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天使の探究者  作者: はなり
第三章 動乱平定

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神薙


「姉さん、殺したでしょ」


涼香は戦いが終わり、火憐のところへとやって来ていた。

 

「あら、分かる?」

 

「分かりますよ。だって怖い笑顔が貼り付いていますもん。それに、その血・・コレクションしなかったんですか?」

 

涼香の着る浴衣にはいたるところに返り血がたっぷりとついていた。


「あー、これはさっきここに来る途中でつまらない盗賊がいたのでぶち殺していたんです。あーあ、せっかく下ろしたての浴衣でしたのに。それはそうと、そっちは生捕りにできましたのね」

 

「私優秀だから」

 

「あら、頭がないですわね」

 

涼香は火憐を無視して会話を続ける。


「えっと・・・ここにあります」

 

火憐は手に持っていた鎖の玉を掲げる。

 

「んー!んんー!んん!ーんー!」

 

「なんか言ってますわよ」

 

「うるさいから、顔ごとぐるぐるに巻いてやった」

 

「なるほど。それで何か聞き出せましたの?」

 

「あー、無理だった・・っで姉さんを待っていました」

 

「はぁ、仕方ありませんわね」

 

「じゃあ、あれ使いますね、姉さん」

 

「どうぞ。ちゃんと押さえてあげますから。ほどほどに・・」

 

「ありがとう」

 


「調べがつきました」

 

ツグハは学園長室でこれまでに得た情報を志貴へと報告していた。

 

「各地で起こる小さい事件については咲夜さんやエオールさんが警察隊と協力して平定中。それから一週間程前、涼香様達が得た情報によると敵首謀者、数共に不明ですが、どうやら西の神薙、東のヘルフェブルで異能集団が大規模なクーデターを起こすとの事らしいです」

 

「異能集団ね。もうそんなものまでできているのか。こりゃ遂に大規模な異能事件が起こりそうだな。なんとしても阻止しなきゃね。この大規模なクーデターなら、もしかしたら大本へと繋がる可能性は十分にあるな。それで、敵が根城にしている場所は?」

 

「既にわれています」 

 

「さすが。咲夜だな」

 

「はい。咲夜さんはよく働いてくれました。報酬は弾めとのことです」

 

「そうだね、今回は仕方ない」

 

「はい・・・それが敵の根城というより、怪しい場所をピックアップしたそうです。それがヘルフェブルは廃ビル群、神薙は北栄、南京、神薙の館です」

 

「やはり東はあの廃ビルか。たしかにあそこは、怪しさしかないからな。くそ、こんな事になるなら市長の言う事を聞いておくんだったな。それで、何故西は三箇所も?それに南京ってたしか繁華街だろ、なんでまたあんなところが・・」

 

「西に関しては別の怪しい者たちの動きがあるそうです」

 

「どう言う事だ」

 

「はい。というのも今現在、神薙では吸血鬼騒動が起こってるそうです」

 

「また吸血鬼か」

 

「それに加えて、妙な噂があるそうです」

 

「噂?」

 

「なんでも、吸血鬼を崇拝する団体も影で暗躍していて、同じく都でクーデターを起こそうとしているとか」

 

「吸血鬼を崇拝ね。それで何で南京なんだ?」

 

「はい。南京にはその吸血鬼を崇拝する団体、六花の集いの本拠地があります」

 

「六花だと、偶然か?」

 

「分かりませんが。調べる価値はあるかと。それとクーデターを起こそうとしていると言いましたが、教団については実際にその決行日を入手しました」

 

「いつなんだ?」

 

「七日後です」

 

「七日か、すぐに準備だな。糸音達を呼んでくれないか」

 

「本当に行かせていいんですか?」

 

「今は人手がいるんだ。僕も、ヘルフェブルへ出向く。安心しろ、神薙には涼香たちも派遣しているし咲夜も同行させる。それにも()()()もいるしな」

 

「たしかに安心ですが・・・」

 

「こればかりは仕方ない。それにツグハも見ただろ、彼女達は強い、その強さを信じて託そうじゃないか」

 

「・・・・・」

 

ツグハは何も言わず静かに学園長室を去った。


「はぁ、やっぱり怒こってるよな」

 

 

「着いたーー!!ただいまやで、故郷!!」

 

メイは元気良く、街の入り口にあたる門の前で叫んでいた。

 

「バカ!」

 

「いてっ!」

 

そんな元気いっぱいなメイは同行者である遊にどつかれた。そんな様子を道行く人が珍しそうに見ていた。

 

「極力隠密にと言っただろうが!」

 

「だって、久しぶりやねんから。ちょっとくらいええやんか!・・あっ、おっちゃん久しぶり!」

 

「おい!言った側からまた!」


「ふっふ、さすがメイ。期待を裏切らないな」

 

たわいないやり取りに思わず笑う糸音。糸音達一行は志貴に頼まれて西にある神薙の京へと来ていた。

 

「糸音!笑ってないでメイを見張っといてくれ!・・・こいつ手に負えなさそうだ」

 

この数日で、遊を含め夕ヶ丘学園のメンバーは仲を深めていた。

 

「なんか騒がしいと思ったら、来ていたんだね」

 

門の影から火憐がひょこっと顔を覗かせる。

 

「あ、火憐姉さん、久しぶり」

 

「久しぶり糸音・・・えっと、元気にしてたか?」

 

「元気だよ。姉さんはどう?」

 

「元気、元気!」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」


会話がはすぐに終わり二人は静かになる。

そんな、何を話たらいいのか互いにソワソワしていると遊が声を上げる。

 

「何を緊張してるんだ?お前達、積もる話があるんなら、いったん先ずは宿にだな・・」

 

「あっ、あーそう、だな!涼香姉さんも待っていることだし、早速案内するよ」

 

「そうか、ところで涼香は今何をしているんだ?」

 

「姉さんは今情報収集しているところ。もしかしたら今はいないかも」

 

「そうか。あとで情報のすり合わせだな。まっ、とりあえず宿へ向かうか」

 

糸音たち一行は火憐の案内のもと宿へと向かう。


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