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名前のない怪物  作者: 黒木京也
続章ノ四 愛憎の最終紛争
210/221

92.愛憎紛争の結末

 飛び込んだのはほぼ同時。

 爪は使えない。刺したり切り裂いたりするよりは打撃が有効だと直感が弾き出したので、僕はルイの戦法を真似て、蜘蛛の鉤爪を手甲として扱った。

 振り抜く拳は、京子の喉を狙う。女相手だなんて、甘いことは言うまい。だが、その覚悟をもって容赦なく振るわれた僕の攻撃を、京子は体勢を下げ、額で受け止めた。

 吹き飛ぶ京子の上半身。だが、彼女はその勢いを利用する。バク転の要領で跳ね上げられた両脚が、鋏のように広げられた。下半身の至るところから触手が伸び僕の首ごと捕らえんと迫ってくる。

 引けば、時間の無駄になる。ならば……進むしかなかった。

 首を引っ込め直進する。彼女の脚が僕を挟み込むより早く、小振りな臀部に頭突きをかます。

 腕だけで地面に手をついていた京子に更なる推進力が加わり、彼女はうつ伏せに倒れた。そのまま勢いを殺さずに、背後へ回る。視界が及ばぬ位置へ。そこから押さえ込むべく、僕は京子に覆い被さろうとして……バチリと、うなじに電流が走り……。慌て後ろに飛び退いた。

「あら。後ろから責められるの、結構好きなのに」

「……君が責める。の間違いだろ?」

「征服してるって勘違いしてる男の人……反応がわかりやすいんだぁ。……自分が溺れてるって知らないでね」

 あはあはと口角を歪め、京子は地面に寝転んだまま、誘惑するように腰を振る。見返り姿で送られる流し目には……明らかな毒の香りが含まれていた。そして……上半身だけ起こし、滑らかなカーブを描く背中には……まるで剣山のようにびっしりと、鋭利な菌糸が生えていた。

「ハリネズミみたいだ」

「あ、いいインスピレーションきたわ。ちょっと――実験!」

 漏れた感想に、京子は楽しげに息を吐く。

 攻撃が来る。そう直感した瞬間に、京子がうつ伏せの体制のままこちらに飛んできた。

「――っ、と!」

 僅かに見えたのは、地面を盛り上げる巨大な茸の繊維。どうやら京子はあれを乗ることで、僕に奇襲をかけたらしい。

 何とかよけて安堵するのもつかの間。体勢を整えた京子は、再び僕の方へ走ってきた。

 絡まり合う菌糸が、ヌラヌラとした粘液を放出している。それに顔をしかめながらも僕は迎えうとうとし……。不意に視界がグニャリと歪んだ。

「うっ……ぐ……!」

 込み上げる吐き気。それに気を取られた僅かな間に、京子は僕に肉薄していた。

「お腹――借りるねぇええ!」

 歓喜の雄叫びを上げながら、京子は僕の鳩尾に抜き手を叩き込む。バチュンと嫌な音がして、僕の身体が軽い引き付けを起こした。

「ぐっ……ぎ……」

「捕まえたぁ……! ほら、どこが気持ちいい? どこに植えて欲しいの?」

 何でもかなえてあげるよぉ……と、息を荒げる京子。完全に体内に菌糸が伸ばされている。それを自覚しつつも、僕は地面に仰向けで押し倒されたまま、彼女を睨んだ。

 身体が侵食されている。蜘蛛として単体だったならば、僕はまた能力を完全に奪われていただろう。だが生憎、僕はもう独りにはなれない。

 体内でエリザの感情が昂るのを感じた。侵入してきた京子の因子を片っ端から相手取っているのだろう。そこはもう、彼女に任せるしかない。寧ろちょっと酷い目にあってしまえ。死なない程度に共倒れになれ。

「捕まえた? ……こっちの台詞だ!」

 雑な思考を振り払い、手の鉤爪で、京子の両肩を掴む。彼女の目を見つめたまま、僕は容赦なく、華奢な肩を握り潰した。

「い、ぎ……っ……たぁ……!」

 中の骨が破壊され、肉が千切れ飛ぶ。カビ臭い血が手を汚すが、そんなのお構いなしに力を込め続けた。

 京子の肉は、掌をくすぐるかのように不気味な伸縮を繰り返している。再生が異様に早い。これなら……もう少し無茶に壊してもよさそうだ。

 茸のコロッセオとでも言うべきか。ここを維持する関係か、彼女は分身を作り出せないらしい。今も外では、怪物が茸のドームに攻撃を与え続けているので……。


『返せ……レイを返せ……! 返して!』

『レイ、返事して……!』

『どうして……!』

『ねぇ、ねぇねぇ……ナカでナニシテルノ?』

『酷い……です。返事くらいしてくれたって……いいじゃないですかぁ……』

『殺してやる。殺してやる殺してやる……!』

『引き裂いて、八つ裂きにして、ドロドロに溶かして……!』

『喰ってヤル……!』



 ビリビリとドームが揺れて、怪物の怨念……ではなく、思念が容赦なく僕に叩きつけられる。多分声も出しているのだろう。聞こえないということは、この茸ドーム、結構堅牢なようだ。

 だが、その護りようを見れば、僕と怪物を同時に相手にするのは無理だと京子自身に自覚があるのもまた見てとれた。

 あるいは、僕が手遅れになるまでの時間稼ぎか。

 どのみち、今の彼女も、僕と同じ。限りなく余裕がない状態なのだ。


「京子、〝もう諦めろ〟」


 命令する。だが、彼女の心は頑なだった。

 エリザと僕の力を融合して初めて、松井さんや茸の怪物達は操れた。だがそれは、あくまでも分身が弱かったからだし、ちょっとした詐欺技を使ったからだ。

 その正体は集団催眠。いわば怪物的方法による集団ヒステリーの誘発である。

 茸の怪物が群体で、一人一人が操りにくいなら、いっそ一度に全員操ってしまう。暴論に聞こえるかもしれないが、エリザの心を読み取る力と僕の超直感を併用すれば、不可能ではない。

 茸達は一見個々の性質が飛び抜けているように思えるが、それはあくまでも借り物だ。、一つの人格……。つまりは京子を元にして、それへ依存しているが故に、彼女達は一度コツを掴めば操りやすく。催眠の伝播もしやすかった。

 だからこそ鍵となる僕の声やクラップ音を絶妙なタイミングで見せて聞かせて、感じさせることで、僕は茸達を『自壊せよ』という集団自殺に追い込めたのである。

 そう。オリジナルである、本人以外には。

 催眠には効きやすい人と効きにくい人がいる。

 必要なのは強い意志。他者に靡かず依存しない心と、確固たる自己愛を持つ彼女だけは。僕とエリザをもってしても、欺き、支配しきることは出来なかったのである。

「効かないわよぉ! あたしにはぁ!」

 わかってるでしょう! と、甲高い金切り声を上げながら、京子が身を震わせる。破壊され続ける肩から菌糸が六本伸び、僕の身体中に突き刺さる。負けじと僕も背中から蜘蛛の脚を出し、彼女の肌をめちゃくちゃに掻きむしった。 

 互いの血が、合わせた肌の上で混ざる。

 奥で蠢く、異物感と、気の遠くなるような責め苦に耐えながら京子を見れば、彼女もまた、激痛を堪えながら僕を睨み付けていた。

「ねぇ、気持ちいい? レイ君?」

「そんなわけ……ないだろ……!」

「あっ! ……んうぅう…………」

 左肩を破壊し続けていた片腕を振り抜いた。彼女の腹部に風穴を空け、中の内臓を握り潰す。

 だが、京子は熱に浮かされたかように身体をくねらせながら、両手を僕の首に伸ばし、強烈な力で締め上げてくる。目に宿るのは快楽にまみれた、妖しい光。

 恐ろしいことに、彼女はこの状況すら楽しんでいた。

「首絞めながら、セックスするの、好きなんだぁ。やってみる?」

 ホースを引きちぎったような衝撃が走る。喉仏を破壊された。そう気づいた時には京子の顔が僕に近づいていて、呼吸すら奪うようなキスが落とされて……そのまま、唇を噛みきられる。

「…………っ! ……っ!」

 ヒュー。ヒューと、不協和音じみた気味の悪い音が口から漏れる。

 その目の前で京子は僕の肉片を味わうように嚥下しながら、甘い嬌声を漏らした。

「ああっ……すごっ……。こんなの、ダメよ……」

 菌糸が更に増える。切り裂き、今も攻撃している腹部の傷や臍から伸びてきたそれが、僕の脇腹を集中攻撃する。鍛えにくい柔らかなそこは簡単に肉が破られて、僕は更なる京子の侵入を許してしまう。

 うなじが、危険信号を発していた。

「非日常、だわ……こんなの知っちゃったら、もう戻れない。戻れないよぉ……!」

 だらしなく空いた彼女の口から、涎がしたりおちる。

 身体が痺れてきた。侵食が激しすぎるのだ。充満する胞子と、京子自身。時間は殆ど残されていなかった。

「だったら……そのまま……一人で堕ちろ!」

 攻撃は無意味。ならばまず、この状態から脱出すべき。

 そう判断した僕は蜘蛛脚で京子の触手を全て刈り取り、彼女を全力で蹴り飛ばした。

 身体が軽いせいか、綺麗なアーチを描いて飛んでいく京子。それが遠くでべしゃりと地面に不時着するのを見ながら、僕はヨロヨロと起き上がり、挿し込まれた菌糸を引き抜いていく。

 既に根を張りつつあったそれを引き抜くのは、凄まじい苦痛を伴った。

「い……ぐ……ぉ……」

 僕自身の肉片まじりな触手を打ち捨てれば、ケプッと、口の中からも血が溢れる。吐き出したそこには……シラスを思わせる小さな茸達がピチピチと動いていた。

 もう……体中まで……!

 目眩がするなかで「クソッタレ!」と、慣れない悪態をつきながらも自分を鼓舞する。折れたら負けだ。臆した瞬間に死ぬ予感があった。

 顔を上げる。京子もまた、身を起こしているのが見えた。

 繰り返す再生の弊害か。彼女の身体は限界を警告するかのように痙攣している。

「あのメンヘラ蜘蛛女……っ! さっきから際限なく削りやがってぇ……! レイ君と、全力で愛し合えないじゃない……!」

 おぞましいことを言いながら、京子は僕に目を向ける。ニコリとした太陽のような笑みは、記憶の奥に今でもある。初めてデートした時と同じ。ある意味で僕にとっての非日常。それが今、別の意味で牙を向くなんて思わなかった。

「京子……僕と……僕は……!」

「効かないし、聞かないわ。懐かしいね。そうやって気持ちを伝えようとしてると、あたしに告白した時を思い出すわ」

「……じゃあ、受け入れてくれないかな。気持ちなんかいらないけど」

「ダメよ。そんな口説き文句じゃ赤点よ。……最初は、レイ君の方が必死だったのに……今は逆だね」

 あたしの方が、レイ君を欲しくて堪らないわ。

 切なげな顔を貼り付けながら、彼女がまた向かってくる。迎えうつ以外に方法はない。僕の精神は焦りを覚えていた。

 彼女を屈服させる。そうやって支配した彼女に、自分自身を含めた存在の破棄を命令する。それが、僕の描いたシナリオだった。

 だが……。京子の執念は、僕の予想を遥かに越えていた。

 折れるビジョンが、まるで見えない。それどころか、直感の方が白旗をあげている始末である。アレは無理だ……と。

「レイ君も服脱いでよぉ! 全部ぜぇんぶ繋げて! さっきの食べ合いっこしましょ!」

「嫌だよ! 絶対にごめんだ!」

 組み合いは危険。だから殴り飛ばす。

 だが近づき、離れを繰り返す度に、僕の身体は悲鳴を上げる。傷口に茸が生えはじめ、再生が阻害されていた。

 一方京子もまた、今や身体の至るところの皮が剥がれ、赤黒い繊維が剥き出しになっている。

 一応は綺麗だった女の肌はそこにない。

 僕らの闘争は、完璧に化け物同士の喰らい合いだった。

「〝もう眠れ京子〟!」

「眠らないわよぉ! 呪ってやる……呪ってやるわ! あたしが死ぬのは……レイ君が死んだ時よぉお!」

 僕の身体が限界を迎えるのが先か。

 京子の心が折れるのが先か。


 貴方のモノにはなりたくない。そんなのヤダ。それじゃあ終わってしまう……! 追われるよりも、追いかけたいの……!


 修羅場の中で、思念が叩きつけられる。

 冗談じゃない! お願いだから追ってくるな! 僕もまた、そう心で叫びながら、血風の中へと身を投じる。

 弱まった再生力を酷使して腕や脚を飛ばし合い、中途半端に折れた手足を無理やり動かす。

 殴り、蹴り、噛み合い、絞め合い。その度に僕は京子の心に手を伸ばすが、彼女はその最後の一線だけは守り続けた。

 菌糸と蜘蛛糸が相殺し、血で血を洗うような争いはひたすらに繰り返される。

 どれくらい時間が経っただろうか。

 気がつけば、僕と京子は少し離れた位置に倒れ伏したまま。立ち上がることさえ難しい状態で、酸素を求めて喘いでいた。

 

『レイ、ダメ。もうもたないわ……!』


 僕にだけ、泣き出しそうなエリザの声が響く。残念ながら返事をする気力はなかった。

『とどめをさして、脱出しましょう! あれを潰せば、中の侵食は取り敢えずおさまる筈よ。貴方の直感では、時間を置けば復活するみたいだけど……』

 限界だわ。貴方の身体が。そう暗に告げてくるエリザの言葉に、僕は下唇を噛み締めた。

 今は脅威から逃れる。それは正しいのかもしれないけど……。時間を彼女に渡すというのか? そんなの……危険すぎる! 京子だぞ? 今より更に進化してしまうに決まってるのに……!

『なら、他にどうするって言うのよ! アレを止める方法が、もう今の私達にはない! 今なら、彼女は動けないわ! 今のうちに……!』

 悲鳴を上げるように懇願するエリザ。その時だ。不意に何かを咀嚼するような、生々しい音が耳に入った。

「そんな……嘘だろ?」

 戦慄のあまり、僕はそこから二の句が告げなかった。

 京子は生まれたての小鹿のように、無様に四肢を震えさせながら……。地面の、自ら生成した茸を、獣のように貪り喰っていたのである。

 ゴクリと。京子の喉が動く音がやけに大きく聞こえて……。

 やめろ! もう来ないでくれという僕の願いも虚しく。彼女は、ふらつきながら再びユラリと立ち上がった。


「限界は……! 越えるために、あるのよ……!」


 腹の底から響かせるような声を上げながら、京子は勝ち誇ったように地べたに這いつくばる僕を見下した。

 まじりけのない殺意に当てられて、僕は無意識に拳を握る。

 このままでは殺される。そう直感した今、もう休んでる暇はなさそうだった。

『レ、レイ……! お願い、止めて……!』

「……ごめん、エリザ。まだ少しだけ……無茶するよ」

『…………っ!』

 声にならぬ嘆きを聞き流し、僕は身体を動かすことだけに集中する。糸で無理やり身体を起こし、超直感と心を操る力を全開に。もう止せと叫ぶ身体すら無視して、僕は宿敵を睨む。京子は……幸せそうだった。

「そう……そうよね! そうじゃなきゃつまらないわ! 来て! レイ君! 一緒に堕ちてぇえ!!」

「――っ、京子ぉおお!!」

 対話は不要だった。最後の力をふり絞って糸を出し、京子を完全に絡めとる。

 磔に処された京子がもがき、脱出を試みるより速く、僕は彼女の懐に飛び込んだ。

「ああああぁあああぁぁああ!!」

 折れろ! 折れろと叫びながら、もはや制御を考えずにラッシュをしかける。

 同時に肉がひしゃげる嫌な音が響き渡り、拳に激痛が走った。

 僕の手がズタズタに切り裂かれている。

 京子の身体から針山のように硬化した菌糸が何本も突き出てるのだ。攻撃すれば、僕も傷つく。だが……。

「それが、どうしたぁああ!」

 構わずに殴り、殴り、殴り続ける。

 互いの雄叫びが、ドームにこだましていた。地面を汚す血はどちらのものかわからない。

 耐えてくれ。京子……! 頼むから、生きたまま折れてくれ……!

 もはや訳の分からぬ祈りを捧げながら、僕は拳を限界を越えて振るい続けて――。

 突如、両頬に手がそえられた。


「………………〝今回は〟レイ君の勝ちね」


 静かな声がその場に響く。気高さすら感じそうなそれを聞いた時、僕は静かに拳を下ろす。

 今回は京子の敗北。それは……。


「ああ。……僕の、負けか」


 鈍い痛みが全身に回る。間に合わなかった。その絶望に膝を屈しそうになるが、辛うじて踏みとどまる。

 京子はまだ、果てていない。弱いとこなど見せてたまるか。

「もう、寄生先は見つけたの。その中で眠りながら待つわ。ゆっくりゆっくり、目が覚めるまで。……起きたら、また、やりましょう?」

「……そうならないことを祈るよ」


 次はどうなるのか。それに対する恐怖を封じ込め、僕は彼女を見る。ドロリ。ドロリと。彼女の身体が溶けていく。その姿を目に焼き付けた。

 

「何度でも……貴方を殺しに行くわ。大好きよ……レイ君」

「なら僕は……何度でも君を殺してみせる。京子なんか大嫌いだ」


 そうして京子は、物言わぬ血溜まりに変わる。そこでようやく気の抜けた僕は……前のめりに崩れ落ちた。

『レイ!? ちょっと! ダメよ! ここで寝たら死ぬわよ!? 起きて! ダメだったら!』

 慌てるようなエリザの声が徐々に遠退いていく。

 心配性な奴だ。そう思いながら、僕は目を閉じた。

 確かに、普通ならばマズイ状況だ。けど……。繰り返すが、僕は今、一人じゃない。


 ドリルで泥をかき混ぜたかのような、凄まじい音がして……。

 僕の身体が、誰かに抱き起こされた。

 忘れもしない。花のような香り。目の前は真っ暗でも、僕は大切な存在の気配を感じ取れていた。


「ご……め……んっ……」


 無茶し過ぎた。そう言おうとした時、唇に柔らかいものが重ねられた。

 じわりと伝わる暖かさと蜜の味。

 彼女がもたらす甘い口づけは、僕への報酬だった。


「レイのばか。ばか。……よかった」


 綺麗なウィスパーボイスが耳に心地よい。

 その中に、後は任せてという意志を感じとり……。僕はそのまま、安心して意識を手放した。

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