NHK大河ドラマ 次は誰が主役がいい?
1963年に始まり、今年で65作品目を迎えるNHK大河ドラマ。1993~1994年にかけて、実験的に三作品放送されたことがあるようだが、基本的には1年丸ごとなので、50話ほどのボリューム。あまり歴史的資料の少ない人物を描くには、なかなかなサイズであるが、ここで「いい加減にしろ!」ということがひとつ。
それは「戦国時代モノ多すぎやろがえ!」問題である。戦国時代モノは数多く放送されているので、視聴者側の基礎知識も豊富。また『信長の野望』といったゲームなどの影響も踏まえ、「共通認識」の多さからくる「描きやすさ」もある。これは「なろう小説」とも似たアドバンテージを戦国時代モノが有していることを意味する。
筆者は、基本的に大河ドラマを見ない。というか、まともに一本も完走していない。しかし、チラ見することはある。そして、すぐに見るのをやめる。筆者がまともにしばらく追いかけた作品といえば、松ケンの『平清盛』くらいだろうか。
どうせ見るなら、歴史的に知識の薄いところを知りたい。しかし、今年も性懲りもなく、なろう戦国。秀吉の弟、秀長だという。おそらくこれは一話も見ない。
1960年代
1963 『花の生涯』 井伊直弼
1964 『赤穂浪士』 大石内蔵助
1965 『太閤記』 豊臣秀吉
1966 『源義経』 源義経
1967 『三姉妹』 栗山菊・むら・るい(架空の三姉妹)
1968 『竜馬がゆく』 坂本竜馬
1969 『天と地と』 上杉謙信
1970年代
1970 『樅ノ木は残った』 原田甲斐
1971 『春の坂道』 柳生宗矩
1972 『新・平家物語』 平清盛
1973 『国盗り物語』 斎藤道三・織田信長
1974 『勝海舟』 勝海舟
1975 『元禄太平記』 柳沢吉保・大石内蔵助
1976 『風と雲と虹と』 平将門・藤原純友
1977 『花神』 大村益次郎
1978 『黄金の日日』 呂宋助左衛門
1979 『草燃える』 源頼朝・北条政子
1980年代
1980 『獅子の時代』 菅野平九郎・刈谷嘉顕(架空の人物)
1981 『おんな太閤記』 ねね
1982 『峠の群像』 大石内蔵助
1983 『徳川家康』 徳川家康
1984 『山河燃ゆ』 天羽賢治・天羽忠(架空の人物)
1985 『春の波涛』 川上貞奴
1986 『いのち』 岩田亜希(架空の人物)
1987 『独眼竜政宗』 伊達政宗
1988 『武田信玄』 武田信玄
1989 『春日局』 春日局
1990年代
1990 『翔ぶが如く』 西郷隆盛・大久保利通
1991 『太平記』 足利尊氏
1992 『信長 KING OF ZIPANGU』 織田信長
1993 『琉球の風』 啓泰(架空の人物)
1993- 94 『炎立つ』 藤原経清・藤原清衡・藤原泰衡
1994 『花の乱』 日野富子
1995 『八代将軍吉宗』 徳川吉宗
1996 『秀吉』 豊臣秀吉
1997 『毛利元就』 毛利元就
1998 『徳川慶喜』 徳川慶喜
1999 『元禄繚乱』 大石内蔵助
2000年代
2000 『葵 徳川三代』 徳川家康・徳川秀忠・徳川家光
2001 『北条時宗』 北条時宗
2002 『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』 前田利家・まつ
2003 『武蔵 MUSASHI』 宮本武蔵
2004 『新選組!』 近藤勇
2005 『義経』 源義経
2006 『功名が辻』 千代・山内一豊
2007 『風林火山』 山本勘助
2008 『篤姫』 篤姫(天璋院)
2009 『天地人』 直江兼続
2010年代
2010 『龍馬伝』 坂本龍馬
2011 『江〜姫たちの戦国〜』 江
2012 『平清盛』 平清盛
2013 『八重の桜』 新島八重
2014 『軍師官兵衛』 黒田官兵衛
2015 『花燃ゆ』 杉文
2016 『真田丸』 真田信繁(幸村)
2017 『おんな城主 直虎』 井伊直虎
2018 『西郷どん』 西郷隆盛
2019 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』 金栗四三・田畑政治
2020年代
2020 『麒麟がくる』 明智光秀
2021 『青天を衝け』 渋沢栄一
2022 『鎌倉殿の13人』 北条義時
2023 『どうする家康』 徳川家康
2024 『光る君へ』 紫式部
2025 『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』 蔦屋重三郎
2026 『豊臣兄弟!』 豊臣秀長
―― 歴史的に一番古い人物で、1976年 『風と雲と虹と』の平将門。新しいもので、2019年 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の金栗、田畑。
ここまでを振り返り、未登場だが、大河ボリュームで語れそうな資料や異聞の残っている歴史上の人物といえば、誰が残っているだろうか。もちろん、戦国時代以外で。
卑弥呼は、畿内説や九州説などがあり、触れない。
聖徳太子は、ドラマティックだが、真偽の怪しい部分が多い。木曽義仲は、巴御前も出て来て、題材としていけそうだが、義経に討たれる敵役なので、なろう戦国好きの視聴者ウケが心配。伊能忠敬は、十二分に資料もあるだろうが、測量ネタで50話は少々しんどい。
こういった面もあり、1993~1994年には、丸一年使わないという戦術がとられたのかもしれないが、やめたのは定着する前に、視聴率でNHKが諦めたからか。一発目に陳舜臣原作の『琉球の風』を持ってくるとか、攻め過ぎたからやろがえ(実はこれが個人的には一番見てみたい過去作品。原作は読んだので)。
年間ボリュームで考えないのでいいのであれば、戦国時代なら、筆者は『松永久秀』を推す。ミスター・エキセントリック。フィクション要素を過分に含むが、周辺設定は共通認識なので、脚本家次第で化ける可能性もある。果心居士なんて、ヤバめなキャラも放り込める。
蘇我氏視点の大化の改新(……不穏)。
役小角や空海、鑑真、世阿弥なんかも捨てがたい。
アテルイ……は、やりすぎか。
あ、いちばん見たいキャラを忘れてた。―― 「葛飾北斎」これだわ!
読者のみなさんは、誰の大河が見たいだろうか。
感想などで聞かせてくれるとありがたい。
あと、大河はもう4K画質では撮影するな。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」
画面が鮮明になったせいで、演技をサボっている人間や、装置のハリボテ感がひと目で見破られてしまう(AI動画よりも安っぽい)。全部ソフトフォーカスで、見る側の想像力の脳内リソースを刺激するような、古い画質の方が、結果として迫力があるのだから。




