、本来ならば食われて消える所を強靭な意志にて雄の怪物の内的世界で暴れ始める。これ幸いと雄の怪物の宿主になっていた桐原も抵抗し、ついには二人仲良く怪物の身体を乗っ取る事に成功する。そのまま好き放題に暴れまわるが、最終的にレイによって殺害され、そのまま埋葬された。死体は後に松井英明に回収される。実はこの時、戦場となった山の地中には茸の怪物が秘かに眠っており、彼女の身体は既にそれに犯されていた。これは英明に利用されることになるのだが、怪物の宿主に選ばれた彼女は知るよしもなく、ただ夢見る最中でひたすらにクローン体が作られていった……。

その後、どういうわけかオリジナルは幽霊になる。更なる非日常の一歩と本人は喜んだが、思いの外出来ることが少なく、暇潰しで分霊に挑戦してみたり、そのまま各地を放浪したり、松井英明の技術を盗み出したり、レイの背後霊やったりと、自由気ままに行動していた。

だが、英明が茸の怪物の性能テストをすると聞きつけ、出雲大社の神々もかくやに、島根へ霊体京子を終結。おあつらえ向きな核という良質なボディも手にいれて、ついに数段パワーアップした状態で完全復活を果たした。


能力:茸の怪物の力を駆使して戦う。世界最大の生物。その怪物だけあり、異様な程の再生力とタフネスを誇る。主な攻撃方法は宿主自ら肉弾戦を演じるか、菌糸を触手のように操り攻撃する。ただ、この菌糸自体は脆いので、正面から普通の怪物と渡り合うと力負けしてしまう。あまりにも規模が巨大すぎるため、核……つまりは京子のオリジナルが全体を統率している。尚、この核たる京子は一度殺害しても新たなバックアップに霊体が結び付き、復活してしまう。


・増殖

文字通り、自身のクローンを作り出す。京子の人格を簡略化した兵隊を作るため、その一体一体が残虐な殺人鬼である。

主に京子自らがポコポコ増えるか、対象に胞子を浴びせたり、菌糸を打ち込むことにより、その肉体を乗っとる場合の二パターンが存在する。


・胞子

茸の胞子を噴出する。基本的に京子の身体から微弱ながら放出され続けており、一定時間あるいは多量に身体に取り込んでしまうと、体内から茸に侵されていき、最終的に京子になるか、残虐な犯罪者へと変貌してしまう。

松井英明が開発し、考案したプロジェクト『Blood・Artist』通称B.Aはこの胞子の応用技術である。対象に打ち込んだ後に、核の命令により休眠させられており、強襲部隊に所属する怪物達にはカイナ以外は全員これが埋め込まれている。その為、彼らは部隊から逃げることが出来ない。

尚、京子の事は強襲部隊の面々には秘匿されており、単に理性が塗りつぶされた怪物の戦士を作る物質の研究成果。プロジェクト『Berserker・Armaments』つまりはB.Aと説明されていたらしい。


裏話:学名はラテン語で「殺人キノコ」彼女自身のイメージも綺麗な薔薇。あるいは派手なキノコである。作中のホラー要素は殆んど彼女が担っていると言っても過言ではない。

また、絵を描くときは普段のガーリーな服とは正反対な喪服を思わせる黒衣を着用する。本人曰く作業着。



④小野大輔

性別:♂

年齢:35歳

好き:鍋料理、コーヒー。

趣味:クロスワードパズル、筋トレ

種族:人間。パンツのおじさん(怪物談)


備考:レイの叔父。都内の警察署に勤める現役の刑事。どことなく狼を思わせる偉丈夫。幼い頃からレイが心を開いていた数少ない人物であり、本人もレイを気にかけ、可愛がっている。レイのコーヒーへの嗜好やニュースチェック等の習慣は彼からの影響でもある。

友人であり同僚でもある松井英明の失踪。そして猟奇殺人事件の結末から、レイに何か不穏な影を感じていた矢先――。当の友人、松井英明や逃亡中の山城京子、怪物を追っていた唐沢汐里の三人がかりで不意討ちを受け、否応なしに怪物案件に関わる事となる。

当初は汐里に操られてしまっていたが、ルイの活躍で正気に戻り、以降はレイの味方につく。

本編終了後は、部下である雪代弥生と共に警察内でも表向きは存在しない組織。地球外生命体対策課に所属することとなり、市民を秘かに脅かす非日常との暗闘に身を投じることとなる。


能力:鍛え上げられた肉体と経験。逮捕術を組み合わせた、我流の戦闘スタイルを取る。また、射撃の腕も優れており、通常の拳銃やショットガン。開拓者(パイオニア)というビックリ銃まで難なく使いこなす。これにより、生身の人間でありながら、異形達と互角以上に渡りあう事が出来る。


裏話:彼が活躍すると、やたらパンツという単語が乱れ飛ぶが、実はパンツ状態で戦闘をこなしたのは本編で一回。続章で一回のみである。陽動ややむにやまれぬ事情でパンツになっているので、本人は不本意。当然、戦闘力が上がるなんて事もない。ただ敵があまりの破天荒さに動揺しているだけである。




⑤阿久津純也

性別:♂

年齢:享年19歳

好き:スパゲッティナポリタン

趣味:スポーツ全般、ビリヤード

種族:人間。


備考:レイの友人。竹を割ったかのようなさっぱりとした性格と、スポーツマンと一目でわかる精悍な顔立ちをした青年。

レイの中にある寂しさや優しさをいち早く見抜きつつ、陰鬱ながらも心を偽らないレイを気に入り、ちょくちょくちょっかいを出したのに始まり。そこから予想以上に馬が合い、親友となる。

怪物にレイが捕らわれた頃、様子がおかしいことに気付いた彼は積極的に関わろうする。その最中でレイと共に猟奇殺人事件の現場を目撃。その後更に藤堂修一郎の作品を見てしまい、それが彼の破滅へ向かう運命を決定付けてしまった。

ほどなくして、彼は藤堂と京子の手により殺害されてしまう。

レイと同じく薬物で昏倒させられ、生きたまま全身の皮を剥がされるという責め苦の果てに。

彼の死はレイに深い傷を残すと共に、怪物に歩み寄ってみようというきっかけとなった。


裏話:当初は彼が京子と共に猟奇殺人事件を起こしていて、京子と共にレイを痛め付け、追い詰めるという設定だった。

流石にレイ君が人間不信になり、怪物に歩み寄るどころじゃなくなりそうになるので。また、レイが味わう裏切りと喪失が殆んど裏切りでまみれそうになるので、綺麗な純也で死亡した。


⑥藤堂修一郎

性別:♂

年齢:享年19歳

好き:カマンベールチーズ

趣味:芸術を考え、創造すること。

種族:人間


備考:猟奇殺人事件の実行犯。これ以外に語るものはなく、本人もそれは望まないだろう。ただひたすら、黒衣の女神、京子を崇拝する。


裏話:純也の裏話から分かる通り、彼は本来生まれる筈のないキャラクターだった。


明星(みょうじょう)琉生(ルイ)

性別:♂

年齢:享年23歳

好き:ハンバーグ

趣味:読書。ファミコンゲーム

種族:人間→アモル・アラーネオースス


備考:金色にも銀色にも見える髪と、血色の瞳、あり得ないほどに白い肌をもつ、アルビノの美青年。レイの前に現れ、謎めいた言動で彼を惑わせながらも、いずれ真実を話すと約束し、レイと怪物、ルイはわずかな間ながら同居生活を送ることとなる。

その正体は怪物と同じ、アモル・アラーネオースス(原種ではなく、人間から作り替えられた個体)であり、怪物の実父。

かつては誰にも心を開かぬ、天涯孤独な青年だったが、その背景が災いし、楠木教授の〝実験〟に巻き込まれる。

そこで運命の相手となるアリサに出会うが、蜘蛛の怪物の実験場において、その恋は悲恋に終わってしまう。残されたのは、緩やかに死へと向かう身体と、奪われたアリサの忘れ形見。ルイは残された生の中、全力で娘達を守ることを誓った。全ては最愛の妻。アリサが確かにいた証を残す。そんな僅かな可能性に食らいつく為に……。

レイのそばにいたのは、娘を受け入れてくれるかどうか見極めるため。拒絶した場合はやむ無し。だが、受け入れてくれるならば、全力で支援する為に動いていた。

最終的に汐里や桐原、京子の手から娘と義理の息子を守りきり、彼は静かに眠りにつく……筈だったのだが、京子や桐原の例を見て、僅かな希望とヤンデレを拗らせた汐里が、彼を生きたまま捕食。汐里の体内に取り込まれてしまう。

本編終了後は汐里の中からレイ達を見守り、必要あらば介入していた。だが、エリザが介入したことでルイの力が強まり、汐里の身体から離れなければならなくなる。宿り木同然だった彼の末路は静かに枯れていくこと。故に彼は最期までブレることなく、その命を娘の為に捧げるのであった。


能力:基本的にはレイと同じく、アモル・アラーネオーススの力を駆使して戦う。また、ボクシングも嗜んでおり、接近戦では無類の強さを誇る。


・蜘蛛の毒

ルイ固有の能力。文字通り、強力な毒を駆使する他、本人も毒に対する耐性や、抗体の出来やすい体質。この特性は怪物やそれに作り替えられたレイにも多少ながら遺伝しており、蜂達との戦いで大きな助けとなった。


裏話:本来ならば本編ではギリギリ生き延びる予定で、死亡は続章まで持ち越される予定だった。汐里とレイが仲良く(?)訓練する様に嫉妬する怪物をなだめつつ、残された時間を幸せに……そんな未来があり得たかもしれない。



⑦唐沢汐里

性別:♀

年齢:享年23

好き:紅茶、サンドイッチ

趣味:研究、口喧嘩、動物番組を見ること

種族:人間→アモル・アラーネオーススとカオナシのキメラ個体。


備考:頻繁に髪型や髪色を変えて遊ぶので、容姿は一定しないが、虚ろな目に隈。興奮すると喘息のように呼吸を荒げる癖がある。、白衣姿の女性。レイ曰く、首から下だけなら理科の先生。レイの前に突然現れ、怪物を殺せと要求してきた謎の女性。

正体は怪物と同じアモル・アラーネオースス。半ば事故のような形で桐原(原種)によって怪物化した為、これ以上自分のような犠牲者を出すわけにはいかないと、怪物の抹消を掲げていた。が、実際それは建前であり、全てはルイの愛を一身に受ける、アリサや娘蜘蛛達が気にくわなかったが為。幸せになって欲しいと思う反面で、どうしても憎らしく。また、全て壊してしまえばもしかしたら……といった期待もあったのだとか。

本編では京子と手を組みレイ達を狙うが、ルイの前に敗北。その後、無力化されていたところを復活した桐原に怪物と共に連れ去られるが、後に脱出。レイ達に倒され、虫の息になった桐原へ募りに募った怨みをぶつけ、復讐を完遂した。

その後、一緒にいたいからという理由でルイを捕食。彼の遺言通りレイに近づき、少しの害意を滲ませながら、彼に怪物としての生き方を教えていく。そうすれば、身体中のルイが目覚めてくれると信じて……。

最終的にはレイ達と和解し、以降はレイにとって姉のような存在になっていく。

彼女もまた、レイを弟のように想いつつあるようだ。

後日自分の因子を取り込んだカオナシを捕食。本人も知らず知らずのうちにキメラ個体となり、彼らを補給源とすることで生きながらえる。


能力:基本的にはレイ達と同じだが、総合的能力は全てにおいて一歩劣る。だが、それを知略で補うことで、強敵相手にも互角に渡り合える。


・蜘蛛の跳躍力

読んで字のごとく。驚異的な跳躍力。三次元的な瞬間速度は、同じアモル・アラーネオーススの中でも最速を誇る、汐里の切り札的な能力。


裏話:汐里ルートはない(断言)

ただ、汐里お姉ちゃんに甘やかされてしんみりしてたら嫁に殺されかけたお話はある。

また、キメラ個体にもかかわらずカオナシ達の能力が発現しないのは、彼らの能力があまりにも弱すぎるため。


⑧米原侑子

性別:♀

年齢:享年17歳

好き:コーヒー(レイの影響)チョコワッフル

趣味:ぬいぐるみのカタログを見ること。レイのストーキング(本人自覚なし)

種族:人間


備考:都内の女学院に通う女子高生。猟奇殺人事件の犠牲者。と、されているが、実際には怪物に喰い殺された。

良家のお嬢様だが、出来のいい弟と常に比べられ、容姿が整っているというある意味では長所な点でさえ見かけ倒しと罵られ、肩身の狭い想いをしてきた。何をやっても中途半端だった自分に嫌気がさし、塞ぎ込んでいたところで、同じように暗い目をしたレイを見かける。一目惚れというよりは彼もまた、自分と同じ孤独を抱えているのではないか。という親近感を抱く。そこから最初は目で追い、後をつけ。気がつけば淡い。依存にも似た想いを抱く。それが怪物の餌食に選ばれる引き金になるとは、微塵も気づかずに……。

怪物に取り込まれた後、通常は中の人格は眠り続けるのだが、彼女は怪物と対話し、いつしか共に生きる支えとなった。以来よく脳内で井戸端会議を開いているらしい。怪物がたまに俗っぽい事を言うのは、半分が汐里で、もう半分は彼女が原因である。


裏話:唇が弱いらしい。また、恋などしたことないからか、価値観がとてつもなく重く、そして嫉妬深い。



⑨桐原康介

性別:♂

年齢:享年24

好き:かた焼きそば

趣味:勉強。研究。女遊び

種族:人間→アモル・アラーネオースス(原種)


備考:教授曰く非常に生まれる確率が低いとされた雄の原種、アモル・アラーネオースス。生前に力を欲し、教授の元から幼生を一体奪い去ろうとした結果、あろうことかそれが雄であった為、取り込む人間として選ばれてしまう。

以降は眠っていたが、偶発的な事故で雄の怪物が京子を取り込むと、彼女と結託して原種の身体を乗っとり、レイ達の前に立ちはだかる。

原種がつがいに選んだ汐里に執着し、執拗に狙い続けるが、最終的にはレイ達の逆襲にあい、汐里に解体された。

能力:基本的には通常のアモル・アラーネオーススと変わらない。尚、彼自身の力はかなり弱いとの事


⑩楠木正剛

性別:♂

年齢:不明(本人曰く享年58)

好き:フィールドワーク・さばの味噌煮

趣味:ハイキング

種族:アモル・アラーネオースス


備考:本編における、殆んどの黒幕。アモル・アラーネオーススを発見し、子をなし、子孫にレイ達を巻き込み、孫を米原侑子や、森島優香にあてがった。

その目的は、自分の子孫で人類を埋め尽くすという到底理解しがたい狂気だった。本編では米原侑子に原種を仕向けた後に死亡したと思われていたが、有する能力、仮死によりルイや汐里の目を掻い潜りつつ、巧みな話術で子孫の数をごまかし、原種の幼生を連れて逃亡。思いつきで人間と犬でも愛は成り立つか? という理由でエディと優香のつがいを生み出した。

その後、大神村にてエディに怪物としての生き方を教えるが、それがほぼ終わったところで蜂の襲撃にあう。既に余命幾ばくもない老いた怪物は、エディに子孫を残せと言い残し、彼に復讐の機会を与えることなく、孫娘とその夫の身代わりとなった。


能力:アモル・アラーネオーススの力。そして固有の能力に擬死……すなわち死んだフリがある。本人曰く、思いの外騙せるらしい。


⑪霜崎アリサ

性別:♀

年齢:享年20

好き:ルイ。お好み焼き

趣味:テレビゲーム全般。読書……を、趣味にしたかった。

種族:人間→アモル・アラーネオースス(原種)


備考:ルイの今は亡き妻にして、大切に想い続ける相手。栗色のショートヘアと、くりくりしたリスを思わせる瞳が特徴的な女性。実験がきっかけでルイと共同生活を送ることになる。元は身寄りのない女性で、夜の町で孤独に働いていた所で、教授のスカウトを受けた。ルイに一目惚れし、その心を開く事に尽力し、ついに射止める事に成功。つかの間の幸せを噛み締めるが、その矢先に原種に喰い殺され、怪物化を果たす。その後はルイとの間に子どもをもうけるが、またしても幸せに浸る暇はなく、汐里が策を弄した怪物同士の争いが起こり、ルイを庇う形で命を落としたという。


⑫雪代弥生

性別:♀

年齢:26歳

好き:牛乳

趣味:陶芸。ボーンチャイナ作り。

種族:人間→茸の怪物

備考:大輔と長らくコンビを組んでいる女刑事。だが、その正体は世間を騒がせ続ける知能殺人犯、通称『骨抜き』

名が示す通り、犠牲者の骨を抜き取っていく殺人鬼。本人もまた、生粋の誘惑者であり、男を精神的に骨抜きにするのもお手のもの。かつて自分の本質に迫った大輔に執着し、身も心も骨も狙い続けている。



⑬カオナシ

性別:?

年齢:?

好き:木の皮

趣味:泥合戦。日向ぼっこ

種族:カオナシ。


備考:見た目は首から上がイソギンチャクのオラウータン。見た目は恐ろしいが、わりとお茶目。本質は何らかの種に仕えることで生きるより他にない、本人達曰く弱い生物。北海道に降り立ち。屈服させる主を求めて南下していき、レイ達と激突し、返り討ちに合うわ汐里に喰われて奴隷にされるわで、散々な扱いを受けるが、晴れてご主人様(?)は決まり、以来レイや汐里と行動を共にする。


能力:捕食した怪物の能力をそのままコピーする力を持つ。だが、強力過ぎれば扱えず、コピーしても出力が弱い上、容量も決まっており、特定数を身体に記憶すると、古いものが順番に上書きされていくらしい。


裏話:実は名前がある。タナカ(故)、ムロイ、ネギシ、サトウ。命名は汐里。


⑭エディ

性別:♂

年齢:享年五歳

好き:ドックフード

趣味:優香と散歩。ボール遊び

種族:犬→アモル・アラーネオースス


備考:ダルメシアン。レイの義理の兄にあたる。元は野良犬として生きてきたが、ひょんなことから教授に拾われ(拉致)優香の飼い犬となる。怪物化の後は優香を守るために。そして教授をいつか殺害するために力を蓄えるが、その最中に蜂の襲撃にあい、以降は蜂から逃亡する生活を送ることに。

村で秘かに生存していたニホンオオカミが蜂の支配下に落ち、村の人間も少しずつおかしくなっていく消耗戦。その最中、教授から存在は聞いていたレイが村に訪れた。

千載一遇の好機とみた彼は、無理やりレイを仲間に引き込み、蜂を迎え打つ。だが、それでも不利は覆せず、一度はレイもろとも敗北。以降は連れ去られた優香を取り戻す為、奮闘することになるが……。


能力:アモル・アラーネオーススの能力。また、元が獣故か、素早い動きと強靭なタフネスをうりとしている。

固有の力は動物との対話。特に同種である犬達を仲間に引き込み、蜂と戦っていた。


⑮森島美智子

性別:♀

年齢:31

好き:押し寿司

趣味:バドミントン

種族:人間

備考:優香の母。村から都会に飛び出し、大学卒業後に結婚するも、優香の出産後に離婚。そのまま男に寄生するように生きていたが、そこをかつての師である教授に目をつけられる。謎の資金援助を申し出た教授を不気味に感じながらも、背に腹は代えられず。同居する男も喜んでいたのでそのまま生活していたが、ある日を境に教授の薦めで実家のある島根へ帰省する。そこが地獄に変わるなど、知るよしもなく


裏話:優香が死に、エディや教授が得体の知れない何かに変わっているのは気づいていながら、恐怖心から思考に蓋をしている。何より他なる、優香の死体を処理したのは彼女である。既に親としての愛情より、恐怖が勝ってしまっているのだ。



⑯森島優香

性別:♀

年齢:享年8歳

好き:イチゴ。エディ

趣味:エディと散歩。エディとボール遊び

種族:アモル・アラーネオースス

備考:エディのつがいであり、実母からネグレクトに等しい扱いを受けていた少女。エピソードらしいエピソードがないのは、彼女の世界がいかにエディで占められていたかを如実に語る。



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